● GROUP F 2006/6/13(21:00) オリンピア・シュタディオン[ベルリン] |
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 ブラジル |
1 |
TOTAL |
0 |
 クロアチア |
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PK |
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1 |
1st |
0 |
0 |
2nd |
0 |
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ex.1st |
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ex.2nd |
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マジック・カルテットを前にして、クロアチアは思いっきり引いた。ボールを奪っても、すぐには攻撃に移らない。ブラジルを恐れているのは明らかで、引き分け狙いのゲームプランは、開始10分ではっきりとした。そして前半の45分間で、そういった戦略はブラジル相手にはタブーであることも明確になった。
攻撃を放棄することでブラジルに自由にボールを持たせては、守備は必ず崩壊する。世界広しといえども、今日のクロアチアのような戦術でブラジルに勝利できる国は存在しないといっていいだろう。
44分のカカーの得点シーンを思い出してもらいたい。右サイドでボールを受けたカフーは、しばらくの間中央でフリーで待つカカーの存在に気づかない。ほんの数秒ボールを持った後、ようやく手を上げるカカーにパスを送る。この遅れでディフェンスに詰められたカカーだが、背後から迫るクラニツァールより先に左足でコントロールショット。高い技術を証明するシュートは、この試合唯一の得点シーンとなった。
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ここで私が言いたいのは、この得点に代表されるようにブラジルの攻撃が恐ろしいまでに遅攻だったということだ。もちろんそれは、ほとんどの時間帯でクロアチアの7人が引いて守るというリスクをかけない戦術を採ったからなのだが、しかしブラジルは守備陣形が整っているクロアチア相手からも見事に得点した。がむしゃらに前線からプレスを仕掛けたり、早い攻めで相手をかく乱させたのでもない。しかし、ブラジルが行った遅攻からの得点は、圧倒的な力の差がなければできない業で、そこにブラジルの強さが隠れていることを忘れてはいけない。
おそらく、クロアチアは日本より数段守備能力が高い。そんなクロアチアが、攻撃を捨て守備を固めたにもかかわらず失点したという事実を、我々は重く受け止めるべきだ。現代サッカーの真逆を行くブラジルの遅攻。攻撃は最大の防御ではないが、やはり王者相手には攻めなければ勝機は見出せないであろう。
想像はしていたが、ブラジルは相当に強い。今日の試合を「つまらない」と述べたブラジル人記者がいたが、私はそうは思わない。確かに史上最強軍団に相応しいプレー振りではなかったが、それでも十分脅威に感じられた。ブラジルにとってはただの一勝も、世界にとってはとてつもなく意味のある試合だった気がする。
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文:佐藤芳記(WORLD SOCCER GRAPHIC取材班) |
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LINE UP |
1 ジーダ 6.5
2 カフー 5.5
3 ルッシオ 6.0
4 ファン 6.0
5 エメルソン 6.5
6 ロベルト・カルロス 5.5
7 アドリアーノ 5.0
8 カカー 6.5
9 ロナウド 4.5
(23 ロビーニョ/69分 5.5)
10 ロナウジーニョ 6.0
11 ゼ・ロベルト 6.0
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5.5 プレティコサ 1
6.0 スルナ 2
6.0 シムニッチ 3
6.0 ロベルト・コヴァッチ 4
5.5 トゥドール 5
5.5 シミッチ 7
5.5 バビッチ 8
6.0 プルソ 9
5.5 ニコ・コヴァッチ 10
(5.5 41分/イェルコ・レコ 16)
5.0 クラスニッチ 17
(5.0 56分/オリッチ 18)
5.5 クラニツァール 19
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カカー(44) |
得点者 |
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エメルソン(42) |
イエローカード |
(32)ニコ・コヴァッチ (67)ロベルト・コヴァッチ (90)トゥドール |
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レッドカード |
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13(6) |
シュート(枠内) |
9(3) |
20 |
ファウル |
20 |
5 |
CK |
7 |
3 |
オフサイド |
4 |
50% |
ボール支配率 |
50% |
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