● Final 2006/7/9(20:00) オリンピアシュタディオン[ベルリン] |
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 イタリア |
1 |
TOTAL |
1 |
 フランス |
5 |
PK |
3 |
1 |
1st |
1 |
0 |
2nd |
0 |
0 |
ex.1st |
0 |
0 |
ex.2nd |
0 |
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後味の悪い結末とは、まさにこのことを言う。今大会最高のスペクタクルが感じられた90分間は、延長戦に起こった出来事で一気にトーンダウンした。誰もが呆然とした瞬間――。それは言うまでもない、110分のジダンの退場劇だ。それまでは決勝戦に相応しい見ごたえのあるゲーム内容だったので、残念としか言いようがない。
ジダンが去った後のピッチ上は、何か面白みが欠けたボールゲームになった。その事実が、今日の主役が誰だったのかをはっきりと物語っていた。
試合を退屈なものにしたのがジダンなら、90分間のスペクタクルゲームを演出したのもジダンだった。7分、マルダが倒されて得たPKを決めた場面だが、誰もが固唾を飲んで見守る中、ジダンのキックはその緊張感を解きほぐすようなチップキックだった。世界中から「あっ」というため息が聞こえてきそうなそのシュートで、選手たちは彼らの周りを取り巻いていたファイナル特有の重い空気から解放されたのだ。
フランスが先制点を挙げたことで、守備のイタリアが攻めに転じなければならなくなったのも好材料だった。そしてイタリアが前に出てきたことで、それを利用するかのようにフランスのアタックも活性化した。
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フランスの攻撃の迫力は、これまでの試合で最高級のものを有していた。これが最後とあって体力を気にせず戦えるのが良かったのであろう。ジダンやヴィエラはいつもより積極的にゴール前に顔を出し、さらに左のマルダも非常に元気が良かった。そんな前への姿勢はPKを獲得した場面でも証明済み。フランスはここにきてようやく最高の姿を披露してくれたのだ。
ディフェンシブなイタリアも、カンナヴァロ&ブッフォンのコンビは世界屈指の守備力を誇っていることをあらためて証明して見せた。だからネスタの欠場は残念だが、それでもグロッソやザムブロッタ、そしてマテラッツィで形成されたディフェンスは、ジダンのPK以後得点を与えなかった。全世界にカルチョの真髄を十分に見せ付けたファイナルだっただろう。
ジダンのPK、マテラッツィの同点ゴール、そして延長戦へと進んだ試合は、スタジアムの雰囲気も抜群でまさに夢のような決勝戦として記憶されるはずだった。だから、もう一度強調したい。なぜ、ジダンの退場という悲劇が起こってしまったのか。すべてを台無しにするこの出来事で、ドイツ大会の決勝はあまり良い思い出にならなくなってしまった。少なくとも私はそう思う。イタリアの優勝を祝ったり、フランスの敗退を嘆く気持ちには、まだ当分なれそうにない。ジダンがレッドカードを受けた瞬間、それは彼の選手生活にピリオドを打つことを意味したのだ。せめて、美しい散り際を見たかったのは私だけではないだろう。
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文:佐藤芳記(WORLD SOCCER GRAPHIC取材班) |
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LINE UP |
1 ブッフォン 6.5
3 グロッソ 5.5
5 カンナヴァロ 6.0
8 ガッツーゾ 6.5
9 トニ 5.0
10 トッティ 5.0
(4 デ・ロッシ/61分 5.0)
16 カモラネージ 5.5
(7 デル・ピエロ/86分 5.0)
19 ザムブロッタ 5.5
20 ペロッタ 5.0
(15 イアキンタ/61分 5.0)
21 ピルロ 5.5
23 マテラッツィ 6.0
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6.0 バルテズ 16
5.0 アビダル 3
6.0 ヴィエラ 4
(5.5 56分/ディアラ 18)
6.0 ガラ 5
5.5 マケレレ 6
5.5 マルダ 7
4.0 ジダン 10
5.5 アンリ 12
(5.0 107分/ヴィルトール 11)
6.0 テュラム 15
5.5 サニョル 19
5.5 リベリー 22
(5.0 100分/トレゼゲ 20)
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マテラッツィ(19) |
得点者 |
(7)ジダン |
先攻:
ピルロ ○
マテラッツィ ○
デ・ロッシ ○
デル・ピエロ ○
グロッソ ○
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PK戦 |
後攻:
○ ヴィルトール
× トレゼゲ
○ アビダル
○ サニョル
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ザムブロッタ(5) |
イエローカード |
(12)サニョル (76)マケレレ (111)マルダ |
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レッドカード |
(110)ジダン |
5(3) |
シュート(枠内) |
13(5) |
17 |
ファウル |
24 |
5 |
CK |
7 |
4 |
オフサイド |
2 |
55% |
ボール支配率 |
45% |
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