郷野 「そうですね。やっぱり国民性というか、人の親切さからして日本と全然違うじゃないですか。それに日本だったら、僕もそれなりにキャリアがあって、周りの方も気を使ってくれるんですが、アメリカでは一切ないですからね(笑)。ただのいちアジア人です」
――試合以外の小さな戸惑いなどがストレスになりますよね。
郷野 「そうですね。だから、いちいち気にせず、『はいはい、そうなんですね』という感じで流すようにしていました」
関根 「心構えが正しかったんだ。『日本とは環境が絶対違う』って、最悪を予想して行けばいいんですね」
関根 「リングと金網の違いへの戸惑いはどうですか。郷野選手はコーナーで相手をクルッと回すのが得意じゃないですか。金網ではコーナーがない」
郷野 「そうですね。もう、リングだとロープを背負ってもいいやという感じがあったんですけど、UFCではフェンスに近づいたら、絶えず位置を変えようとしています」
関根 「距離感も違うし、運動量もちょっと変わってきますね」
郷野 「そうですね、リングだとどれぐらい下がると、ロープがあるとか体に染み付いていたんですけど、オクタゴンでは下がっても下がってもフェンスに当たらないですから。やり辛さはあります。あと、運動量も今より必要かもしれないですね」
関根 「あれだけオクタゴンが広いと、セコンドの声って聞こえますか?」
郷野 「前回は第1試合で観客もまだ満員ではなかったから、声は聞こえましたけど(笑)。後の方の試合になると、聞こえないでしょうね」
関根 「聞えないですよね。そういうところまで想定して、練習しないといけないんだ」
関根 「あと、ヒジありのルールはどうですか。郷野選手は打撃が得意ですが」
郷野 「はい。でも階級下げても、やっぱり僕より背の高い選手が圧倒的に多いですから、僕がヒジを出すよりも、ヒジをディフェンスする方が必要になると思うんですよね」
関根 「やっぱり、リングと金網の違いやヒジ攻撃のあるなしで違う競技になっちゃうらしいですね。リングでずっと闘ってきた人たちもUFCでは苦戦していますもんね」
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