楊 さちこ先生×沼口ゆき先生 体にええコト、始めませんか?〜ちょこっと、やくぜんレシピ〜 【第1回】体も心もあたたまる、ちょこっとフルーツティー

 

やくぜん(薬膳)は毎日のお料理の中にある!

楊さちこ先生

楊:

薬膳料理、といわれると、漢方薬的な材料を思い浮かべ、とても手間のかかる、難しいレシピをイメージしがちで、おまけに薬や苦い味まで想像する。本来は食べて気持ちがよい、美味しければ、それでええんやと思います。病気になるのもしんどい、病気を治すのはもっとしんどい。だけど、病気にならんようにするのはさらに大変。食事っていうのは一日3回の大きな“くすり”を飲んでいるのと同じこと。簡単に手に入るもので料理をしていて、気づいたら、それが薬膳だった、というのが本当の薬膳なんです。

沼口:

“薬膳”という言葉が、難しいものに感じさせていると思うんです。しょうがも、にんにくもニラも、日常的に使っているものが、実は薬膳の一部なんですものね。私も自分自身の体調がよくなかったときに、薬膳料理に興味をもって勉強し始めたんです。本当にちょっとしたことなんですけど、食材の薬膳的効能を知ってその食材を料理に取り入れると、本当にみるみる体調がよくなって。でもそれは、特別な食材ではなくて、いつも普通に食べているものなんです。

楊:

そうですよね〜。 ここでは、私とゆき先生とで、新しい“やくぜん”スタイルを提案しましょうよ!

沼口:

結局、“やくぜん”の基本も、旬のものを美味しく食べるということですよね。その第一歩として、まずとにかく簡単にできること、ですね。

沼口ゆき先生

楊:

そうそう。私は、「ええモン」が好きなんです。それって、値段が高いからええとかというのではなくって、高くても安くても「ええモン」がええんですよ。薬膳の考え方も同じで、ええモンを体にとることが大事。

沼口:

普通のスーパーにある素材でご紹介したいですね。薬膳は、中国のものでないといけないような気がしていたのですが、身近な食材で作れる、旬のものを使えばもっとよし、ということをお伝えしたいです。

楊:

あとは、中医学の基本である「体を冷やす」食べ方をしていないかどうか、さえちょっと気をつければええんやと思います。

沼口:

夏の食材は、体を冷やす食材がいろいろありますがそれはあまり使わないほうがよいということですか?

楊:

うふふ。「体を冷やす」と「体を涼しくする」は違うねん。夏の食材は、「体を涼しくする」のであって、「体を冷たくする」わけではない! でも、すいかを冷蔵庫でキンキンに冷やして食べると「体は冷たく」なってしまうけど、昔は冷水で洗面器にいれて冷やしていたじゃない。よく考えてみると、アジアの国では、果物は冷蔵庫に入れたりせいへんのよ。もし、冷蔵庫で冷やした果物を食べる場合は、外に30分出してから食べてほしいわぁ。

沼口:

確かにそうですよね。冷蔵庫で冷やしすぎると、甘みを感じなくなって、美味しくなくなっちゃうんですよ。食べる直前に短時間冷蔵庫にいれれば充分なのに。

楊さちこ先生,沼口ゆき先生

楊:

そうや!第1回目は、とにかく簡単にはじめられる、暑い夏でも飲みたくなるような、温かい飲み物をぜひ考えてください! 中医学の基本の基本ですから。例えば、夏の果物を使った「フルーツティー」なんてええな〜と思うんですけど?

沼口:

いいですね! 透明なポットやグラスに入れるので、見た目にも涼しげだし、香りも楽しめるし。体も心も温まって、視覚的にも癒されそうですね。

楊:

果物を温めて摂る、って日本ではあまりやらないですが、私、香港ではフルーツティーをよく飲むんです。なんか、お茶がまあるくなって、体が喜んでいる感じで、ものすごいええねん。最近の大ヒットは、カモミールティーに梨とクコの実が入っているものなの。

沼口:

おいしそう。私は桃を使ったフルーツティーがすごく好きです。夏の果物とベースのお茶をいくつか選んで、美味しい組み合わせを見つけましょう!

もしかしてほうじ茶って、すごいんちゃう?

ということで、以下のようなお茶と果物を、ゆき先生がチョイス。
果たして、どの組み合わせに軍配が?

パイナップルほうじ茶
■ベースになるお茶 3種
○紅茶
○ほうじ茶
○ローズヒップ&ハイビスカスティー
■夏の果物 4種
○パイナップル
○グレープフルーツ
○すもも
○すいか

沼口ゆき先生

楊:

いい香り〜!お茶とフレッシュフルーツの香りは天然のアロマやわ!

