● GROUP H 2006/6/19(21:00) ゴットリーブ・ダイムラー・シュタディオン[シュトゥットガルト] |
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 スペイン |
3 |
TOTAL |
1 |
 チュニジア |
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PK |
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0 |
1st |
1 |
3 |
2nd |
0 |
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ex.1st |
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ex.2nd |
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英雄ラウールをスタメンから外した英断は、この試合でも継続された。ウクライナ戦での快勝が自信となったのか、アラゴネス監督の采配に迷いはなかった。フェルナンド・トーレスとヴィージャの背後にルイス・ガルシアが入り前線を固めると、スペインお得意のパスワークを担う中盤も初戦と同じ。そして期待通り、スペインは序盤からチュニジアを圧倒した。
ムナリに先制ゴールを許したものの、これは不運な事故にあったようなもの。今大会出場32カ国中でも1、2を争うであろう巧みなパスワークでゲームを組み立てたスペインが、試合の主導権を握っていたのは明らかだった。前半でのボールポゼッション率64%対34%という数字が、その事実を物語っている。
しかし圧倒している試合ほど、なかなか得点を奪えないのもサッカーだ。チュニジアが完全に引いて守っていたとあって、スペインサイドに嫌な予感が漂い始めた。
そんな試合の流れを変えたのが後半開始から出場したファブレガスだ。恐るべき19歳は、ワールドカップという大舞台でも堂々たるプレーでやってのけた。チャヴィより攻撃的に前に出たファブレガスは、出場するやいなやピッチ上の支配者となった。逆転ゴールとなったフェルナンド・トーレスへのアシストはもちろん、それ以外でも見事なパスを連発した。この試合のマン・オブ・ザ・マッチにはチャビ・アロンソが選ばれたが、私は文句なしにファブレガスを選出したい。ファブレガスの存在なしにスペインの勝利はなかったと言っていいだろう。
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近年にはない充実振りで、早くも決勝トーナメント進出を決めたスペインだが、その好調を支えているのがゲームを支配する絶対的なパスワークだ。現状で、そのスムーズさはブラジルをも上回るだろう。
今後戦いを進めていく上で、さらに武器となりそうなのが、ズラリと並んだ豪華な控え組みだ。本日出場しなかった選手でも、アルベルダやレジェス、そしてイニエスタまでもがベンチを温めている。ワールドカップの舞台では、主力選手の故障や累積警告による出場停止などの理由により窮地に追い込まれるチームもあるが、スペインに関してはその例に当てはまらない。同じレベルのチームをもう1つ作れそうなそんな充実のメンバーたちは、アラゴネスの強い後ろ盾となるはずだ。
長年「ベスト8の壁」に悩まされ続けてきたスペインは、今回こそそれを崩壊させるビッグチャンスである。確かにまだ強豪国との対戦はない。グループリーグの組み合わせに恵まれた感もある。真価が問われるのはこれからだが、短期決戦に必要な勢いをスペインは手に入れた。無敵艦隊の航海に吹く風は、現在のところ追い風となっている。
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文:佐藤芳記(WORLD SOCCER GRAPHIC取材班) |
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LINE UP |
1 カシージャス 6.0
3 ペルニア 6.0
5 プジョル 6.0
8 チャヴィ 6.0
9 フェルナンド・トーレス 7.0
11 ルイス・ガルシア 6.0
(7 ラウール/HT 6.5)
14 チャビ・アロンソ 6.5
15 セルヒオ・ラモス 6.0
16 マルコス・セナ 5.5
(18 ファブレガス/HT 7.5)
21 ヴィージャ 6.0
(17 ホアキン/57分 6.0)
22 パブロ 6.0
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5.0 ブムニジェル 1
5.5 ハグイ 3
6.0 ジャジリ 5
6.0 トラベルシ 6
5.5 ナフティ 8
6.0 ムナリ 12
5.5 ブアジジ 13
(5.5 57分/ヤイア 4)
5.5 シェドリ 14
(NG 80分/ゲマムディア 7)
5.5 ジャイディ 15
5.5 アヤリ 19
(5.0 57分/ゴドバヌ 10)
5.5 ナムシ 20
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ラウール(71) フェルナンド・トーレス(76,90+1) |
得点者 |
(8)ムナリ |
プジョル(30) ファブレガス(89) |
イエローカード |
(32)アヤリ (40)トラベルシ (70)ジャイディ (81)ゲマムディア (85)ジャジリ (90+3)ムナリ |
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レッドカード |
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24(10) |
シュート(枠内) |
4(3) |
9 |
ファウル |
24 |
12 |
CK |
1 |
1 |
オフサイド |
6 |
66% |
ボール支配率 |
34% |
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