● Round of 16 2006/6/25(17:00) ゴットリーブ・ダイムラー・シュタディオン[シュトゥットガルト] |
|
 イングランド |
1 |
TOTAL |
0 |
 エクアドル |
|
PK |
|
0 |
1st |
0 |
1 |
2nd |
0 |
|
ex.1st |
|
|
ex.2nd |
|
|
|
|
|
|
イングランドが“辛くも”エクアドルを1対0で下し、ベスト8進出を決めた。辛勝、まさに、その言葉がぴったりの勝利だった。
クラウチをスタメンから外し、前線にはルーニーをトップに、その下にジェラードを配した新しい布陣を試みたイングランド。しかし、新システムは思うように機能せず、準々決勝進出にも漂う香りは、40年ぶりとなる世界制覇への期待よりも、次戦への不安である。
60分、ベッカムがFKから右足で放ったシュートが、エクアドルが築いた3枚の壁の上を越えて、GKモラのめいっぱい伸ばした手をかすめるようにゴール左ポストぎりぎりに吸い込まれ、何とか面目だけは保ったものの、その戦いぶりは決して勝者に相応しいものではなかった。
ルーニーのサポート役として、いつもより一列高い位置でのスタートとなったジェラードだが、そのポジション取りは普段と変わらず、ルーニーが前線で孤立する原因となった。ボランチでは守備能力の高いキャリックとコンビを組んだことで、ランパードの攻撃力がより発揮できるかに思われたが(攻撃力が高いジェラードとコンビを組む際には、双方が遠慮し合って、なかなかふたりのよさが発揮されていない)、そのランパードの不出来こそが、この日の苦戦の原因といえるかもしれない。
|
 |
|
|
また、左サイドを主戦場にこれまで得意のドリブル突破で、攻撃に唯一変化をもたらしてきたJ・コールも、平凡なプレーに終始し、いいところなく77分にピッチをあとにすることに。テリー、リオ・ファーディナンドを中心とした堅守が光るイングランドだが、攻撃については確固たる形はなく、行き当たりばったりの感が強い。ここまでは対戦相手に恵まれたこともあってか、何とかゴールをこじ開けてはいるものの、次戦、オランダとの激闘を制したポルトガル(準々決勝)との対戦を考えれば、単調な攻撃の繰り返しではお先は暗いといわざるを得ない。
敗れたエクアドルとしては、最初で最後の決定機となった11分のチャンスをC・テノリオが決め切れなかったことが響いたといえる。ボール支配率こそ51%とイングランドを上回ったものの、以降は得点の匂いすら感じさせることができずに終わった。もちろん、健闘は光った。しかし、W杯でベスト8に進出するには如何せんタレントを欠いていたということか。
両チーム合わせても、シュート数は17に留まり、枠内シュートに限ればわずか7本に終わった一戦を平たく言えば、凡戦となる。大会前には、優勝候補のひとつにも名が挙がっていたイングランドだが、まだまだエンジンの掛かり具合はよくないようだ。
|
文:栗原正夫(スポーツジャーナリスト) |
|
|
|
 |
|
LINE UP |
1 ロビンソン 5.5
3 アシュリー・コール 5.5
4 ジェラード 5.5
(20 ダウニング/92分 NG)
5 ファーディナンド 5.5
6 テリー 5.0
7 ベッカム 5.5
(19 レノン/87分 NG)
8 ランパード 4.5
9 ルーニー 5.5
11 ジョー・コール 5.0
(15 キャラガー/77分 NG)
16 ハーグリーヴス 5.5
18 キャリック 5.5
|
|
5.0 モラ 12
5.0 ウルタード 3
5.5 デ・ラ・クルス 4
5.0 メンデス 8
5.5 デルガード 11
5.0 カスティージョ 14
5.0 ヴァレンシア 16
5.5 エスピノーザ 17
5.0 レアスコ 18
5.0 エドウィン・テノリオ 20
(5.0 69分/ララ 7)
5.5 カルロス・テノリオ 21
(NG 72分/カヴィエデス 10)
|
|
|
|
ベッカム(60) |
得点者 |
|
テリー(18) ロビンソン(78) キャラガー(82) |
イエローカード |
(24)ヴァレンシア (37)カルロス・テノリオ (67)デ・ラ・クルス |
|
レッドカード |
|
8(4) |
シュート(枠内) |
9(3) |
13 |
ファウル |
24 |
5 |
CK |
7 |
3 |
オフサイド |
6 |
49% |
ボール支配率 |
51% |
|
|
 |
|