- 『WAKE UP!!!』
- 9月26日(水)発売
- 3885円(初回盤<CD+DVD>)
STFU NFCD-27342/B - 2625円(通常盤<CD>)
STFU NFCD-27343
TOP > 100Qインタビュー > 難波章浩
Text●土屋恵介 Photo●吉田圭子
Q76 海外ツアー中の、過酷エピソードをもうひとつ教えてくれますか。
カナダで、マイナス15度くらいのとこで、車が故障で止まっちゃったことがあった。エンジンがかかんなくてスゲー寒くて。向うに黄色い看板が光ってるのが見えて、“あ、デニーズだ”って、ローディが車を直してる間に、夜中、3人で歩いて行ったのね。でも、腹減ってるし寒いし遠いし、歩いてたら軽く死にそうになって。そしたらツネがパタって倒れちゃって(笑)。映画みたいに、“ツネ、寝たらダメだ!”っていってさ(笑)。やっとデニーズ着いたんだけど、普通の平和な状態の店の中に、いきなり日本人が必死こいて入って“あったかいコーヒーください”って(笑)。凍える体をみんなであっためてさ、“オレら何しに来たんだろう”って思ったもん(笑)。そんなのをいっぱい乗り越えて、バンドが鍛えられたんだよね。
Q77 '97年に『AIR JAM』を始めたきっかけは?
アメリカにワープド・ツアーっていうイベントがあって、そういうのを日本でもやりたいなというのがきっかけ。スケーターとかストリートカルチャーとクロスオーバーさせたもんって、日本に無かったからやりたかったんだよね
Q78 昨年9月、11年ぶりに横浜スタジアムで『AIR JAM』が開催されました。11年ぶりのハイスタでのステージをやる前の気持ちは?
ライブで緊張することってあんまり無いけど、しっかり準備してたのにも関わらず、あんなに緊張したことは初めて。人生最大に緊張したかも。自分の中でのブランクもあったしね。ハイスタに対してもそうだし、3人のバンド感とかさ。これでヘボかったら、オレ終わるなって。そしたらまたどっか行こうって思ってたから(笑)。実は、それくらい追い込まれてた(笑)。ただ、ここで決められたらオレはまだいけるなって思ったし。ほんと、一か八かだったね
Q79 あのライブを振り返って、どんな思いがありますか。
あの独特の空気は、経験したことが無いものだったね。お客さんの盛りあがりもすごかったし、なんかいろんな思いが乗っかってるなって感じがした。それが全部良い方向に弾けて、良い感じで終われてさ。改めて音楽ってすごいなって思ったね。あのとき、音楽の威力をまざまざと知ったというか。
Q80 『AIR JAM』を終えたあと、何をしましたか。
家族とホテルでゆっくり過ごしてた。なんか、子供が異様によろこんでたんだよね。子供にも良いと思えたんだって、それも感動した。あのとき2歳だったから、こんな子供にも伝わるんだ、何を見て感動したのかなって思ったな。ライブ中、軽く泣いてたらしいしさ。ほんと、11年前には考えられないことだよね。たまんないよね。
Q81 昨年の『AIR JAM』のオーディエンスに、改めてひと言お願いします。
応援してくれてほんとありがとう。ハイスタの復活ももちろんうれしいことだけど、なにより東北がいち早く復興してくれることが一番ですね。ハイスタのファンにも、東北の人にも、音楽で元気をあげたいですね。
Q82 今年の9月15、16日に宮城県国営みちのく杜の湖畔公園で、『AIR JAM 2012』が開催されますが、その意気込みは?
とにかくいいライブやりたいです。まずは東北の人たちに、気持ちを、そしていい何かを届けたいですね。
Q83 今年の『AIR JAM』に参加するオーディエンスにひと言お願いします。
まず、来てくれる方にありがとうございますといいたいですね。チケットや宿泊の件など、いろいろと話は聞いてます。大変さは申し訳ないと思うけど、なんとかみなさん協力してもらえればと思ってます。その分いいイベントにしますんで、よろしくお願いします!
Q84 難波さんにとって、Hi-STANDARDとは?
常に等身大でいるバンドだなって。お客さん5人ってとこから始まってるから、何も恐れは無いし、自由なバンドだなと思いますね。
Q85 難波さんのニュー・アルバム『WAKE UP!!!』がリリースされます。完成した瞬間のひと言は?
