● Quarter-final 2006/7/1(21:00) フランクフルト・ワールドカップスタジアム[フランクフルト] |
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 ブラジル |
0 |
TOTAL |
1 |
 フランス |
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PK |
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0 |
1st |
0 |
0 |
2nd |
1 |
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ex.1st |
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ex.2nd |
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試合終了5分前、タイムアップが待ち遠しいフランスサポーターから気の早い勝利の歌がこだまする。すると、負けじとブラジルサポーターがセレソンに声援を送る。スタジアムはたちまち地響きのような音が支配し、追い込まれた史上最強軍団の行く末を見守った。
お見事フランス、ブラジルを撃沈! 今日の試合ばかりは彼らに賞賛を送らずにはいられない。圧倒的不利の予想は決勝トーナメント1回戦の比ではない。ブラジルの圧勝もありうるとの声が大多数を占める中、しかしフランスはその劣勢を覆す見事な勝利をやってのけた。
これまでの試合とは異なるメンバーで臨んだブラジルに対し、フランスはいつもの4−5−1を形成。その戦術的不安が顔を覗かせると思われたが、今日はひとりの男のパフォーマンスが全く違った。
マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたのはジダン。その選定に今日は異論の余地が無い。ジダン特有のリズムが見事に復活。プラティニから将軍の銘を授かった実力を、引退間際のこの試合でもう一度輝かせた。華麗なる将軍の舞にただ拍手を送る以外に言うべきことはない。
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確かに以前のようなキレは無くなりつつあるが、それでも一瞬のひらめきは圧巻の一言だ。それに連鎖反応するように、リベリーとアンリも躍動した。特にアンリは勝負どころで仕事をする“らしさ”が戻ってきた。
いつもと変わらないプレースタイルを貫いたブラジルは、これまでの試合とは人が変わったように素早いプレスを仕掛けるフランス相手に手を焼いた。ヴィエラとマケレレも足りない技術は運動量でカバー。ディフェンスラインの負担を大幅に減らした。思った以上にフランスがボールをキープできたのは、彼らのそんな献身的なプレーなしにありえなかった話だ。ジダンの用心棒を見事に務めたと言っていいだろう。
戦前の予想から考えると、大躍進と表現しても良いフランスの準決勝進出。チームを支えるベテランのスタミナ面に不安が残るが、それでも我々はジダンのプレーをあと2試合見ることができる。ブラジル戦のジダンのプレーは、彼自身がまだピッチが名残惜しいと言わんばかりの、そんなパフォーマンスだった。
チームがまとまってきたフランスはもはやダークホースではない。短期決戦に必要な勢いを彼らはしっかりと手に入れた。次の相手はポルトガルだが、今のフランスなら、彼らがベルリンの地を踏む可能性は限りなく高い。私はそう思う。
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文:佐藤芳記(WORLD SOCCER GRAPHIC取材班) |
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LINE UP |
1 ジーダ 5.5
2 カフー 5.5
(13 シシーニョ/76分 5.5)
3 ルッシオ 5.5
4 ファン 5.0
6 ロベルト・カルロス 5.5
8 カカー 5.5
(23 ロビーニョ/79分 NG)
9 ロナウド 5.5
10 ロナウジーニョ 5.5
11 ゼ・ロベルト 5.5
17 ジウベルト・シウヴァ 5.5
19 ジュニーニョ 5.5
(7 アドリアーノ/63分 5.0)
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6.0 バルテズ 16
5.5 アビダル 3
6.0 ヴィエラ 4
5.5 ガラ 5
6.0 マケレレ 6
5.5 マルダ 7
(NG 81分/ヴィルトール 11)
6.5 ジダン 10
6.0 アンリ 12
(NG 86分/サハ 14)
6.0 テュラム 15
5.5 サニョル 19
6.0 リベリー 22
(5.5 77分/ゴヴ 9)
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得点者 |
(57)アンリ |
カフー(25) ファン(45) ロナウド(45+2) ルッシオ(75) |
イエローカード |
(74)サニョル (87)サハ (88)テュラム |
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レッドカード |
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7(1) |
シュート(枠内) |
9(5) |
22 |
ファウル |
17 |
5 |
CK |
7 |
2 |
オフサイド |
5 |
55% |
ボール支配率 |
45% |
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