- BEST ALBUM
初回生産限定ボックスセット
『Best of GRAPEVINE 1997-2012』 - 限定盤[2CD+缶バッチ型プレイヤーPLAYBUTTON]
- 9月19日(水)リリース
- ポニーキャニオン
- PCCA-03688
- 通常版
『Best of GRAPEVINE 1997-2012』 - 9月19日(水)リリース
- ポニーキャニオン
- PCCA-03689
TOP > 100Qインタビュー > 田中和将(GRAPEVINE)
Text●早川加奈子 Photo●岩佐篤樹
Q76 ライブの前後に必ずやることは?
ライブ前は簡単なストレッチやったり、指を一本づつ伸ばしたり、声出しとかはしますよ、ちゃんと。ライブ後は何にもしないです。呑むだけです。
Q77 GRAPEVINEで最初にセッションしたウィルソン・ピケットとビートルズ。それぞれ曲は何でしたか?
ウィルソン・ピケットは「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」。ビートルズは「オー!ダーリン」と、「グラス・オニオン」か「サヴォイ・トラッフル」。メンバー募集の紙に、「当方最近ソウルにハマってて、ちゃんとした黒人音楽をルーツにしたロックをやりたし」みたいなことが書かれてて。当時西原誠はアトランティックソウルとかファンクにハマってたみたいで。「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」はあの頃、西原誠が好きやったメスカリンドライヴがやってたんちがうかな?
Q78 GRAPEVINE加入直後、ボーカルの重圧に堪えかね四国へ逃亡た田中さん。あの時なぜ四国へ? そこで何をするつもりだった?
車に乗ってとりあえず関西汽船のフェリーに乗り込んで、着いたのが四国やったんですけど、山道で、街灯もなく、本当なら信号で止まって地図とか見たいけど信号もなくて。怖いなぁと思いながら走り続けて、夜が明けてすぐ帰ってきましたね。ボーカリストではなくもうちょっとギタリストとしてやってみようと思って、辞めますって西原誠の家の留守電に吹き込んだ時点で僕はもうバインを辞めてたつもりだったんです。だから日常の何かから逃れようとしてたのは事実なんですけど、バインからの逃亡や失踪ではなく、連絡がつきにくかったっていうだけの話なんです。
Q79 関西から上京した時、いちばん最初にどこに行った?
97年の4月に上京してきたんですけど、それはデビュー盤を作るためだったので、そのまま合宿で河口湖にレコーディングに行きました。お台場とか東京タワーとか浅草とかには後に行くんですけどね。
Q80 根岸さん、長田さん、マイケルさん。歴代プロデューサーそれぞれの印象を一言で。
根岸さんは腹痛。長田さんは虎。マイケルさんは精力的なのでスッポンってことにしとこかな。根岸さんはほんま、いつもお腹を痛めてましたからね。あの人メンタルがお腹にきちゃうタイプなんで(笑)。
Q81 GRAPEVINEとして、「これはツラかった」という仕事は?
ほんとに初期の頃、「今度デビューするGRAPEVINEです」って各地を廻ってFM局とかに挨拶に行ったんですけど、あの無視され加減はツラかったですね。後から考えればそりゃそうやろうなと思うんですけどね。新人バンドなんて腐るほど出てくるし、いっぱい挨拶に来るんやろうから。自分ももしその立場やったらそういう感じになるんでしょうけど。傷つくというより、ほとんどこっちも見てくれてないんで、この仕事にそんなに意味があるんやろうかっていう気持ちになりました。
Q82 GRAPEVINEに入ってよかった、と思うことは?
いっぱいありますね。何よりこうやって続けて来れてることはすごく良かったと思いますね。
Q83 GRAPEVINEにとっての転機は?
いちばん対外的にわかりやすいのは西原誠の脱退なんでしょうけど、転機というのはおそらく人との出会いなんじゃないかなと思います。脱退は別れですけど、その別れは新たな出会いを呼びましたし、その前からも根岸さんとか、デビュー当時にマネージャーやディレクターに出会ったのも、ある意味転機でしょうね。
Q84 田中さんがしびれる音楽の三大要素とは?
