北山
「実は映画のお話をいただいたときにはまだ主題歌だと決まっていたわけではなかったんですよ。劇中で合唱部が歌う曲としてお話をいただいて。個人的にも映画音楽というものにはすごく影響を受けてきたし、もちろん憧れもあったので、なんとしても主題歌を目指して頑張ろうって。僕、ふだん作曲をする時はあまり前もって用意しないというか、その場で出てきたものを形にするという感覚で作っているんですけど、今回は1週間ぐらいかけてイメージを膨らませながら作っていったんです。先に台本をいただいたので、それを読んだことで僕の中で膨らんだ世界があって。想像の中で曲がかかる場面を思い浮かべたりしながら(笑)、形にしていったというか」
安岡
「詩に関して言うと、僕も先に台本をいただいていたので書きたいテーマはわりと早いうちからイメージできていたんです。“友情”とか“高校時代という限られた時間”とかね。でも限られてはいるけど、そこで終わってしまうわけじゃなくて、その後にも人生は続いていくっていうテーマみたいなものはあって。で、そのテーマを象徴するアイコンが欲しいなって考えたときにふと浮かんできたんですよね、“青い鳥”って。北山が鳴らしたサビの最初のメロディを聴いた瞬間に、これは“青い鳥”だな、と。それで童話の『青い鳥』についても調べつつ、今回のこの映画で言いたいことを編んでいったらこの詩ができたっていう」
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初の映画主題歌、そしてスクリーン・デビュー |
青春というもののきらめきを、ただ一過性のものとして捉えるのではなく、もっと大きな視点で包み込むように見つめた、とてもやさしい歌だと思った。そうだ、青春ってヤツはその時代が過ぎ去った後にも、いや、過ぎ去った後にこそいっそう胸の奥で輝きを増すものではないか。普遍の想いがそこには宿る。
安岡
「監督とお話をしたときに、ストーリーにどっぷり浸からず、少し引いた目線を常に持っていてほしいということを言われて。僕らもようやくね、青春時代を振り返れるような……青春時代にはもちろん楽しいことだけじゃなくて痛いことも辛いこともあるんだけど、やっとそのすべてが愛おしく思えるような年齢になってきたので。今の僕らだからこそ歌える部分も入れたいなと」
村上
「僕らにしても、大学生のときに仲間同士で“青春”だとか“仲間”というものを歌っていた感じと、30代中盤になって、ここまで歌い続けてきた我々として“青春”や“仲間”を歌うのとではやっぱり感じは違いますよね、そりゃね。練られたものだってあるだろうし」
だが、いくつになっても、どれだけキャリアを重ねても“初めての経験”はあるもので。初主題歌もしかりだが、なんとこの『うた魂♪』でスクリーン・デビューを果たしてしまった5人なのだ。
安岡
「ええ、今回リーダーがすごいいい演技をしましてね(笑)」
村上
「まあ、ゴスペラーズがゴスペラーズとして出演するっていう、いわゆる演技のほとんどないところから入らせてもらったわけですけど。おかげで普通に楽しめたといいますか。これがもしお芝居しなけりゃってことになったら1週間ガチガチでしょうからね(笑)」
北山
「でも緊張してないつもりでも画面を見ると一目瞭然だけどね」
安岡
「リーダーのほっぺたが余計なタイミングでピクッて(笑)」
村上
「台詞言う直前でピクッてな。台詞1個しかないのに(笑)」
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