● Quarter-final 2006/7/1(17:00) ゲルセンキルヘン・ワールドカップスタジアム[ゲルセンキルヘン] |
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 イングランド |
0 |
TOTAL |
0 |
 ポルトガル |
1 |
PK |
3 |
0 |
1st |
0 |
0 |
2nd |
0 |
0 |
ex.1st |
0 |
0 |
ex.2nd |
0 |
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「二度あることは三度ある」。試合前、ポルトガルのルイス・フェリッペ・スコラーリ監督は自身にそう言い聞かせ、高ぶる心を落ち着かせていた。
スコラーリ対イングランドの過去2度の対戦は、いずれも僅差ながら軍配はスコラーリに上がっている。02年日韓W杯準々決勝、スコラーリ率いるブラジル(当時)は2対1とイングランドを下し優勝への弾みとすると、ユーロ2004準々決勝、ポルトガルはイングランドと2対2で引き分けながら、PK戦を制してベスト4への切符を勝ち取った。
迎えた三度目の顔合わせ、やはり勝利の女神は気さくなブラジル人指揮官に微笑んだ。スコラーリの願いは通じたのだ。
ゲルセンキルヘンで行なわれたイングランド対ポルトガルの一戦は、120分間の激闘でも決着することなく勝負の行方はPK戦に委ねられると、GKリカルドが好セーブを連発したポルトガルが勝利を手にすることに。史上最強のメンバーとも謳われ、40年ぶりの優勝に照準を合わせていたイングランドだったが、最後までらしさを発揮することなく、迎えたPK戦では頼みのランパート、ジェラードも失敗に終わり万事休すとなった。
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「あれでゲームプランが崩れてしまった」(エリクソン監督)とは、もちろん62分のルーニーの退場劇。相手DFへの愚かなラフプレー(一発退場)でエースを失ったイングランドは、残り時間を10人で戦うことを余儀なくされてしまい、結局はそれが最後に響く形となってしまった。それまでは、1トップのルーニー以下、ベッカム、ジェラード、ランパート、J・コールらがバランスよく絡み合うなど、攻撃の調和が取れていたが、大事なピースが欠けたとなれば、それも沈静化するのは当然だった。
それでも、テリー、ファーディナンドを中心とした堅守で失点をせずに凌いでいたイングランド。なかでも、この試合を落としたにもかかわらず、マン・オブ・ザ・マッチに輝いたハーグリーヴスの奮闘は際立ち、中盤の底での広範囲に渡る守備、機を見た前線への飛び出しは随所に光った。もし彼がいなければ10人のイングランドはすぐに崩壊していたかもしれない、それほどまでにすばらしかった。だからこそ、ルーニーの愚行は悔やまれた。
一方のポルトガルは、中盤の核となるデコとコスティーニャをともに出場停止で欠きながらも、最後まで粘り強い戦いを見せた。得点こそなかったが持ち前のボールキープ力は変わらずに、ふたりの欠場の穴を感じさせない選手層の厚さを証明。そして勝利の立役者は、何といってもPK戦で相手のキック3本をストップしたGKリカルドだろう。「ヒーローは俺じゃない」としながらも、抜群の瞬発力を活かしたセーブでイングランドのキッカーにプレッシャーを与え続け、勝利を手繰り寄せた。
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文:栗原正夫(スポーツジャーナリスト) |
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LINE UP |
1 ロビンソン 5.5
2 ネヴィル 5.0
3 アシュリー・コール 5.0
4 ジェラード 5.5
5 ファーディナンド 5.5
6 テリー 5.5
7 ベッカム 5.0
(19 レノン/52分 5.5)
(15 キャラガー/119分 NG)
8 ランパード 5.5
9 ルーニー 4.0
11 ジョー・コール 5.5
(21 クラウチ/65分 6.0)
16 ハーグリーヴス 6.5
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6.5 リカルド 1
5.5 フェルナンド・メイラ 5
5.0 フィーゴ 7
(5.5 86分/ポスティガ 23)
5.5 プティ 8
5.0 パウレタ 9
(5.5 63分/シモン 11)
5.5 ミゲル 13
5.5 ヌーノ・ヴァレンテ 14
5.5 リカルド・カルヴァーリョ 16
6.0 クリスチャーノ・ロナウド 17
6.0 マニチェ 18
5.5 ティアゴ 19
(5.0 74分/ウーゴ・ヴィアナ 10)
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得点者 |
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後攻:
ランパード ×
ハーグリーヴス ○
ジェラード ×
キャラガー ×
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PK戦 |
先攻:
○ シモン
× ウーゴ・ヴィアナ
× プティ
○ ポスティガ
○ クリスチャーノ・ロナウド
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テリー(30) ハーグリーヴス(107) |
イエローカード |
(44)プティ (111)リカルド・カルヴァーリョ |
ルーニー(62) |
レッドカード |
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9(4) |
シュート(枠内) |
20(9) |
21 |
ファウル |
10 |
6 |
CK |
4 |
0 |
オフサイド |
3 |
43% |
ボール支配率 |
57% |
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