キュビスムとの出会いを通じ、透明さと輝きに満ちた独特の絵画世界を創り出した画家、ライオネル・ファイニンガー(1871-1956年)。その芸術を日本で初めて包括的に紹介する展覧会が催される。
NYのドイツ系移民の家庭に生まれたファイニンガーは、16歳でドイツに渡り、35歳の時に絵画に取り組み始めた。画家以外にもさまざまな顔を持ち、新聞や雑誌に漫画や諷刺画を寄稿して大きな成功を収めたり、1919年のバウハウス設立に際しては、校長の熱心な要請によりマイスター(親方)に就任、版画印刷工房の指導に当たった。さらに、我が子のためや玩具メーカーの依頼で、汽車や建物、人物などの可愛らしい木製玩具も制作している。
本展では、初期から晩年に至る多彩な作品131点を展観。知られざる巨匠の秘められた全貌に迫る。