● Round of 16 2006/6/25(21:00) フランケンシュタディオン[ニュルンベルグ] |
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 ポルトガル |
1 |
TOTAL |
0 |
 オランダ |
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PK |
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1 |
1st |
0 |
0 |
2nd |
0 |
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ex.1st |
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ex.2nd |
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オランダがベスト16で敗れ去った。しかも、いつもは美しく散ることで大会に好印象を残してきたはずのオランダが、何とも後味の悪い形で散った。ポルトガルとの戦いは退場者4人、イエローカード16枚が飛び交う最悪の試合だった。
ポルトガル対オランダという攻撃サッカーの美技が激突する決勝トーナメント1回戦屈指の好カードは、それゆえ視点が全く別の方へと移ってしまった。戦前は、両サイドの攻防や中盤の構成、さらには選手交代のタイミングなど、ノックアウト方式に相応しい見所満載のゲームが期待されたが、それはほとんど夢物語に終わった。
悪夢の始まりはコスティーニャの退場だったが、これで試合の流れが最悪の方へと向かってしまった。以後、ブラールズ、デコ、ファン・ブロンクホルストと計4人がピッチを去った。これではゲームの組み立てや戦術などとは無縁の試合となってしまう。このビッグカードの価値の下落度は計り知れない。大会中で、ファンの期待を最も裏切った試合だったと言っていいだろう。
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それでも、退場者が出るまでは期待通りの試合だった。不調のファン・ニステルローイを外しカイトを起用したファン・バステンの英断、サイドでぶつかるクリスチャーノ・ロナウド対ファン・ペルシーの俊英対決、そして中盤での主導権争い。注目点は目白押しだった。
とりわけ、デコを中心としたポルトガルの中盤は、噂に違わぬ完成度があった。ユーロ2004をベースに、長きに渡りコンビネーションを組んできた5人の戦士たちは、今まさに円熟期に達している。それを証明するかのように挙げた先制点の展開も見事。デコからのグラウンダーのクロスにパウレタがくさび役となる。そして落としたところにマニチェが走りこんできたのだが、そのコンビネーションは一朝一夜で出来る代物ではなかった。だからこそもう一度言いたい。そんな中盤を崩壊させたコスティーニャの退場は、残念でならない。
手負いのポルトガルは、しかしこれでベスト8進出を果たした。次の相手はイングランドに決まった。だが、イングランド対ポルトガルというビッグマッチになぜか期待感が沸いてこない。理由は単純明快だ。その試合にはコスティーニャもいなければ、デコも出場停止だ。フェリッペが長い時間をかけて熟成させたポルトガルサッカーは、一体何のためにあったのか。オランダだって同じだ。オレンジ軍団は、何を思い大会を去っていくのか。そして彼らは何を残してくれたのか。それが喜びではないことを、試合終了後に響き渡ったブーイングが証明していた。
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文:佐藤芳記(WORLD SOCCER GRAPHIC取材班) |
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LINE UP |
1 リカルド 6.0
5 フェルナンド・メイラ 6.5
6 コスティーニャ 4.0
7 フィーゴ 5.5
(19 ティアゴ/84分 NG)
9 パウレタ 5.5
(8 プティ/HT 5.5)
13 ミゲル 6.0
14 ヌーノ・ヴァレンテ 5.0
16 リカルド・カルヴァーリョ 5.0
17 クリスチャーノ・ロナウド 5.5
(11 シモン/34分 6.0)
18 マニチェ 7.0
20 デコ 4.0
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5.5 ファン・デル・サール 1
4.0 ブラールズ 3
5.5 マタイセン 4
(5.0 56分/ファン・デル・ファールト 10)
4.0 ファン・ブロンクホルスト 5
5.0 カイト 7
5.5 コク 8
(NG 84分/フェネホール・オフ・ヘッセリンク 19)
5.5 ロッベン 11
6.0 オーイヤー 13
5.5 ファン・ペルシー 17
6.0 ファン・ボメル 18
(5.5 67分/ハイティンガ 14)
5.5 スナイデル 20
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マニチェ(23) |
得点者 |
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マニチェ(20) コスティーニャ(31,45+1) プティ(50) フィーゴ(60) デコ(73,78) リカルド(76) ヌーノ・ヴァレンテ(76)
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イエローカード |
(2)ファン・ボメル (7,63)ブラールズ (59,90+5)ファン・ブロンクホルスト (73)スナイデル (74)ファン・デル・ファールト
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コスティーニャ(45+1) デコ(78) |
レッドカード |
(63)ブラールズ (90+5)ファン・ブロンクホルスト |
10(6) |
シュート(枠内) |
20(9) |
10 |
ファウル |
15 |
3 |
CK |
5 |
4 |
オフサイド |
2 |
38% |
ボール支配率 |
62% |
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