● GROUP B 2006/6/15(18:00) フランケンシュタディオン[ニュルンベルグ] |
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 イングランド |
2 |
TOTAL |
0 |
 トリニダード・トバゴ |
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PK |
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0 |
1st |
0 |
2 |
2nd |
0 |
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ex.1st |
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ex.2nd |
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前半が終了すると、イングランドサポーターからのブーイングがスタジアムに響き渡る。どうしても点が奪えないイングランドは58分、ルーニーを出場させ、同時にレノンを右サイドで起用。ベッカムをサイドバックにポジションチェンジさせ、攻撃サッカーに打って出た。しかしそれは、手詰まりを思わせる戦術だった。
イングランドが決勝トーナメント進出を決めたこの試合で、エリクソンはルーニー起用を決断。故障明けのエースに頼らなければならないほど、イングランドにとってはまさに辛勝と呼ぶに相応しい展開となった。
トリニダード・トバゴの布陣は4−4−2だが、中盤左サイドのテオバルドがほとんどの時間帯でベッカムに対しマンマークについたことで、ディフェンスラインは5バックに変化した。さらにボランチのウィットリーも下がり目でプレーし、トリニダード・トバゴは非常に守備的となった。
こうなると、イングランドは非常に弱い。如何せん、引いた相手を崩す攻撃のバリエーションは決定的に欠ける。結果としては、クラウチのヘッドとジェラードのミドルで勝利したが、打開策の乏しさを露呈した格好だ。
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今日の試合を見れば、是が非でもルーニーを招集したエリクソンの心の内が改めて感じ取れる。攻撃を組み立てるという点ではジェラードもランパードももうひとつ役不足。唯一、左サイドのジョー・コールがアクセントを付けることができるが、今日のようにキレがなければ、残る頼みの綱はルーニーしかいない。トリニダード・トバゴ相手に引き分けでは今後のプランに影響するエリクソンは、だからこそルーニー起用を決断したのだ。それ以外に、現在のイングランドに考えられる打開策はなかったと言っていい。
いずれにせよ、苦しんだイングランドだが、これで連勝を飾りグループリーグ突破を決めた。伝統の布陣とスタイルの継承。これがイングランドだと思えばいいのだろうが、この進化を知らない戦術こそ、サッカーの母国が40年もの間、世界の頂点に立てていない原因ではないかとも思う。初戦から募るイングランドに対する不安は解消されていない。次の第3戦はスウェーデンという“本物”と対戦する。果たして、イングランドは私の不安を払拭してくれるのか。それを確かめに、私は再びイングランド戦に足を運ぶ。
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文:佐藤芳記(WORLD SOCCER GRAPHIC取材班) |
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LINE UP |
1 ロビンソン 6.0
3 アシュリー・コール 5.5
4 ジェラード 6.5
5 ファーディナンド 6.0
6 テリー 6.5
7 ベッカム 6.5
8 ランパード 5.5
10 オーウェン 5.5
(9 ルーニー/58分 5.5)
11 ジョー・コール 6.0
(20 ダウニング/75分 5.5)
15 キャラガー 5.5
(19 レノン/58分 6.5)
21 クラウチ 6.0
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5.5 ヒスロップ 1
5.5 サンチョ 5
6.0 ローレンス 6
5.5 ビルチャール 7
5.5 グレイ 8
5.5 ウィットリー 9
6.0 エドワーズ 11
5.5 スターン・ジョン 14
5.5 ジョーンズ 15
(6.5 70分/グレン 13)
5.5 テオバルド 18
(NG 85分/ワイズ 16)
6.0 ヨーク 19
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クラウチ(83) ジェラード(90+1) |
得点者 |
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ランパード(64) |
イエローカード |
(18)テオバルド (19)ウィットリー (45+1)ジョーンズ (47)ヒスロップ (56)グレイ |
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レッドカード |
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23(8) |
シュート(枠内) |
7(3) |
15 |
ファウル |
19 |
7 |
CK |
3 |
2 |
オフサイド |
2 |
62% |
ボール支配率 |
38% |
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