――どんなきっかけで生まれた曲なんですか？

イマイ「6月くらいに突然チバ君(チバユウスケ)が持ってきて、その時点で大体できあがっていたんだよね。ああしよう、こうしようって、細かいことはほとんどせず、そのままレコーディングしちゃったという感じ」

――これまでになく、メッセージがダイレクトに届いてくる曲だなと思ったんですが、どうしてこういう曲が生まれたんでしょうか？

チバ「それはわからない。なるべくして、なってるっていうかさ、そういう風にできちゃったんだから」

――チバさんが持ってきた時、どう思いましたか？

イマイ「シンプルな曲だなって。最初、ギターの入っていき方をどうしようかって思ったんだけど、結局、ギターもシンプルな方がいいなって」

クハラ「言葉も同時に上がってきてたんですけど、『愛でぬりつぶせ』というキーワードは強烈なので、その強烈な言葉に負けない演奏をしよう、スコーンと行こうと」

ヒライ「歌詞があって、言葉がすごく入ってくる曲で、リズムも真っ直ぐなエイトビートだったので、これは何もする必要はないなって。歌、言葉の邪魔をせずにひたすらルートを弾こうと。結果、強さは出たんじゃないかと思います」

――“なぁ　パンクス”って語りかけるような歌は珍しいですよね

チバ「そういうのが出てきて、良かったんじゃないかな。お前、うぜえな、みたいなことだと思うけど」

クハラ「ビートルズの『All You Need Is Love』って、『愛こそすべて』って邦題がついているけれど、これは『愛でぬりつぶせ』ですからね。より強いっていうか」

イマイ「こういうのが愛だって全然説明してないじゃない？　人それぞれに解釈できる。そこがいいと思う。前からラブソングはあったけど、前は内側に向けてだったのが、今回は外に向けてという感じが強いかもしれない」

――『愛でぬりつぶせ』は希望の歌でもあるなと感じました

イマイ「ライブをやってる最中に愛でぬりつぶしている状況が起きているような気はするね」

――とても自由な曲でもありますよね。これがロックだとか、これはロックじゃないとか、そんな枠組みさえないなって

チバ「あのね、ロックって、ロックを好きな人がやるから、ロックだと思う。だから何をやってもいいんだよ。だって、ロックなんだから。“何がロックか？”って言われたら、わからないけど。と、思うけどね」

――今のThe Birthdayはまったく歯止めがないなと感じました。どこにでも行けるなって

クハラ「そういう感じはありますね。年をとってきて、どうでもいいってことも増えたし。それは投げやりってことではなくて。ロックだとかロックでないとかもどうでもいい。自分らがやる音楽というところでは何でもいい。バカスカやれば、それで良しって(笑)」

イマイ「キューちゃん(クハラ)が言ったように、楽曲とか関係なくて、思いきって演奏するという意味においては、自由になっているのかもしれない」

ヒライ「自由っていう言葉が当てはまるかどうかはわからないんですけど、その曲に対して、どう演奏するかは、そんなに深く考え込まなくなった。難しいことを考えなくても自然に出てくるようになった。それが自由なのかどうかはわかりませんけれど。この4人がやれば、何をやってもThe Birthdayになるんだろうなっていう実感はあります」

――“愛でぬりつぶせ”という歌詞は自然に出てきたんですか？

チバ「歌詞自体は他の曲にあったんだけど、それがうまくいかなくて(笑)。で、これを作ってみて、普通に歌ってみたら、あっ、これかって」

――前に作った時には、どうしてこの歌詞が出てきたんですか？

チバ「それはわからない。どっかに書いてあったんじゃないかな(笑)」

――レコーディングはどんな感じで？

クハラ「そんなにテイクを重ねなかったですね。曲調にもよるんですけど、これに関しては、スカーンとやればいいなって」

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