
一日の食事で、一番大事なのが朝ごはん。ごはんを食べることで目覚めもよく、頭が冴えてきます。とはいえ熱帯夜が明けたあと、だるい体で朝ごはんを作るのはとても面倒……。今回は、楊先生おすすめの体によい夏の旬素材を使って、沼口先生にカンタン朝ごはんを作っていただきました♪ びっくりするほどカンタンなものがあるので、普段、料理をしない人にも必見! |
楊: |
朝ごはん、皆さんどうしてはるの? 冷蔵庫から何かを出して、ちょこっとだけの準備でできる、美味しくって、元気になれる、朝ごはんがあるんやったら教えてほしいわ〜! とくに暑い夏でも体を冷やさない朝ごはんが作れたら、うれしいんですけど。 |
沼口: |
そうですよね、とくに夏は朝ごはんって、食べるのがきついときありますよね。 |
楊: |
3食の中で朝ごはんが一番気ぃつけなあかんねん。 朝ごはんを食べるか、食べないかで、ダイエットが成功するかどうかが決まってくる感じ。 |
沼口: |
そこまでですか! もちろん食べたほうが体によいとは思っていましたが。 |
楊: |
朝ごはんを食べると、頭にも栄養がいくので、頭がよく動くようになるねん。そうすると、体のあちこちに指令がいって体全体が目覚めていくねん。朝ごはんをキッチリ食べてから外出すると、フットワークも軽く、感性もよく働くし、寝起きの顔よりもずっとキレイに見えるようになる。女性は人に褒められて何ぼ。朝ごはんを食べていると、褒められる機会が増えると思うのよ。そして褒められるとうれしいから、どんどんキレイになる。
ただし、朝ごはんは“ブレイクファスト(断食あけ)”というぐらいなので、冷たいものは論外ですが、重すぎても軽すぎてもダメ。あと噛み応えのあるものが◎。焼きおにぎりはそういう意味でもええと思う。 |
沼口: |
朝はやはり糖質をとることが大事と考えると、やはり“お米”がよいですか。 |
楊: |
みんな炭水化物はよくないっていうんだけど、炭水化物は噛んだら、唾液と一緒になって、ブドウ糖になる。大脳を働かせるのは、ブドウ糖しかないの。もし炭水化物をとらないと、タンパク質からブドウ糖を摂ろうとする。つまり、私たちの肌とか筋肉からブドウ糖をつくるわけ。すると残るには脂肪だらけ。でも筋肉が減るのでやせるのよ。やせているのに体脂肪が高いという人はそんな理由やねん。 |
沼口: |
なるほど。ごはんを食べないと、やせるけど脂肪は減らない・・・。 |
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沼口: |
まずは、あまり食欲がないときにおすすめの朝ごはんです。すいかがないときは、いちじくやもも、メロンでもOK。旬の果物でどうぞ。 |
楊: |
すいかと寒天がバランスよくっておいしいわ〜。【黒みつ】はミネラルがいっぱい入っていてエエで〜。そのほか黒砂糖とかハチミツもミネラル豊富で、糖分を燃やしてくれるの。でも精製された白い砂糖は体を冷やしやすいねん。そやからやっぱり私は黒砂糖派。 |
沼口: |
粉寒天を使えば、思っているよりずっと簡単。粗熱をとって冷蔵庫で1〜2時間もあれば、固まります。もし急いでいる場合は氷水をあてると早く熱がとれて、早く固まりますよ。食欲のない朝には、すごくおすすめです。 |
楊: |
【寒天】みたいにすこしネバネバしているものは、体内での滞留時間も長いので体の悪いものをくっつけて排出してくれるお利口さんな食材やし。 |
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沼口: |
トーストにトマトをこすり付けるだけ。ほんとに料理といえないくらい簡単です。 |
楊: |
(ひと口食べて)こんなお母さんが欲しい……(笑) |
沼口: |
さわってみて、ちょっとやわらかくなったくらいの、真っ赤な完熟トマトがおすすめです。塩とオリーブ油の代わりに、ハチミツをかけてもおいしいの! ぜひ試してみてください。 |
楊: |
赤いものは体にエエねん。【トマト】は貧血予防や胃炎の消炎効果があるし、大量に含まれるビタミンCは二日酔いにも効果アリ。ただ、寒性の食材だから空腹時に食べると腹痛になることも。何か温かい飲み物と一緒にとるようにしてください。 |
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楊: |
バターとマスタードがきゅうりと合うわ〜。【きゅうり】は凉性なので、暑さをなくし、利尿作用、お通じにもいい。カロリーが脂肪に変わるのを抑制する働きもあるねんで。 |
