● GROUP F 2006/6/12(15:00) フリッツ・ヴァルター・シュタディオン[カイザースラウテルン] |
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 オーストラリア |
3 |
TOTAL |
1 |
 日本 |
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PK |
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0 |
1st |
1 |
3 |
2nd |
0 |
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ex.1st |
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ex.2nd |
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オーストラリアの選手が軒並み疲れていくのをはっきりと感じ取ることができた。記者席にも聞こえてきそうなそんな息使いは、日本のベンチにも届いていたはずだ。ラッキーなゴールで先制点を挙げ、このままいけばシナリオ通りの勝ち点3を奪える試合展開を、しかしジーコは自らの采配ミスで手放した。
世界を相手にどうしても守りきれない現状は、ワールドカップの舞台でも例外ではなかった。日本の選手も認めたように、疲れもピークに達した残り10分間でチームは一気に崩壊した。その10分間の出来事が、そのままジーコの監督としての力のなさを証明していた。
雲ひとつない空から思いっきり太陽の光を浴びたことで、両チームの選手は瞬く間に体力を消耗していったが、その疲労度は圧倒的にオーストラリアの方が高かったはずだ。追いかける立場ほど、体力を使うものはない。さらに中村は「ヒディンクの選手交代にも対応できていると感じてプレーしていた」と試合後にコメントした。精神的にも体力的にも優位に立った日本。そんな有利な状況だったにもかかわらず、ジーコは自らの判断でチームを混乱に追いやったのだ。
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オーストラリアの選手の足が止まり、攻撃に迫力がなった79分。ジーコは選手交代を決断する。退く選手は柳沢。つまり、フォワードを一枚減らすことで、選手たちに守る意識を明確化させたのである。その気持ちは理解できる。残り時間を考えると教科書通りの判断だ。しかし、出場させた選手の選択がいただけない。ピッチに足を踏み入れたのは小野。この状況で最も相応しくない人選といっていい交代劇は、あっさりと勝ち点3を手放す原因となった。
1点をリードし、残り10分に差し掛かったこと。そして、オーストラリアの疲労度がピークに達していたことを考えると、そこで必要だったのはスタミナがあり、かつ守備能力の高い選手だったはずだ。小野の能力を軽んじているわけではない。ただ、このときのファーストチョイスに、体力や守備ではなく技術を売りにする小野ほどミスマッチな選手はいないと感じるのだ。
また、多くの選手が口を揃えたように、小野の存在とそれに伴うポジション変更が生み出したものは、混乱以外の何物でもなかった。つまり、攻撃と守備のバランスが取れなくなっていったのである。
人選と戦術の選択ミス。3失点は悪夢のように思われるかもしれないが、しかしそれは指揮官自らが招いたものだったのだ。それも、悲しいかな、運命のワールドカップ初戦で。
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文:佐藤芳記(WORLD SOCCER GRAPHIC取材班) |
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LINE UP |
1 シュウォーツァー 5.5
2 ニール 6.0
3 ムーア 5.5
(19 ケネディ/61分 5.5)
5 クリナ 6.0
7 エマートン 6.0
9 ヴィドゥーカ 5.5
10 キューウェル 5.5
13 グレッラ 6.0
14 チッパーフィールド 5.5
20 ウィルクシャー 5.5
(15 アロイージ/75分 6.5)
23 ブレッシァーノ 6.0
(4 ケーヒル/53分 6.5)
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5.0 川口 23
4.5 駒野 3
4.5 宮本 5
5.5 中田英 7
4.5 高原 9
5.5 中村 10
4.5 柳沢 13
(NG 79分/小野 18)
5.5 三都主 14
5.5 福西 15
4.5 坪井 19
(4.5 56分/茂庭 2)
(NG 91分/大黒 16)
5.0 中澤 22
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ケーヒル(84,89) アロイージ(90+2) |
得点者 |
(26)中村 |
グレッラ(33) ムーア(58) ケーヒル(69) アロイージ(78) |
イエローカード |
(31)宮本 (40)高原 (68)茂庭 |
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レッドカード |
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20(12) |
シュート(枠内) |
6(2) |
22 |
ファウル |
11 |
5 |
CK |
3 |
5 |
オフサイド |
3 |
52% |
ボール支配率 |
48% |
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