 |
 |
5人の感性を活かしたチームワーク |
“みんなで同じことをしない”。逆をいく発想はまさにゴスペラーズならではといえそう。オリジナリティあふれる素晴らしきチームワーク。
安岡
「右へならえで、全員が同じことをするっていうチームワークの作り方もあるじゃないですか? そういう意味ではウチは真逆なんですよね。でも、なんでこの5人でやってるかっていったら5人分の感性があるからなんですよ。同じ歌を歌うにしても“この曲はこういう気持ちで歌う曲なんだな”って、その答えがそれぞれで違うから、5人で歌ったときにより解釈が広く深くなるわけで。答え合わせをしないことで、逆に“そういうやり方もあるんだ”って気付かされることもあるし。前回アイツがやってたやり方を真似してみようとか、そういうことも普通にやってますもんね。そうするとまた違う何かを新たに考えたりするじゃないですか」
村上
「MCと取材はホント“この間アイツが言ってたことを今日はコイツが言ってるよ”みたいなことがしょっちゅうですからね」
酒井
「ギャグや口癖もうつるし」
黒沢
「共通言語が増えてくってことだよね。それはグループならではだと思う。それにちょっとずつやり口が違ったほうが面白いし」
答え合わせをして、正解をひとつに決めてしまえば、確かに安心ではあるかもしれない。でも、それ以上共通言語が増えることはないし、そもそも何が正解で、何が間違いかなんて本当のところ誰にもわからないのだ。その時々で答えが変わることだって実によくあることではないか。
安岡
「とにかく常にいろんな答えを探していくことが大事だと思うんですよね。で、それならば1人で考えるより5人で考えたほうがたくさんの答えが見つかるだろうって」
 |
 |
この5人が形にすればゴスペラーズなる自信 |
それにしても。これだけ柔軟でありながら佇まいにブレがない。それがすごいと思うのだ、いつも。
北山
「音楽に関しては早い時期にもう、何をやってもこの5人が形にすればゴスペラーズになるねっていう自信は得られたので。あとはそれぞれ自分の武器を磨くだけ。今、僕らはニュートラルにエネルギーの高い位置にいることができているので、これから数年間でまたいろんなことにトライできたらいいなって思ってるんですけどね」
村上
「そういう意味でもこの『青い鳥』はひとつ大きなターニングポイントになるでしょうね。“ラブバラードのゴスペラーズ”からまた新たに広がるものがあるだろうし」
インタビュー中は終始笑いが絶えなかった。ここには紹介しきれなかったあふれんばかりのエピソードを、今なお嬉しそうに語る彼らの表情をみるにつけ、どこまで仲がいいのだろうと、つくづくうらやましく思う。きっと、この先また何年と歩いていくなかで5人の絆はいっそう柔軟で揺るぎなく進化し続け、折々に新しいハーモニーを響かせるのだろう。彼らの“答え合わせをしない”“5人それぞれの答えがあるから面白い”という発想は、今後、あなたが理想のチームワークを探していくうえで、ひとつ大きなヒントとなってくれるかもしれない。
Page 1 2 3
|
|