● GROUP E 2006/6/17(21:00) フリッツ・ヴァルター・シュタディオン[カイザースラウテルン] |
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 イタリア |
1 |
TOTAL |
1 |
 USA |
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PK |
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1 |
1st |
1 |
0 |
2nd |
0 |
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ex.1st |
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ex.2nd |
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試合の序盤は最高のゲームを予感させた。負ければグループリーグ突破が絶望的となるUSAは、中盤から積極果敢なプレスを仕掛けた。ゲームをコントロールしようとボールを持つピルロやトッティは、何度もUSAの網にかかりペースをつかめない。ボールを奪ったらすぐに攻撃に移るUSAのチャレンジも満点で、私は期待で胸を躍らせた。
さらに先制点がイタリアに転がり込んだことも良かった。ピルロのフリーキックにジラルディーノがダイビングヘッドで応えたものだが、これでUSAの攻撃はさらに勢いづくと予想されたからだ。そして27分にザッカルドのオウンゴールでUSAが同点に追いつくと、スタジアムのボルテージは一気に盛り上がった。
しかし、そんな期待のゲームをデ・ロッシがぶち壊した。中盤で浮き球を競り合った際、マクブライトに肘打ちを喰らわせ一発退場。一気にプランが崩れたイタリアは、ディフェンスを固めようとトッティに代えガッツーゾを起用しなければならない羽目になった。
11人対10人というハンディゲームにしてしまったという事実だけではなく、デ・ロッシの行為はイタリアサッカーを楽しみにしていたサポーターの思いも裏切った。
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今大会の一つの注目点であるイタリアの攻撃サッカー。初戦ではガーナに押されるシーンも目立ったとはいえ、イタリアらしからぬ初戦からの完勝で、周囲を驚かせた。ピルロも「32カ国中でイタリアが一番いいサッカーをしている」と自信を見せたほどだ。
だからこそ、USAという好チーム相手のイタリアは見物だったのだ。勝敗はひとまず置いておくとして、伝統国が変わろうとしているそんな重要な試合を、一人の若者のとんでもない行為で台無しになった。
この試合では、デ・ロッシに続き、USAも2人の退場者を出した。それはマストロエーニとポープだが、もちろん彼らの行為も褒められたものではない。しかし、この流れを作ってしまったのは他でもないデ・ロッシである。ワールドカップという全世界が注目する夢の舞台で、やってはならない危険なプレーをしたことを、FIFAは重く受け止めるべきだ。1試合の出場停止では軽すぎる。FIFAの然るべき態度を期待したいものだ。
いずれにせよ、イタリアとUSAが引き分け、ガーナがチェコに勝利したことで、グループEは大混戦となった。ここまで波乱がないと言われた今大会で、最終戦のイタリア対チェコは大一番となる。サッカーファンの一人として心踊らずにはいられない。文字通りビッグマッチとなるこの試合では、クリーンなゲームになることをひとえに希望する。
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文:佐藤芳記(WORLD SOCCER GRAPHIC取材班) |
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LINE UP |
1 ブッフォン 6.0
2 ザッカルド 4.5
(7 デル・ピエロ/54分 5.5)
4 デ・ロッシ 4.0
5 カンナヴァロ 5.5
9 トニ 5.0
(15 イアキンタ/61分 5.5)
10 トッティ 5.5
(8 ガッツーゾ/35分 6.0)
11 ジラルディーノ 6.5
13 ネスタ 6.0
19 ザムブロッタ 6.0
20 ペロッタ 6.0
21 ピルロ 6.0
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6.0 ケラー 18
6.0 ボカネグラ 3
4.0 マストロエーニ 4
6.0 チェルンドロ 6
6.0 デンプシー 8
(5.5 62分/ビーズリー 17)
6.0 レイナ 10
6.5 コンヴェイ 15
(5.5 52分/コンラッド 13)
5.5 マクブライド 20
5.5 ドノヴァン 21
6.0 オニェウ 22
4.0 ポープ 23
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ジラルディーノ(22) |
得点者 |
(27)O.G. |
トッティ(5) ザムブロッタ(70) |
イエローカード |
(21,47)ポープ |
デ・ロッシ(28) |
レッドカード |
(45)マストロエーニ (47)ポープ |
10(3) |
シュート(枠内) |
8(0) |
13 |
ファウル |
24 |
7 |
CK |
3 |
11 |
オフサイド |
1 |
54% |
ボール支配率 |
46% |
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