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“ガーナチョコレート×上越国際スキー場”
スノーボードに興じる際、必ずチョコバーを携帯する私にとって、これ程合点のいく組み合わせはない。ともすれば「お腹が空いたら…」的な企業戦略かぶれに勘違いされるかもしれないが、さにあらず。恐れているのは“雪山=遭難=チョコレート=救助”という図式である。
そう、私は常に最悪の事態を想定して行動がとれる男なのだ。最悪の事態を想定しすぎて家から一歩も出られなくなってしまう男なのだ。ベッドでポテチやアイスを頬張りながらTVを観るというアメリカン・デブ・ライフが常である。
とは言えそこは男の子、内に秘めたワイルドさを、年に一度くらいは開放しなければ精神衛生上よろしくない。そういった意味でのスノボ旅行であり、私にとって危険と隣り合わせである“雪山でレジャーを楽しむ”ということは、『LIMIT
OF LOVE 海猿』同様“限界”のドラマ、そして生と死の“境界”であるのだ。
兎にも角にも、備えあれば憂いなし。実際、昨年はこのチョコバーが役に立った。
その日は、友人の車に乗せてもらうため、集合場所である郊外の駅に始発で到着した。ただ着くや否や車の方は1時間ほど遅刻するとの連絡が入る。はてさてどうしたものか?
時間が時間だけに空いている店はなく、コンビニすら見当たらない。加えてその日は関東地方でも記録的な寒波であった。何も食べていなかったのでお腹も空いてきたし、何だか眠くなってきた。生命の危機を感じた私は、やおらチョコバーを取り出し、マッチ売りの少女よろしく1本1本剥く度に希望を見出し、何とか持ちこたえることができたのだ。
ただ、出発前に全部食べきってしまい、ゲレンデでは不安で仕方がなかったという文字通り甘い思い出である。
しかし、今年はそんな心配はいらない。例え出発前にチョコバーが尽きようとも、ゲレンデでは親子で楽しめる雪上ゲーム大会、「ロッテpresentsUXJKキッズフェスタ」が開催されており、参加者にはガーナ・ホットチョコが振舞われるというではないか。最悪、何かあればそこに駆け込めばいい。
そんな安心の二枚重ねでホクホクしていたのも束の間、友人から「今年は皆の都合が合わないからスノボには行かない」との連絡が入る。さすがの私もこの事態は想定できていなかった。誰か私をスノーボードに連れてって。
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