● Round of 16 2006/6/27(17:00) ドルトムント・ワールドカップスタジアム[ドルトムント] |
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 ブラジル |
3 |
TOTAL |
0 |
 ガーナ |
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PK |
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2 |
1st |
0 |
1 |
2nd |
0 |
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ex.1st |
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ex.2nd |
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「最終スコアは内容を正しく表していない。いちばんの問題はミスが多くパスが回らなかったこと。正直、ガーナの良いパフォーマンスには驚かされた。はじめから分かっていたことだが、非常に難しい試合だった」
3ゴールの“快勝”にも、どこかブラジルのパレイラ監督の言葉は歯切れが悪かった。
開始5分、カカーのスルーパスに抜け出したロナウドがGKキングストンを巧みなステップでかわして、先制ゴールをマーク。幸先のいいスタートに、ブラジルのゴールラッシュの予感すら漂った。
しかし、そこからアフリカ勢として唯一ベスト16に残ったガーナが粘りを見せる。攻守の要・エッシェンを出場停止で欠いたものの、アピアー、ムンタリらを中心にセレソンのお株を奪う華麗なパスワークを見せ、試合を支配。幾度かチャンスも掴み、ブラジルゴールを脅かす。ただ、肝心な得点だけは奪えず。42分には左CKにフリーのメンサーが頭で合わせ、あわやゴールかというシーンを作り出したが、シュートは惜しくもGKジーダの右足に阻まれた。
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リスクを恐れずに、バックラインを上げ、王者ブラジルを押し込むガーナ。その様子は、流れを完全に掴んでいるかに見えた。だが前半ロスタイム、一瞬の隙を突いて再度ゴールネットを揺らしたのはブラジルだった。ルッシオがインターセプトしたボールをそのまま持ち上がると、カカー、カフーと渡ったボールを最後はアドリアーノ。スローVTRでみれば、完全なオフサイドに映ったものの、アシスタントレフェリーのフラッグが上がることはなかった。
続く後半も、追うガーナが攻め、ブラジルが守る展開だったが、終了間際にまたもカウンターを結実させ、得点を重ねたのはブラジル。前がかりになっていたガーナの裏を突き、2列目から飛び出したゼ・ロベルトがGKをもかわして無人のゴールにダメ押しの3点目を流し込んだ。
「両チームの違いは、我々がチャンスを決め切れなかったのに対し、相手がチャンスを確実に決めたということ。ブラジルを相手に1秒でも隙を見せてしまえば、やられてしまうということだ」(デュイコヴィッチ監督/ガーナ)
アフリカ最後の望み、ブラックスターズ(ガーナ代表の愛称)はリスクを怖れずにゴールを求めにいくなど、王者ブラジルに果敢に挑んだものの、力及ばず逆襲から3点を喰らうことに。ボール支配率、シュート数で上回りながら、ゴールだけが最後まで遠かった。
エース・ロナウジーニョも見せ場なく、ロナウド、アドリアーノにしても、ゴールシーン以外に目立った働きはなかった。6度目の世界制覇をめざすブラジルにおいて、好材料となったのはロナウドがこの日のゴールでW杯通算得点数を15に伸ばして、ゲルト・ミュラー(当時:西ドイツ代表/14得点)が持っていた記録を更新したことぐらい。
決勝トーナメント突入後にしてなお、低空飛行を続けるブラジル。ただ内容はどうあれ、それでも勝利を手にしてしまう老巧さ。それこそが、ブラジルの強さなのかもしれない。
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文:栗原正夫(スポーツジャーナリスト) |
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LINE UP |
1 ジーダ 6.0
2 カフー 5.5
3 ルッシオ 5.5
4 ファン 5.5
5 エメルソン 5.0
(17 ジウベルト・シウヴァ/HT 5.5)
6 ロベルト・カルロス 5.5
7 アドリアーノ 6.0
(19 ジュニーニョ/61分 5.5)
8 カカー 5.5
(20 リカルジーニョ/83分 NG)
9 ロナウド 6.0
10 ロナウジーニョ 5.0
11 ゼ・ロベルト 5.5
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6.0 キングストン 22
6.0 ギャン 3
5.0 メンサー 5
5.0 パッポエ 6
5.0 シラ 7
5.5 アピアー 10
5.5 ムンタリ 11
5.5 アモア 14
(NG 70分/テキエ・メンサー 12)
5.0 ペイントシル 15
5.0 エリック・アッド 18
(5.5 60分/ボーテング 9)
5.5 ドラマニ 23
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ロナウド(5) アドリアーノ(45+1) ゼ・ロベルト(84) |
得点者 |
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アドリアーノ(13) ファン(44) |
イエローカード |
(7)アピアー (11)ムンタリ (29)ペイントシル (38)エリック・アッド (48,81)ギャン |
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レッドカード |
(81)ギャン |
11(10) |
シュート(枠内) |
18(7) |
18 |
ファウル |
24 |
3 |
CK |
4 |
5 |
オフサイド |
4 |
48% |
ボール支配率 |
52% |
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