● GROUP B 2006/6/10(15:00) フランクフルト・ワールドカップスタジアム[フランクフルト] |
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 イングランド |
1 |
TOTAL |
0 |
 パラグァイ |
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PK |
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1 |
1st |
0 |
0 |
2nd |
0 |
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ex.1st |
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ex.2nd |
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後半に入ると一転、イングランドの足が止まった。ネームバリューではパラグァイを圧倒するイングランド自慢の中盤は、試合が進むにつれパラグァイの支配下に置かれた。この日も伝統の4−4−2を採用し、綺麗に並んだラインディフェンスは、ズルズルと後退し始めた。
ベッカムのFKからガマラのオウンゴールで幸先良く先制したイングランドだが、見せ場はこの前半4分の出来事だけだった。GKヴィジャールが負傷によりわずか8分で交代、そんなアクシデントに見舞われたパラグァイが浮き足立った前半こそ試合を優位に進められたが、15時キックオフとあって日差しの強いピッチの上は、イングランドの選手たちから完全に体力を奪ったのだ。それが、後半は完全にパラグァイペースとなった理由に起因する。
こうなるとイングランドは非常に辛い。クラウチ&オーウェンのツートップは、決して前線から積極的にプレッシャーを掛けることのできる選手ではないので、中盤はほぼ無法状態と化す。だからエリクソンはオーウェンに代えてダウニングを起用し、ジョー・コールをトップ下にポジション変更したのである。それは、82分のハーグリーヴスの投入も然りだ。この2つの交代がなかったならば、イングランドはさらに窮地に追い込まれたに違いない。
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そんな中、攻守に渡って活躍した左サイドのジョー・コールが本日のMVPである。攻撃では、スピードあるサイドアタックが皆無といっていい右サイドとは違い、得意のドリブル突破でチャンスを構築した。守備においては前述の通り。トップ下にポジション変更したが、それは名ばかりで、目的は前線からのプレス。ほとんどのチームメイトの足が止まる中、献身的なプレーでチームを勝利に導いた。
初戦を白星で飾ったイングランドは、これでグループリーグ突破に大きく近づいた。次のトリニダード・トバゴは問題ない。グループリーグで残る強敵はスウェーデンだけである。
しかし、多くのスター選手を揃え、イングランド史上最強とも言われる現代表も、今日の試合ではその雰囲気は感じられなかった。次の試合が18時キックオフというのがせめてもの救いか。試合後、勝利に酔うイングランドサポーターの歓喜を耳にしながら、しかし私はサッカーの母国の行く末が不安で仕方がなかった。
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文:佐藤芳記(WORLD SOCCER GRAPHIC取材班) |
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LINE UP |
1 ロビンソン 6.0
2 ネヴィル 5.5
3 アシュリー・コール 5.0
4 ジェラード 6.0
5 ファーディナンド 6.0
6 テリー 6.0
7 ベッカム 6.0
8 ランパード 6.0
10 オーウェン 5.0
(20 ダウニング/56分 6.0)
11 ジョー・コール 6.0
(16 ハーグリーヴス/83分 NG)
21 クラウチ 5.5
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NG ヴィジャール 1
(5.5 8分/ボバディージャ 22)
5.5 トレド 3
(NG 82分/ヌニェス 2)
5.0 ガマラ 4
6.0 カセレス 5
6.0 ボネット 6
(6.0 68分/クエヴァス 23)
5.0 サンタクルス 9
6.0 アクーニャ 10
6.0 パレーデス 13
5.5 リヴェロス 16
6.0 ヴァルデス 18
5.5 カニサ 21
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O.G.(3) |
得点者 |
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ジェラード(19) クラウチ(63)
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イエローカード |
(22)ヴァルデス |
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レッドカード |
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13(5) |
シュート(枠内) |
7(2) |
13 |
ファウル |
13 |
6 |
CK |
1 |
4 |
オフサイド |
3 |
53% |
ボール支配率 |
47% |
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