よくわかっていらっしゃる。なのによくわかってないかのようなことをする。そしてライブがいい。
Q85 GRAPEVINEで最も記憶に残っているライブは?
シチュエーションとか天候とかトラブルとか、事件性があるライブは印象に残りますね。例えばほんまに西日が射す時間帯で異常に暑いとか、フェスで異常に土砂降りに遭うとか。去年、GREEN ROOM FESに出た時はPVかってくらい雨に打たれました。逆に、すごく良かったライブは良かったなという漠然とした印象が残るだけなんですよね。
Q86 「GRAPEVINEに憧れて音楽を始めた」と言われるのはどんな気分?
複雑ですね。もちろん嬉しいんですけど、そんな歳かワシらもっていう感じがします。
Q87 最近仲のいいミュージシャン/バンド仲間は?
みんな仲いいですけど、僕はそんなに付き合いがいい方でもないので、頻繁に誰かと飲んでるってことはないです。可愛い年下ミュージシャン? 光村(龍哉)とか? そういえば斉藤ジョニーとは一緒にライブやった時しか飲んだことないですね。
Q88 もし今、忌野清志郎さんと会えるなら何を話す?
生き残った人たちがあなたの曲でまだ儲けようとしてまっせ(笑)。
Q89 ソロになってみたい、と思う?
あんまり思わないですね。
Q90 誰でも好きな人とセッションできるとしたら誰がいい?
好きだったり憧れてるミュージシャンとかと一緒にやるのは結局僕が縮み上がってしまうんで、むしろ誰でもいいです。去年大好きなチャボさんとロフトでやらしてもらったんですけど、感慨はひとしおですけど、あの緊張感はしばらくいいかなと(笑)。もちろんいろんな人とセッションすること自体はすごく楽しいんですけどね。
Q91 メンバーをサザエさんのキャラに例えてください。
なんで?(笑)。波平は金やん(金戸覚)かな。下町のオヤジ感というとこではいちばん共通項がありそう。亀井くんは三平さんで、勲氏(高野勲)があなごさん、西川さんは中島で、僕は早川さんかノリスケ。結果、バインみんなで磯野家を見守ってる感じですね(一同爆笑)。
Q92 ではちびまる子ちゃんでお願いします。
まず、西川さんが野口さん。女性大好きジェントルな勲氏が花輪くん。「ベイビ〜?」とは言わないけど(笑)。日本酒ちびちびやってそうやから金やんがひろしで、顔も似てるマネージャーが永沢で、僕が卑怯な藤木。亀井くんはブー太郎。もうちょっとハマりのいいのがあるんでしょうけど、「GRAPEVINEのドラムだブー」って言ってくれそうだから(一同笑)。
Q93 ミュージシャンとしてこれからやってみたいことは?
今とおんなじです。ライブしてレコード作って、新しい曲を演奏したいです。
Q94 いつか作りたいと思う理想の音楽は?
具体的にこうっていうのはなくて、相変わらずいろんな要素をぶち込んで行きたいですね。
Q95 これからのGRAPEVINEはどう変化していくと思いますか?
もっと向上していかないと。音楽的にはその都度いろんなものに影響を受けていくと思いますけど、外から見てそんなに大きく変わっていくようなことはないんじゃないかなと思いますけどね。
Q96 マネージャーに改めてひと言お願いします。
これからもよろしくお願いします。
Q97 70歳になったとき何をやっていたい?
何もせずに暮らしていけてればいいなと思います。
Q98 田中和将の考える「男らしさ」とは?
僕の中に男らしさっていうものがないので、非常にステレオタイプな男らしさを欲してしまいますね。ハードボイルドな臭いといいますか、『ゴルゴ13』のような。亀井くんの大好きな世界ですよ。『仁義なき戦い』とか。
Q99 田中和将にとっての「音楽」とは?
娯楽です。唯一趣味といってもいいんじゃないかというような。
Q100 田中和将にとっての「GRAPEVINE」とは?
器とか戻れる家って言おうと思ったんですが、磯野家の例えで誰も家族じゃなかったんで(笑)。いちおうサザエさんという器の中には入ってる、ぐらいの感じじゃないですかね。
