- 『Ray Of Hope』
- 8月10日(水)発売
- 初回限定盤:3500円
WPCL-10964/5
(ボーナスディスク「Joy1.5」付き) - 通常盤:3150円
WPCL-10966 - ワーナーミュージック・ジャパン
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6年ぶりのニュー・アルバム『Ray Of Hope』をリリースする山下達郎が、ぴあの名物企画「100Q」に登場。震災後にタイトルを変えたという新作についてはもちろん、ここ数年、精力的に行っているコンサート・ツアーのことからプライベートな質問まで約90分に渡ってたっぷりと答えてくれた。縦横無尽にして濃密な達郎ワールドをご堪能あれ。
Text●森朋之
Q1 新しくコンサートホールを作るとしたら?
「日本には民間のホールが少ないので、もっと増えるといいなとは思いますね。 ほとんどが官営なんですよ。要するに役所みたいなもので、時間にうるさいんですよね。東京の民間ホールはぜんぶクラシック専用だから、僕らみたいな音楽ではやらせてもらえないし、できないんです。東京にもひとつ、僕らがやれるような民間のホールがあったらいいんですけど」
Q2 無人島に持っていきたい1枚は?
「1枚はムリです。せめて棚一個分、ダンボール一箱分はないと」
Q3 うどんとそば、どっちが好きですか?
「もちろん、そばです。落語にもそういう話があるんだけど、祝い事のときに“そばで一杯”はあっても、うどんって具合が悪いときに食べるものでしょ、東京の場合。大阪の人にこれを言うと怒られるけどね」
Q4 子供のころの夏休みの思い出は?
「いちばん大きい思い出は富士の山頂登山ですね。2回登ったことがあるんですよ。おじが山中湖に連れていってくれて、同い年のいとこといっしょに5合目から登って。 いいもんですよ、ご来光って。もう1度登りたいと思ってるんだけど、体力がどうかな…」
Q5 女性になれるとしたら、どんなファッションをしたい?
「コスプレ。変身願望ということなら非日常的なファッションのほうがいいでしょ」
Q6 注目している若手ミュージシャンはいますか?
「今回のアルバム(『Ray Of Hope』)にもフリューゲルホルンで参加してもらってるんだけど、市原ひかりというトランペットの女の子がいいですね。いままでのオヤジのジャズの概念とはまったく違っていて、フレーズが繊細だし、作曲・編曲の能力も高い。新しいアルバム(『UNITY』)も素晴らしいですよ。
ロックも聴いてはいるんだけど、若手の飛び抜けたバンドはまだ出てない気がしますね。アナーキー、ブルーハーツ、イースタンユース、ミッシェル・ガン・エレファント、ザ・バースディ、モーサム・トーンベンダーのラインが好きなんだけど、若手でそこまでのバンドはまだ知らない。勉強不足なのかもしれないけど」
Q7 好きな言葉は?
「年代によって変わるんですよ。昔は「為せば成る」だったんだけど。まぁ、それにしとこうかな」
Q8 嫌いな言葉は?
「アーティスト。自分が言われるのも嫌だし、口にするのも嫌い。いま日本で使われてたり、メディアが言ってるアーティストは、本来の意味じゃないですからね」
Q9 プロポーズの言葉は?
「僕はシャイなので、そんな言葉は言いませんでした。お互いに何となく「結婚しようか…」くらいで。歌の文句になりそうなことなんて、言いませんよ」
Q10 竹内まりやさんの曲で、いちばん好きなのは?
「難しいけど、1曲選ぶとすれば『純愛ラプソディ』かな。編曲も上手くいったしね」
Q11 おすすめの本は?
「僕は樋口一葉のファンで、日記も含めて、全作品を読破してるんです。そのなかで1冊選ぶとすると「にごりえ」かな。何百回も読んでます。
ただ、僕は人に言えるほど本を読んでるわけじゃなくて、むしろ読書コンプレックスが大きいんですよね。若いときから、本買うお金があればレコードを買ってたから」
Q12 英語の歌詞の発音が素晴らしいと思うのですが、どうやって勉強したんですか?
