中医学には【自然界のすべてのものは「春に生じ(発生)、夏に長じ(成長)、秋に収め(収穫)、冬に蔵む(きすむ=貯蔵)」という教え】があります。季節の変わり目は立春(2月3日頃)、立夏(5月5日頃)、立秋(8月8日頃)、立冬(11月8日頃)となります。
春は万物が生育する時期なので、私たち人間も何かを志す意欲を芽生えさせるとともに、ストレスを上手にコントロールして、心のリラックスに努めることが、春を健康に過ごす上で大切です。ストレスは気の流れを滞らせ、その弊害がからだのあちこちに出てきてしまうからです。一般に、胃腸の不調を訴えたり、吹出物や肌の過敏、疲労感などを自覚することが多く、夏の暑さを感じる季節になって、逆に足腰が冷えてしまい、エネルギー不足となり、夏に自然から与えられる成長の気を受け入れることができなくなってしまいます。
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生長の季節にはカルシウムの補給に気をつけましょう
春は骨の生長する時期。骨がスカスカになると、その上に付いている肉もスカスカに。肌のたるみがないようにするために、カルシウムの豊富なニラを食べましょう!ニラは気の流れを整え呼吸器を清浄にし、排毒の役目があります(本草綱目)。
骨の形成を助ける食べ物として、大豆、びわ、真珠なども。
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酸っぱいものは少なめに、甘いもの(甘みのあるもの)を取るようにしましょう 酸味は体をちぢこまらせてしまいます。あっさりしたもので、自然の甘みを感じるような旬の山菜がおススメです。
脂っこい物や、刺激のあるものは避けましょう。
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この季節に汗をかきやすくなりますが、必要以上に汗をかくことは、からだの気を消耗して、エネルギー不足の状態に陥ってしまいます。さらに冷たい飲み物を摂り過ぎてしまいがちですが、冷たい飲食物の摂り過ぎは胃腸の働きを弱らせ、気の不足を助長し、免疫力の低下に。また暑さをしのぐために私たちのからだは皮膚の汗腺が開いて汗をかき体温を調節していますが、このときに冷房などでからだを冷やすと、夏カゼをひきやすくなります。夏カゼによく見られるムカムカや下痢などの症状は、胃腸の働きが弱っていることでからだ全体の水分代謝がうまくいかず、不要な水分がからだに溜まってしまうことが原因。
一方、汗をかきすぎると、からだ全体の水分が減少し、同時に気も消耗する。このことは血液濃度や心臓の働きにも影響を及ぼし、心臓に負担をかけることに。汗のかき過ぎによる動悸、息切れなどは、心臓からの赤信号。こうした意味で、夏は水分や水分が生まれる食べ物を上手にとることが健やかに過ごすコツです。
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自然の風に吹かれる
夏は汗をかくことにより排毒をはかる時期なので、クーラーの中での汗をかかない生活は、からだをだるくさせてしまいます。汗をかかないのは、おかしいと思いましょう。
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家の中をじめじめさせない
じめじめさせることにより、からだの中にも湿気がたまり、むくみの原因になります。
窓を開けて、風とおしをよくしましょう。
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おススメの食材
▼汗をかいた後に水分を補給する 冬瓜、きゅうり、へちま、かぼちゃ、にがうりなど
▼のどの渇きをなくし、暑さを醒まし、清熱することにより排毒、排便を促す へちま、トマト、セロリなど
▼夏の病気予防に、殺菌作用のあるもの にんにく、たまねぎ、長ねぎなど
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夏風邪におススメの処方
▼用意するもの 長ねぎの白い部分をそぎ切りしたもの1本分、生姜ひとかけを千切りにしたもの、黒砂糖小さじ1杯
▼作り方 300ccの水を入れた鍋に、すべてを入れていったん沸騰させてから弱火で2分
▼飲み方 コップに入れて“ゆっくり”飲んでください |
特に秋は乾燥の季節です。人のからだでは、乾燥気候の影響を最も受けやすいのは、咽喉や鼻、気管支などの呼吸器と皮膚で、東洋医学では「肺は皮毛をつかさどる」と言って呼吸器に皮膚を含めてとらえています。健康な人の肺は、水と血によって潤されていることで、呼吸と防御の役割を果たしています。したがって秋から冬の乾燥気候によって肺の水血が不足してくると、から咳、咽喉の乾燥、声がすれ、皮膚の乾燥感といった、乾燥特有の症状が表われやすくなります。また精神状態はあれやこれやと焦ったり、気ぜわしくイライラしたりしないように心がけることも大切です。自然界のすべてのものをしまいこむ冬に向けての秋の養生を間違うと、冬になって胃腸の働きが弱くなり、エネルギーの貯蔵に支障をきたしてしまいます。
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水を補う 秋は乾きやすいので、ふだんよりもこまめに常温以上の水をとりましょう。 |
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肺を潤わせる食べ物をとる
鼻呼吸することも大事です。イライラが少なくなります。
ゴマ、くるみ、蓮根、蜂蜜、梨、ユリ根、白きくらげ、真珠、大根
※さっぱりした食べ物や、少し刺激のある食べ物をとるようにしましょう。
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常に笑いを心がける
笑いというのは一種の健康のための運動。笑うことにより、胸の筋肉を使うことになり、肺活量が増します。中医学的には、笑いは、十分な空気を吸い、体の中の汚い空気を出すことにより、血行促進を促すので、疲労回復につながると考えられています。 |
冬の強い寒さはエネルギーを消耗するので、この時期には強い寒さにふれないよう安静な状態を保つべきで、積極的に運動して汗をかくのは控えたほうがよいです。これは、寒い時期に栄養分をしっかり吸収し蓄えておかないと、自然界の陽の性質が強くなりはじめる春先に陰陽のバランスが取れず病気になりやすいという予防医学的な視点に基づくもの。特に日頃から、からだを潤す栄養分や体液が不足気味の人は要注意。春になってからだの陽の性質(気)が相対的に高ぶってくると、めまい、のぼせ、不眠症、躁鬱病などの、いわゆる“木の芽どきの病”に罹りやすくなります。
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足と、うなじと、腰を冷やさない
私たちの一生の中で一番大切なことは、「からだを冷やさないこと」「からだを温めること」。
人体の中で冷えやすいのが、腰と足とうなじです。
■冬は、足を温める、そして、足に汗をかいたらスグに靴下を履き替えること
■うなじ、背中を冷やさない:帽子やスカーフで寒い風から守ること
■からだの中で大事な内臓が存在するのが腰の裏側、ここが冷えることにより、いろんなトラブルが起こる
▼体を冷やさない
はらまき、温かい下着を着る
▼体を温めること
温かい飲み物を飲む、温める食べ物を食べる、お風呂にゆっくりつかる |
つぎに1ヶ月 (28日間)の周期についてお話します。女性特有ともいえる1ヶ月の周期は大きく4つに分かれます。まず生理後のハッピー期はお肌イキイキ化粧のりもバッチリ。排卵期になるとバランス期に入り、お肌不調顔がベタベタしてくる。そして生理の一週間前になると、お肌さらに不調顔がベタベタして、にきび、吹き出物が出やすくなる。この時期は新しい化粧品は使わない方がいいです。生理中は何をしてもダメな時期。新しくスキンケアを変えるのはとくに生理の1週間くらい前から生理が始まって2日くらいは肌が不安定なのでさけたほうが無難。また、季節の変わり目に肌トラブルを起こしやすい人は、肌が落ち着いてからにしましょう。
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