“やったな”ですね。目標を達成したなって。
Q86 ズバリ、アルバムのテーマは?
やっぱり、戦う気持ち、声に出していう勇気。とにかく力強さですね。強さってもんは思いっきり込めましたね。
Q87 新作を作っていく過程で、どんなことを感じていましたか。
いいライブをしたいですね。もちろん、ただライブをやるだけじゃなく、いろんないい影響がこのアルバムをきっかけに起きたらいいし。ほんと、世の中がいい感じになってほしいと願って作ったから、悲しみってもんが少なくなったらいいなと思いますね。聴く人のやる気のスイッチがバチッと入ってほしいし。それが音楽の役割だからね。これを聴いた人が元気になってもらって、曲たちが日々の力になってくれたらうれしいですね。
Q88 プロデューサーに、ホワイト・ゾンビなどを手がけるMACHINEを起用したきっかけは?
彼の音がハンパ無いから。人柄もすごくいいしね。元々は、フォー・イヤー・ストロングってバンドを聴いて、この音ヤバいなって、誰なんだってことからお願いしたんです。
Q89 ニューヨークでレコーディングしたそうですが、どんな感想がありますか。
すっごくいい感じに楽しくできましたね。やっぱり、ニューヨークには音楽が溢れてたね。僕、洋楽が好きだからさ、僕らはかき分けてかなきゃ聴けない先端の音楽が普通に街に流れてるのが、うらやましいしたまらないんだよね。また行きたいと思った。向うでライブも、リリースもできたらいいなと思いましたね。
Q90 アルバムで一番最初にできた曲は?
『YOU ARE THE ONE』。これは震災の後にすぐできた曲。ここからアルバムが始まったなって。
Q91 アルバム制作で、一番大変だったことは?
今回、新しいビート感、ツインペダル(ツーバス)を使ったから、そのチャレンジが結構大きかったな。頭の中にやりたいイメージが浮かんで、だからツインペダルが入ってないとやりたい音が成立しなかったんです。ツインペダルは、全曲に入ってますね。
Q92 ジャケットのアニメーションのアイディアは?
ニューヨークのミシュカにやってもらったんです。僕がよく着てるブランドなんだけど。彼らにお願いして、彼らから出てきたもの。アニメでいきたいなってくらいで、僕から、こうしてとかはいってないですね。結果、インパクトあるものになって満足してます。
Q93 アルバムに『SURVIVE』という曲がありますが、難波さんが考える、生き抜く上で一番必要なこととは?
諦めないこと、夢を持つこと、そして自分を主張すること。
Q94 アルバムに込めた、一番伝えたいメッセージは?
基本的にいつもそうだけど、自由ってことかな。
Q95 曲が生まれる瞬間で、一番多いシチュエーションは?
寝る前に、フッと浮かぶときが多いかな。気持ちが落ちついてるからかな。メロディとかアイディアとかがワッと浮かぶんだよね。小さいギターで軽くコードを考えて、テレコに、ここまで録れば大丈夫ってとこまで入れて、ホッとして寝る感じ。すぐに録らないと忘れちゃうし、その前にそわそわして寝らんないんだよね(笑)。
Q96 歌詞とメロディ、どっちが先に浮かびますか。
基本、メロディ。歌詞はあとから。でも同時に頭にイメージすることもあります。
Q97 NAMBAバンドのメンバーを決めるとき、一番重要にしてることは?
まず、直感だよね。会って話して、目を見ると分かるよ。本人にやる気があるかどうかが一番大事。
Q98 今のメンバーを動物に例えるとしたら?
ドラムのSAMBUちゃんは、ハイエナ(笑)。ギターのK5は、デカいプードル(笑)。新しく入ったギターのLYOKIは、熊(笑)。
Q99 10月11日から全国ツアーがありますが、一番楽しみにしてることは?
とにかく、アルバムのこの曲たちをみんなでプレイすることが楽しみ。あと、NAMBAバンドのファンに会えることが楽しみですね。今までフェスとかでやることが多かったから、オレらだけを観に来てくれる人に会えるのはすっごい楽しみ。
Q100 難波さんにとってのパンクとは?
自由でいることかな。言いたこと言って、やりたいことやって、歌うとき歌って。自由に生きてくってことかな、と思いますね。
