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取材・構成:栗原正夫 撮影:村上厚志
――いよいよドイツW杯が近づいてきて周囲もにわかに盛り上がりを見せているのですが、まずは福田さんとW杯の出会いについて、教えていただけますか?
「初めて見たのは78年のアルゼンチン大会。確か『三菱ダイヤモンドサッカー』でやっていたのかな。当時小学校6年生でサッカーを始めたばかりの頃だったので、まだサッカーのことについては、あまり分かっていなかった。ただ、決勝のアルゼンチン対オランダ戦のスタジアムが超満員に膨れ上がり、ピッチが紙吹雪で覆われていたのは、すごく印象に残っている。それから、優勝したアルゼンチンのストライカーだったマリオ・ケンペスの活躍はよく覚えているし、オランダにいたアーリー・ハーンという選手が凄いロングシュートを決めたのも記憶に残っている。でも、 “ W杯 ” という意識よりは “ これが世界のサッカーだ! ” みたいな感じだったと思う。決勝で敗れたオランダがその前の大会で素晴らしいサッカーを披露していたことも知らなければ、のちにレッズで一緒に(選手とコーチという立場で)仕事をすることになったビム・ヤンセン(オランダ代表として74年、78年大会に出場)が出ていたこともまったく知らなかったからね」
――では、実際にW杯を意識したのは?
「その次の82年スペイン大会だね。もう高校生になっていたから。ブラジルとイタリアの試合が印象的だった。イタリアのFWロッシがハットトリックしてね。ジーコ、ファルカン、ソクラテス、トニーニョ・セレーゾと豪華な中盤を揃えていた王者ブラジルが、まさかイタリアに負けるとは思ってもいなかったので、正直ちょっとショックだった。また、PK戦までもつれ込んだ準決勝の西ドイツ対フランスの試合もよく覚えている。延長、PK戦までいって結局は西ドイツが勝ったんだけど、延長戦の最後に決めたフィッシャーの同点弾は劇的なオーバーヘッドだった(延長戦で3対1とフランスが2点をリードしたが、西ドイツが驚異的な粘りで同点に追い付き、PK戦の末に勝利を挙げた)。でも、自分たちの年代の人にとってはおそらく86年にマラドーナが大活躍したメキシコ大会の方が印象深いんじゃないかな」
――名前の挙がったケンペスやロッシは、福田さんと同じFWの選手ですが、プレーの面で何か影響を受けたりはしましたか?
「実は彼らのプレースタイルはあまり好きではなかった。影響を受けた選手といえば、カール・ハインツ・ルンメニゲやルディ・フェラー(ともに元西ドイツ代表)、それにカレッカ(元ブラジル代表でJリーグの柏レイソルでもプレー)あたりだね」
――その後は、福田さん自身がW杯に挑戦することになったのですが、W杯に対する想いはどんな風に変化していきましたか?
「日本代表でプレーするようになっても、W杯は遠い世界、第三者として見るものだった。当時は、東アジア選手権の前身でダイナスティカップという大会があったんだけど、韓国はもちろん、北朝鮮、中国にも勝てなかったわけだから。変わったのは、92年に日本代表の監督にオフトが就任してからだね。それまでまったく勝てなかった韓国に勝てるようになり、アジアでも一番になった。そして、93年にはJリーグがスタートし、急激にサッカー熱が高まり、もしかしたら行けるんじゃないかと思った。けど、結局は最後の最後で切符を逃してしまったので、W杯は遠いまま。でも、今でこそ選手、サポーターをはじめ多くの人々が、W杯に出場するのは当たり前と思っているけど、当時の選手たちは『W杯に出るか出ないかで、日本サッカーの将来が大きく変わってしまうんじゃないか』という大きな想いを背負って戦っていたと思う。そう考えると、この十数年でW杯への意識はもちろん、サッカーを取り巻く環境は劇的に変わったと言えるだろうね。02年には日本でW杯が開催され、6月のドイツ大会には3大会連続で日本代表が出場するわけだから」
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1966年12月27日生まれ。神奈川県横浜市出身。
中央大学卒業後、89年に三菱(現浦和)に入団。
95年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王に輝く。
Jリーグ通算では228試合に出場し、93得点をマーク。
日本代表としては45試合で9ゴールを記録し、93年のW杯アジア地区最終予選などに出場した。
2002年に現役を引退。
現在は「子供たちにサッカーの楽しさを伝えたい」というミッションのもとに、浦和・埼玉だけではなく、全国各地で幅広い普及活動をサポート。その傍らでテレビ・新聞・雑誌・インターネット等でのスポーツ評論活動も行っている。
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