ヨーロッパ屈指のコレクションを誇る、ドイツ・デュッセルドルフのノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館。初代館長ヴェルナー・シュマーレンバッハ氏の豊富な専門知識と優れた鑑識眼で選び抜かれ、収集された作品群の中でも、ピカソとクレー作品は各時代の代表的名作が揃い、とりわけ高い評価を受けている。同館のコレクションは、これまで常設展運営のため作品の貸し出しは困難だったが、今春より改修増築工事に入ったため、世界初となるコレクション展の開催が実現した。
会場には、ピカソとクレーの作品を中心に、マティス、ブラック、シャガール、マグリット、エルンストなど西洋近代を代表する作家、そしてマックス・ベックマンやフランツ・マルク、オスカー・シュレンマーなどドイツ近代を代表する作家たち全23作家の作品がずらり。日本初公開作品22点及び東海地方初公開作品58点を含む全64点により、キュビスム、シュルレアリスム、表現主義、構成主義など、20世紀前半の西洋近代美術の動向を見渡すことができる圧巻の内容だ。