● Round of 16 2006/6/27(21:00) ハノーヴァー・ワールドカップスタジアム[ハノーヴァー] |
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 スペイン |
1 |
TOTAL |
3 |
 フランス |
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PK |
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1 |
1st |
1 |
0 |
2nd |
2 |
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ex.1st |
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ex.2nd |
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圧倒的不利が囁かれる中、フランスがスペインを退けた。ジダンが復活したことで、将軍の周りを用心棒たちが取り囲むように形成された4−5−1に布陣を戻すと、中盤が自慢のスペインと五分に渡り合った。どん底までに落ちた元世界王者だが、最後はジダンのゴールも生まれ、勝利をもぎ取ったのだ。
フランスがスペインに勝利した理由。それは、ヴィエラ&マケレレの献身的なプレーなしには語れない。このダブルボランチは、グループリーグでのパフォーマンスからは想像も出来ないほどその質を上げ、幾度もスペインのチャンスの芽を摘み取った。運動量では圧倒的にスペインの中盤が上を行ったが、彼らはそのハンデを百戦錬磨の経験でカバーした。その経験こそが、フランス全体に活気を取り戻したといっていい。
しかし、贔屓目なしに見れば、内容では圧倒的にスペインに軍配が上がる。試合の主導権を握っていたのはスペインの方で、結果が逆転していても何らおかしくはない。それを違う視点で眺めれば、やはりフランスのほころびがはっきりと浮かび上がるのだ。
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ジダンのための布陣といえる4−5−1は、文字通り前線にはアンリ一人が孤立するため、攻撃パターンは非常に限られる。アンリは前でじっとしているタイプではない。スペースを必要とし、自ら下がってチャンスメイクも行う。それゆえ、アンリが中盤やサイドに流れてプレーした場合は、後方からの上がりがなければ攻撃がつながるはずもないのだ。そこでキーとなるのが中盤の選手たちだが、ジダンはもとよりヴィエラやマケレレにもそんな積極的なプレーはほとんど期待できない。記者席から眺めたピッチ上では、絶えず動き回っていたのはやはりスペインの方で、フランスの選手たちの動きは非常に鈍かった。動き回っていたのはリベリーぐらいか。1点目のシーンに代表されるように、もはや前線で期待できるのはリベリーとアンリだけなのだ。
攻撃に厚みを付けるためにアンリ&トレゼゲのツートップ待望論が沸き起こる中、しかしドメネクはあくまでも4−5−1に固執している。スペイン戦はそれで勝利した。これにより、ドメネクはさらにツートップに拒否反応を示すだろう。それは、たとえブラジル相手でも然りだ。次戦でも、変わらぬメンバーが同じように配置される可能性は極めて高い。
もし、ドメネクが今日の勝利に浮かれることなく冷静な目でゲームを分析したならば、きっとそんな解答に辿り着かないはずだ。それでもフランスがスタイルを変えない場合は、今度こそ、次のブラジル戦がジダンの引退試合となってしまうことだろう。
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文:佐藤芳記(WORLD SOCCER GRAPHIC取材班) |
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LINE UP |
1 カシージャス 5.5
3 ペルニア 5.5
5 プジョル 6.0
7 ラウール 5.0
(11 ルイス・ガルシア/54分 5.5)
8 チャヴィ 6.0
(16 マルコス・セナ/72分 5.5)
9 フェルナンド・トレース 5.5
14 チャビ・アロンソ 6.0
15 セルヒオ・ラモス 5.5
18 ファブレガス 5.5
21 ヴィージャ 5.5
(17 ホアキン/54分 5.5)
22 パブロ 5.5
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5.5 バルテズ 16
5.5 アビダル 3
6.5 ヴィエラ 4
5.5 ガラ 5
6.0 マケレレ 6
5.5 マルダ 7
(5.5 74分/ゴヴ 9)
5.5 ジダン 10
5.5 アンリ 12
(NG 88分/ヴィルトール 11)
5.5 テュラム 15
6.0 サニョル 19
6.0 リベリー 22
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ヴィージャ(28) |
得点者 |
(41)リベリー (83)ヴィエラ (90+2)ジダン |
プジョル(82) |
イエローカード |
(68)ヴィエラ (87)リベリー (90+1)ジダン |
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レッドカード |
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7(2) |
シュート(枠内) |
9(5) |
29 |
ファウル |
23 |
8 |
CK |
5 |
2 |
オフサイド |
8 |
61% |
ボール支配率 |
39% |
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