180万部の大ヒットとなったケータイ小説『赤い糸』が、「ドラマ×映画の完全連動」という異例の形式で映像化。ヒロイン・芽衣役の南沢奈央に映画・ドラマ・CMで演じた気持ちを聞いた。
Text●森朋之 Photo●三浦孝明
――テレビの放映がスタート、映画の公開も近づいてきましたね。
「はい。原作のファンの方もたくさんいらっしゃるので、みなさんがどういう感想を持ってくださるのかは気になるところなんですが。でも、すごく楽しみです」
――原作を読んだときの印象は?
「とにかく衝撃的でした。“こんなことってあるんだ!?”って思ったし、特に芽衣にはいろんなことが降りかかってきて……」
――友達が自殺したり、ドラッグに手を出したり。
「でも、芽衣という女の子は性格的には自分に近い部分があると思ったんですよね。恋愛に対する気持ち、“運命ってあるかもしれない”っていう思いも、私の中にあるので」
――自然に演じられた?
「難しい部分もありました。たとえば付き合っている人から殴られるシーンなんて、台本だけではなかなか想像できなかったので。でも、撮影の現場で感じたことをそのまま表現することが多かったかな。目の前で怒鳴られれば、怯えた演技をしなくちゃって考えなくても、自然と“怖い”って思うので」
――修学旅行のシーンも楽しそうでしたね。
「はい、楽しかったです。出演者の女の子たちとも仲良くなってたし。アッくん(敦史)と“角煮まん”の早食い競争をするシーンがあるんですけど、それがホントに美味しくて(笑)」
――映画とドラマだけではなく、主題歌『366日』(HY)のPV、『赤い糸』とのコラボレーションによるグリコのCMにも出演。
「本編のことは1回忘れて、新たに気持ちを作り直すつもりで撮影に臨みました。PVには泣くシーンがあるんですけど、最初のテイクのときは、うまく泣けなかったんですよ。“この部分で涙が出てくるといいね”っていう話もあって、それを意識しすぎちゃって。2回目、何も考えず曲に聴き入ってたら、自然に涙が溢れてきたんです。映画、ドラマの撮影中も聴いてましたね。アッくんに冷たくされるシーン、初恋の人にフラれるシーンの前にも聴いて、気持ちを作ったり。何度聴いても、すごく切なくなるんですよね」
――女優としても成長できたのでは?
「映画もドラマも主演っていう責任感もありましたし、自分から積極的に“こういう演技をしよう”っていうビジョンを持たなくちゃいけなくて。いままでにないくらい監督さんとも話をしたし、溝端さんとも“この場面、ふたりはどんな気持ちなんだろう?”っていう相談もして。とても勉強になったし、演じる上での意識も大きく変わったと思います」
――“テレビと映画の完全連動”によって、いままでにない楽しみ方ができる作品になりましたよね。
「そうですね。芽衣とアッくん以外のエピソードもたくさん出てくるし、いろんな恋愛の形があるんだなっていうことを知ってもらいたいなって思います。きっと、恋がしたいって思う人も多いんじゃないかなって。あとはひとつひとつの出会いの大切さだったり」
――「純愛はキレイゴトじゃない」というテーマについては?
「共感できますね。キレイゴトじゃないからこそ、大変なことを乗り越えることで、より強い絆で結ばれるんじゃないかなって」
敦史役・溝端淳平のインタビュー
仲宗根泉(HY)のインタビュー
特集「ケータイ小説『赤い糸』ブームの理由」
