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先日、静岡の実家に帰省した時のこと、暇をもてあまして近所を散歩していると『ここで小便をしないでください』と書かれた立て看板に遭遇した。
どうやら空前のペットブームの波は、こんな片田舎にまで押し寄せているようで、昔に比べ高そうな犬やら猫やら連れて歩く者が増えていた。だからこその呼びかけであろう。そんな我が町の発展ぶりに色めき立ったのも束の間、後に続く但し書きを見て事態は一変した。
『※ペットも同様です』
え!? 人向け!? このメッセージ!
何と我が町は、人類に向けて訴えていたのである。「小便をするな」と。
とは言うものの、その場所は思いっきり線路沿いであり、かつまた大通りに面している。大の大人が粗相をするには、羞恥心という面から考えてかなりリスキーだ。言われなくてもしねーよ。というか「こっちから願い下げだ」くらいのはずである。
とはいえ、注意書きがされているということは、実際にしている奴等がいるという事実。
更に注目すべきは、“立ち”と表記されていないことから、女性も視野に入れているという点だ。確かに、現行犯ならいざ知らず、現場検証だけでは男女の判別はつきにくい。早まって“立ち”などと男性限定にしようものなら、フェミニスト団体から吊るし上げをくらいかねない。
こういう男女平等に気を配る先進国的な部分を見せつつも、一方で道端で粗相する野蛮な面も持ち合わせる我が町に、すっかり都会の生活が染み付いた私は、どう対応すればいいのだろう?
陽動作戦という観点からすれば、映画「インサイド・マン」の犯人グループとタメ張る程に秀逸である。事実、私の動揺ぶりは半端ではない。ただ、私の判断力を鈍らせたところで一体何の得があるというのか?
できることなら問いただしたい「ポポ惑わしてどうするつもり?」と。「女房酔わせてどうするつもり?」ぐらいの勢いで。
でまあ実際のトコロ、夜中にその場所を通りかかると、犬連れたオッサンが粗相しているではないか。ちなみに犬はしていなかった。だから何だと言うわけではないが、東京で骨を埋める覚悟を決めた夜となったのでした。
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