「何もしてないです。レコードを聴いて覚えただけ。歌えるけど、しゃべれません」
Q13 座右の銘は?
「これも年齢によって変わるんだけど、今好きなのは「心だに誠の道にかなひなば 祈らずとても神や守らん」という菅原道真の歌ですね。昔は「運命をあざ笑うものが幸運を手に入れるだろう」というイギリスの政治家(ベンジャミン・ディストレイ)のセリフが好きでした。格言の類が大好きなので」
Q14 いま乗っている車の車種は?
「BMW320i。20年乗ってますが、ヒューズひとつ飛んだことがない。世界中にファンがいるから、いまもパーツを売ってるし、一生乗ることになるんじゃないかな。ETCも付けたしね。“パワーのあるエンジンの小さい車”が好きで、その最高峰はポルシェだと思うんだけど、とにかく運転が難しくて。2シーターだと家族を乗せられないし(笑)」
Q15 達郎さんのCDの音の良さを、素人にもわかるように教えてもらえますか?
「そんなに音は良くないですよ、僕のCDは。まだまだ修行が足りません。今回のアルバムはわりに良いと思うけど。でも、いい音っていうのは十人十色だし、どういう装置で聴いてるかにもよるしね。はっきり言って、“素人にもわかるように”説明することはできません」
Q16 好きな歌舞伎の演目があれば、教えてください。
「歌舞伎はほとんど見ないんだけど、ひとつ挙げるとしたら、『仮名手本忠臣蔵』。特に五段目以降かな。歌舞伎よりも人形浄瑠璃、文楽が好きなんでね」
Q17 ギターのカッティングのコツを教えてください。
「練習あるのみ」
Q18 35年前、デビュー当時の自分に何かひと言。
「いまでもなんとかなってるから、安心しろ」
Q19 現在、ギターは何本お持ちですか?
「だいぶ処分したんだけど、アコースティック、エレキ、各10本くらいかな。本当の意味のプロのギタリストではないから、そんなにたくさん持っていてもしょうがないんですよ。いまメインで使ってるテレキャスターは、30年前に友達から5万で買ったヤツだからね。ずっとサブで使ってたんだけど、だんだん良く鳴るようになって。ニューヨークで2000ドル、3000ドルで買ったギターより、ぜんぜん良い音がしてます」
Q20 好きなお酒は?
「ワイン。カリフォルニア・ワインが好きなんだけど、直接、生産者から取り寄せてるから、とても安く手に入るんです。レストランの高いワインなんて、まっぴらごめんだから。あとは日本酒、家ではスコッチを飲むこともあるかな。まぁ、酔っ払えば何でもいいんだけど」
Q21 日本以外で暮らすとしたら、どの国がいいですか?
「日本以外で暮らしたいと思ったことは一度もないんだけど、ニュージーランドとか、平穏な国がいいかな。世界情勢とは無縁の国というか。まぁ、そんなところはないんだけど」
Q22 歌唱力を維持するためにやってることは?
「特にないです。横隔膜の鍛錬のために、呼吸器を改善するための器械は使ってますけどね。“パワーブリーズ”っていう器械で、僕以外にもけっこう使ってる人がいるみたいですよ」
Q23 旅にでるとしたら?
「うーん、しばらくニューヨークに行ってないから、ニューヨークかな。あんまり旅が好きじゃないんですよ。“ウチっ子”なので」
Q24 好きな靴の種類は?
「60年代が青春だったから、サイドゴアのスエードのブーツですね。当時、ロックミュージシャンが履いてたのはほとんどコレだったので。いまもステージでも履いてますよ。そんなに高くはないんだけど、オーダーで作ってます」
Q25 朝食はごはん? パン?
「パン。ヨーグルトとパンとサラダくらいしか食べないけど。でも、そんなこと聞いてどうするんだ?!」
