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過去のインタビュー
元ちとせ × ザ・チーフタンズ
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(続き)
 3日目。レコーディングが早く終わってしまったので予定外の自由行動日! ダブリンの繁華街グラフトン・ストリートへ繰り出し、プチ観光&ショッピングの一日となった。服やCD、本、土産物……思い思いの買い物を済ませ、みんなで定番の観光スポットであるギネスビールの工場を訪れた。2階から順に展示を見ながら上っていくと、最上階は360度全面ガラス張りのラウンジが。入場者全員に注ぎたてのギネスビールが一杯サービスされる。ダブリンの街を見下ろしながらグイッとやれるわけだ。いいタイミングだ。グラスを傾けながら、元ちとせ本人にも今回の感想を聞いてみた。

――アイルランドのトラディショナル・ミュージックを聞いたことありましたか?

「はい。よく知っているわけではないですけど。『タイタニック』で船倉で踊っているシーンがあったじゃないですか。その時にそこで流れる音楽が気になっていて、後でそれがアイリッシュだって知りました。あとポーグスとかも好きだし。楽器の音色が好きなんですよね」

――歌ってみてどうでしたか?

「すごく日本に近いものがあるなって思いました。祭囃子みたいって言うか……。あと、奄美に似ている部分も発見しましたよ。楽器があれだけたくさんあるのに、ほとんどが伴奏じゃなくて主旋律を、メロディを弾くじゃないですか。奄美の三味線もメロディを弾いているんですよ。それが似ているなって。あの音色のそろい方って好きなんですよね」

――じゃあ、違和感なく歌えたと?

「はい。どちらかというと間宮さんや現ちゃん(上田現)が作ってくる曲よりも歌いやすかったです(笑)」

――ハハハ……。レコーディングはどうでした?

「すごくライブ感があったなあと思います。どちらかというとレコーディングよりライブが好きな方なので楽しかったですね。“生感”っていうか、本来あるべき音楽がポンって出た感じがしました」

――パディさんやメンバーの印象は?

「音楽をやっている時はみなさん何かが乗り移っているみたい。楽器を置いたらただのおじさんたち。まあ、私もそうなんですけど(笑)。デビュー45周年なんですよね! その間ずっと変わらずに音楽に触れているんだろうなあって思いました。生活の中にあるものを楽しげに何十年も続けているんでしょうね。私もああなれたらいいなあって思いますよ」

――得るものも大きかったのでは?

「そうですね。大事なものは原点にあるんだなあって改めて気づきました。復帰して1年経った締めくくりとして、そういうことが感じられてよかったと思います」

――いよいよ5周年ですからね。

「はい、お恥ずかしい……。半分近く休んでましたし。初心に戻って頑張ります!」

 そう、2007年2月で元ちとせは5周年を迎える。ひとつの区切りに向かう直前に、とても貴重な経験ができたことだろう。
 ……と、現地ならではの美味しい黒ビールを飲みながら取材。そろそろいい時間になってきた。窓の外はダブリンの美しい夜景。ディナータイムだ。現地コーディネーターさんにダブリンでいちばん古いパブレストラン「THE BRAZEN HEAD」へ連れていってもらう。店内の説明書きを読むと、なんでもここは1198年創業らしい。えっ!? 日本はまだ鎌倉時代に入ったばかりの頃ではないか! 凄いなぁ……とみんなで驚きながら、伝統料理のアイリッシュシチューに舌鼓を打ったのであった。










 4日目。一行はエンジニアのブライアンのスタジオに、ミックスダウンされ仕上がった楽曲をチェックしに向かう。残念ながら私はタイムリミットで1日早く帰国の途に。どんな仕上がりなのか、少しでも早く聴きたかったが、後ろ髪ひかれる思いでアイルランドをあとにした。


 後日、待望の音源が届いた。「Siuil A Run」と「虹が生まれる国」の2曲。さっそく聴いてみると……そこには紛うことなきアイリッシュ・ミュージックが! 元ちとせらしさを生かしつつ新しい魅力もあふれている。パディが言っていたとおり、今回のコラボレーションは間違いなく“成功した”と実感した。5周年に向けて、ひとつ武器が増えたような印象だ。この2曲の発売は現在未定だが、6月のチーフタンズ来日公演時には元ちとせがゲスト参加し、ステージで披露してくれるとのこと。とっても楽しみだ。まずはwebの試聴で、アイルランドの空気をぜひ感じてみてください!
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プロフィール
元ちとせ
元ちとせ
1979年、鹿児島県奄美大島生まれ。2002年2月、「ワダツミの木」で衝撃的デビュー。1stシングルでチャート1位を記録。結婚・出産のための約2年間の休養をはさみ、これまで3枚のオリジナル・アルバムをリリース。最新シングルは昨年5月の「青のレクイエム」。今年デビュー5周年を迎え、更なる活躍が期待される。
ザ・チーフタンズ
ザ・チーフタンズ
1962年結成、アイルランドが誇るケルト音楽最高峰バンド。現在まで42枚のアルバムをリリースし、世界中で精力的な活動を続けている。
現メンバーはパディ・モロニー、マット・モロイ、ケヴィン・コネフ、ショーン・ケーンの4名。
アイルランドから音楽大使に公式任命され、今年6年ぶりとなる来日公演が決定した。
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