● Semi-final 2006/7/4(21:00) ドルトムント・ワールドカップスタジアム[ドルトムント] |
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 ドイツ |
0 |
TOTAL |
2 |
 イタリア |
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PK |
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0 |
1st |
0 |
0 |
2nd |
0 |
0 |
ex.1st |
0 |
0 |
ex.2nd |
2 |
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スタジアムを180度取り囲んだドイツサポーターが大声援で選手をバックアップする。これぞホームという恩恵を受けたドイツは、過去ドルトムントでは敗北を知らないという歴史的事実も加わって、最高の環境で準決勝を迎えた。絶対的とも言えるそんなアドバンテージを得ながら、しかしピッチ上で見せたサッカーはこれまでのどの試合よりも消極的だった。
守備重視を宣言したかのように4−4−1−1を形成したイタリアが、完全アウェイの状況下において前に出た。左からはペロッタとグロッソが、右からはカモラネージとザムブロッタがいつも以上に攻撃参加したが、それはドイツの弱腰な姿勢が大きく関係する。ホスト国は攻撃を仕掛けることがほとんどなく、ワントップのイタリア相手に思いっきり引いたのだ。目を疑ってしまいそうなそんな光景は、結局試合終了まで変わることはなかった。
ドイツの布陣はいつもと変わらぬ4−4−2だったが、選手構成は若干異なった。フリングスが出場停止とあって、バラックとボランチを形成したのはケール。そして左サイドにはシュヴァインスタイガーに代わってボロウスキが起用されたが、これが裏目に出たといえる。
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サイドを本職としないボロウスキが入ったことにより、少なくともいつもよりは左からの攻撃が活性化せず、ラーム頼みは一層深刻化した。ドイツはただでさえサイドからの攻撃に乏しい。逆サイドを担うのはシュナイダーとフリードリッヒ。この2人では右サイドの攻撃は苦しいと言わざるを得ず、それゆえ両サイドの攻撃は完全に死んでしまったのだ。
イタリアに目を移しても、アズーリは決して調子が良かったわけではない。トッティも一発狙いのスルーパスを連発し、それに対するトニの反応も非常に鈍い。ピルロの散らしたパスを有効に使っていたとは言い難く、間延びする4−4−1−1の弱点が時折顔を覗かせていた。
そんなイタリアに追い込まれ敗北を喫したドイツは、やはり負けるべくして負けたのだ。攻撃を放棄した消極的姿勢でファイナルの舞台に立とうと思うのは虫が良すぎる。試合終了後、ドイツサポーターは選手たちに拍手を送ったが、どうもそんな気持ちにはなれない。確かに彼らは実力以上の結果を残した。ベスト4という成績はホスト国の重責を果たしたと言っていいだろう。だが、ドイツがこんな恵まれた環境で決勝を狙える機会は、おそらく我々が生きている間には二度とやってこない。圧倒的な大声援をバックに戦えるチャンス。それにもかかわらず、ドイツはなぜ前へ出なかったのか。もったいないという言葉だけでは済まされない姿勢に、どうしても疑問を感じてしまうのだ。だから、そんなドイツに、絶対に拍手は送れない。
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文:佐藤芳記(WORLD SOCCER GRAPHIC取材班) |
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LINE UP |
1 レーマン 5.5
3 フリードリッヒ 5.5
5 ケール 5.5
11 クローゼ 5.0
(10 ノイヴィル/111分 NG)
13 バラック 5.5
16 ラーム 6.0
17 メルテサッカー 5.5
18 ボロウスキ 5.5
(7 シュヴァインスタイガー/73分 5.5)
19 シュナイダー 5.5
(22 オドンコル/83分 5.5)
20 ポドルスキ 5.0
21 メッツェルダー 5.5
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6.5 ブッフォン 1
6.0 グロッソ 3
6.0 カンナヴァロ 5
6.0 ガッツーゾ 8
5.0 トニ 9
(5.5 74分/ジラルディーノ 11)
5.0 トッティ 10
5.5 カモラネージ 16
(5.5 91分/イアキンタ 15)
6.0 ザムブロッタ 19
5.5 ペロッタ 20
(6.0 104分/デル・ピエロ 7)
6.5 ピルロ 21
5.5 マテラッツィ 23
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得点者 |
(119)グロッソ (121)デル・ピエロ |
ボロウスキ(40) メッツェルダー(56) |
イエローカード |
(90)カモラネージ |
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レッドカード |
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13(2) |
シュート(枠内) |
15(10) |
21 |
ファウル |
19 |
4 |
CK |
12 |
2 |
オフサイド |
11 |
43% |
ボール支配率 |
57% |
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