ベアト・ストロイリの作品に現れるのは、常に混み合った都市を行く人々です。巨大なスケールで映し出されてはすぐに消えていく人々の表情、しぐさ。写真と映画の境界にあるような静止の一瞬は、平凡な風景の中の美しさ、街を行く一人一人の隔絶した高貴さを思いがけず明らかにします。人々の顔にふと浮かび上がる、気の遠くなるほどの時間の重なりや、古くから繰り返される同じ仕草、そしてその土地の風。その中を行き交うすべての人に自らを映しこむ都市の奇跡が浮かび上がります。
1957
スイス生まれ
1990
個展、テイト・ギャラリー(ロンドン) 「現代の写真 失われた風景・幻想と現実の境界」(グループ展)、横浜美術館 ヨハネスブルグ・ビエンナーレ
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