沼口: |
それはうれしいですね。パンは冷凍保存できるし、夏場はすぐに自然解凍できるから便利。手軽なので朝ごはんの強い味方です。すぐに食べるのであれば、マヨネーズでもOKです。 |
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沼口: |
やっぱり朝は「ごはん」を食べたい、という方に、材料をみじん切りするだけのお料理です。 |
楊: |
【ゴーヤ】は香港でも人気の食べ物。苦いものには排毒作用があるんです。【なす】には中医学的に血を補う作用やデキモノを消す、痛みを治める作用が。【ミョウガ】は栄養成分は少ないけれど、香りと辛みの成分が消化を促進したり、熱を治める作用で夏風邪ののどの痛みなども和らげてくれます。 |
楊: |
なすが生のままだとまた違うおいしさですね。火をつかわなくてよいところがすごく手軽な感じでいいです。中国には生で野菜を食べる習慣がないから、とっても新鮮!! |
沼口: |
“だし”は、山形で「だす」と呼ばれる郷土のお漬けものなんです。できてすぐのシャキシャキしたのも美味しいし、少ししんなりして馴染んだのもよいですよ。冷やっこにのせるのもおすすめですが、体を冷やしすぎですか。 |
楊: |
そうやね・・・。常温ぐらいだったら大丈夫よ。冷やし過ぎないということは大事だけど、冷やすことが必要なときもある。度がすぎなければエエと思うのよ。例えば、白くなりたかったら白いものを食べるというのがあって、豆腐はそのひとつだから、やっぱり食べたほうがいい。“バランス”が大事。 |
沼口: |
そうですね。そこにショウガのみじん切りが入れば、少し体をあたためてくれますしね。 |
楊: |
体が欲しているものを食べるのが、一番いいんです。 |
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沼口: |
これも、少し面倒そうに見えますが、実はとうもろこしの実をそいで、炊飯器に入れるだけなのです。焼きおにぎりが面倒だったら、もちろんそのままでもOK。香菜と一緒に食べてもおいしいですよ。 |
楊: |
いろんな歯ごたえがあって楽しい。噛むことは自然とフェイシャルにもなるし、元気にもなる。ちゃんと噛むとブドウ糖になりやすいし、噛む時間が長いとおなかがいっぱいになってくる。右左同じぐらいづつ噛んで、一日3回意識してやれば、ほおの筋肉は上がっていくわ。このレシピ、ダイエットにもいいかも! |
楊: |
あと【とうもろこし】は整腸、便秘、むくみによいです。体力、持久力もつくから中年のアンチエイジングにもいいわね。ひげは利尿剤として妊娠時のむくみや糖尿病にも効果アリです。香港はひげだけでも売ってるで。 |
沼口: |
一緒に炊き込んでしまうと気になるかしらと思ったのですが、大丈夫そうですね。香港では、どうやって使うのですか? |
楊: |
煎じてお茶にしたり、素揚げにしたり、とてもよく使うのよ。 |
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楊: |
ゆき先生が作ってくれたものは、どれもホンマおいしかったわ〜。心をこめて作ってくれはったからやね。気持ちが入っていると味って違うと思うもん。 |
沼口: |
(私も)絶対、そう思います! 特におにぎりとか……手のエネルギーが伝わっているのかしら? |
楊: |
そう思うわ。朝食べることは大事だけれど、いちばん大事なんは“気持ち”。 |
沼口: |
市販されているものと家庭の手作りの大きな違いは、手作りは食べる人の事を思いながら作れるということなんですね。家族の好み、健康状態、そして何よりも体に良い美味しいものを食べさせたいという気持ちが入ります。夫は辛いものが好きだから今日はちょっとピリ辛にしようとか、おばあちゃんは歯が悪いから小さく刻んであげようとか、そんな心遣いが料理を美味しくすると思うんです。 |
楊: |
体が求めるもの、旬のものを、美味しいものを食べたい、食べさせたいという思いをこめて作り、食べる。それだけで体は信じられないくらい元気になる。1日3食のごはんは1日3回の“大きなくすり”を飲んでいるのと一緒なんです。 |
沼口: |
本当に大事にしてほしいですね。 |
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