沼口:

そうなんですよ。グレープフルーツなんかは切ったりむいたりするだけで、とてもよい気分になってきます。

楊:

じゃあ、味比べ、はじめましょう。ローズヒップ&ハイビスカスティーは酸っぱいから、酸っぱいちゃんと酸っぱいちゃんの組み合わせで、パイナップルやすももにぴったりね!

沼口:

飲んだあとスッキリするから、朝の目覚めの一杯にいいのでは?

楊:

【すもも】は中国では“長寿の果物”って言われていて、鉄分が多く含まれているから貧血予防になるんです。肺にもええから、お肌にもいい。朝飲めば体も今日一日がんばるぞ〜ってなるんやないかな。でもすももほうじ茶は、果物の中に間違えてお茶入れてもうたって味……

沼口:

そうですね〜(笑)。でもパイナップルほうじ茶はいけますよ。

楊さちこ先生,沼口ゆき先生

楊:

ほんまやん! 香りもいいし、おいしい。パイナップルもえぐみもがとれて食べやすくなってるわ〜。【パイナップル】は喉の乾きを癒してくれるし、消化を助けてくれる。利尿作用もあって、ダルさを解消してくれるねんで!

沼口:

なるほど。ほうじ茶にパイナップルの酸味がほどよくついて冷めてもおいしいから、いつもそばに置いておきたいですね。ほうじ茶を多めに作ってパイナップルの芯(食べないところ)を入れたものを常備するといいかも。

楊:

それ、いいですね。これなら水分とるのが苦手な人でも大丈夫そうやし。すいかほうじ茶も結構イケる。ほうじ茶って、けっこうやるやん!(笑)。紅茶はどれも合うと思っていたけど、飲んでみると口に苦みの残るものが多いかな。

パイナップルほうじ茶 詳しいレシピはこちら

沼口:

そうですね〜。温かいときはおいしいんですけど、冷めるとタンニンが出てきて渋みが残っちゃう。そうゆうときは、はちみつをかけたり、ミントを浮かべると飲みやすくなりますよ。

一番人気はなんと、パイナップルほうじ茶!

ほどよい酸味で喉もとスッキリ。パイナップルもカドがとれて優しい味わいです。みなさんもぜひぜひお試しください。そして、お茶の中のフルーツを試食していて、思いがけない新発見が……!

味比べの結果はこちら

ホットフルーツって、予想外に美味しい!

意外や意外、お茶に浮かべていたフルーツがイケる味だったのです。

楊さちこ先生

楊:

紅茶は冷めるとイマイチやけど、温かいときに中のグレープフルーツを食べるとおいしいわぁ。【グレープフルーツ】はビタミンCが豊富! シミ予防、美白におすすめ。また体の免疫力を高めたり、疲労回復の働きもあるし…。

沼口:

夏にうれしいフルーツですね。どんどん食べたくなっちゃう(笑)。温かくしてもフルーツのみずみずしさは変わらなくておいしいし、“ホットフルーツ”って新鮮ですね。

楊:

ホットすいかもイケるわ〜。温かいのにサクッとしてる。すいかは体を涼しくするフルーツと言われるけど、熱したり塩と一緒に摂ると温められるから、一石二鳥だわ。

”ホットフルーツ”一番人気の『ホットすいか』 詳しいレシピはこちら

沼口:

すいかやパイナップルは、スーパーなどでカットフルーツとして売られているから、そのままお茶に入れるだけでできるし、忙しい人には手軽にできてよいかもしれないですね。

楊:

それなら私にもすぐできそう(笑)。今年の夏は「ホットフルーツ」と「フルーツゴロゴロドリンク」で決まりっ!やね。

ベースにするお茶をカモミールティーなどのハーブティーにしたり、フルーツを桃やメロンなど季節によって変えれば、無限大の組み合わせが楽しめます。いろいろに試して、“Myベストフルーツティー”を見つけてみてください。


レシピ・料理製作 沼口ゆき  取材・文 須永久美  撮影  島村緑
撮影協力 株式会社キントー(※今回掲載した商品はアイネスト

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沼口ゆき先生 プロフィール
浜口ゆき先生

料理家。市場の近くで暮らしたくて築地に越して7年。旬の魚と野菜、美味しいお酒が好き。少人数制の料理教室主宰。著書に「チョコレートノート」(グラフ社)、「気分はちょっとごちそう」(角川SSコミュニケーションズ)他。ただいま薬膳勉強中。

今回のレシピ
パイナップルほうじ茶

パイナップル
ほうじ茶

ホットすいか

ホット
すいか

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【第2回】しっかり噛んで頭と体を動かす、ちょこっと朝ごはん


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