全国6か所のZeppを舞台に全46公演&観客10万人を動員! そんな前人未踏のツアーをやってのけたL'Arc〜en〜CielのHYDEと、OBLIVION DUSTのK.A.Zの新ユニット、VAMPS。約3か月間にもわたる怒濤の初ツアーを終えた翌日、盛大に打ち上がった前夜の余韻も残るふたりを直撃。
Text●早川加奈子
――ついにVAMPS初の全国ツアーが終了。そもそも今回はなぜ全国のZeppを滞在型で回るスタイルにしようと?
HYDE「んー……なんでこんなことしてるんでしょうねぇ(一同爆笑)」
K.A.Z「単純にこれだけの本数のライブが出来るのは楽しいですよね。数的には、HYDEのソロ・ツアーの時にもっとやってたから、それよりは大変じゃないだろうなって思ってたんです。前回は40公演以上、移動に次ぐ移動だったから。ただ、ツアー中の何日かが滞在型かと思ったら、全行程そうだったのは驚いたけど(笑)」
HYDE「移動があった方がドラマティックにはなりますよね。都市毎に何かしらドラマが生まれやすいから。そういう意味では細々と動くのもいいけど、それをのぞけばね、こんな楽しいことはない!!! (目の前のチーズケーキを差し出して)食べる?」
――えっ!? や、あの、大丈夫です(笑)。
HYDE「まぁ、曲が少ないからね、うちら」
――実はVAMPSとしてはまだ1stシングル『LOVE ADDICT』しか出してないという。
HYDE「そうなんですよ。ちょっとズルいんですけど。そういう意味では、もうちょっと(曲が)あったらいいのにな、と思ってましたけどね。それ以外はね、何の問題もない!!!(一同大爆笑)」
――…………えっと、なんだか今日は妙なテンションですね(笑)。
HYDE「ね? 今日は二日酔いで。昨日、ちょっと打ち上げがあったからさぁ」
K.A.Z「ちょっとおバカになってる感じで(笑)」
――ツアーを終えて脱力するのも納得というか。ファイナル公演の気迫からだけでも、今回のツアーの濃密さがわかる気がしたというか。
HYDE「濃密っつーか、呑みちらかしたって感じですよ」
K.A.Z「そうですね。結構呑みましたね。みんなで呑んだ缶とか瓶をまとめたら、この部屋に入り切らないんじゃないかな(笑)」
HYDE「埋め立て出来るよ」
――そんな楽しいツアー中の思い出を教えてもらいたいのですが。
HYDE「言える範囲で? じゃ、ないなぁ(一同爆笑)。えっと、8月に仙台で海水浴に行きました。入れ墨集団連れていきました、海の家。あ、そん時に死にそうになりました。溺れた(笑)。25メートルぐらいは泳げるんですけど、テンパったらダメですね、ムダな力が入って“うぇ!”ってなっちゃって。なんかね、急に深くなるの。それで(岸に)戻ろうと思ったら潮の流れが強くて戻れなくて。で、横に平然と立ってるJINちゃんがいたから必死でつかまって。でも助けてとは言えなくて。JINちゃんは、なんでつかまってるんだろうって。でも俺はほんとに死ぬ、と思って(一同爆笑)。そこから必死に岸に戻った。もうちょっとで死んでた」
K.A.Z「なんか様子がおかしいなとは思ってたんだけど(笑)。意外と急に深くなってるし、潮の流れも早いなと思ってたんだけど」
――いろんな意味で充実したツアーだったんですね。MCでも、“最高にイカレたツアーだった。これ以上やってるとバカになるから、これぐらいで”って言ってましたもんね。
HYDE「うん。あれは本当に正直な気持ち」
――だけどほんと、今回のツアーではとにかく凄まじいほどのバンド・アンサンブルが印象的で。あれを体感して、VAMPSは“バンド”だなって改めて思いました。
HYDE「やっぱライブは俺、バンドがいいと思うんだよね。それは変えられない部分だと思う。海外のロックバンドとかさ、日本もそうだと思うけど、シーケンスがガンガン入ってるからもう、“CD鳴らしてるのか!?”と思うよね。それとは真逆の方向かもしんないけど、ライブで(アルバムと)違う表情見せるのもいいんじゃないかな? シーケンス流すより音減っても生でやる方が。ね? その方が得した気がしない?」
――ライブならではのアレンジとかだと、なおさらそうですね。
HYDE「ただVAMPSの場合、曲作る時はバンドではないのかもしれないね。このふたりがメインで、そこで形をほぼ作っちゃうから。で、それに見合ったミュージシャンと自由に作るっていうのが今のところのスタイル。お互い別のバンドもやってるしね。バンドってさ、各自のエゴが濃くなってくるから、だんだん自分の好きなものが作りづらくなってきたりするじゃない? そういうところで、ふたりだと意志の疎通もラクだし、エゴとかそういうのを抜きにして、こういうドラムは彼に、ベースは彼にやってもらいたい、とか。そこは自由にやってたいかな、今のところは」
――じゃ今後は、レコーディングやツアーは今回とまた違うメンツとやるかもしれない?
HYDE「まぁね。そこら辺はフレキシブルにって考えてたんだけど、新たにメンバーを入れるとなると、またゼロから積み上げていくのも大変だなぁって、ちょっと思うけどね(苦笑)。案外大変だったもんね、ゼロから積み上げていったのって」
K.A.Z「そうだね。出来るだけいろんなことにチャレンジしたり新たな発見がある方がいいな、とは思います」
――そういえば、来春には待望の2ndシングルが発表されるそうですが、アイデアとか、そろそろ固まり始めてたり?
HYDE「なんも。白紙です、まだ」
K.A.Z「CD買ったらなんも入ってなかったりして(笑)」
HYDE「“すみませんでした”って書いてある紙が入ってる、とかね(笑)」
K.A.Z「で、カップリングが英語ヴァージョンで“アイム・ソーリー”とか(一同爆笑)」
――そういうのも面白いですけどもー(笑)。
HYDE「とりあえず来年はまず、シングルを2枚ぐらい出してからアルバムって感じかな。てか、来年はまたツアーやるから、ツアーまでにはアルバム出さないと」
――おおっ。それは楽しみですねー。
HYDE「来年はヤバイよ、VAMPSイヤーだから。なんとなく(笑)。今回のツアーは序章ですから。準備運動ですよ、ただの。次が本チャンですから。だってアルバム出てないんだから。来年はすごいよ、アルバム出してツアーだから、“これぞVAMPS!”って感じ」
K.A.Z「もっと濃い感じにしていきたいですね。アルバムが出たら、VAMPSのまた違う一面が見れたり、楽しめるところがもっと増えると思うんですよ。今回やったライブとはまた違う印象を受けたりもすると思うし。そういうのって曲が左右する部分もあるから。だから、いいアルバムを作りたいですね。それを持って行ったうえで楽しめるライブをしたいから……頑張ります!」
