● GROUP A 2006/6/9(18:00) ミュンヘン・ワールドカップスタジアム[ミュンヘン] |
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 ドイツ |
4 |
TOTAL |
2 |
 コスタリカ |
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PK |
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2 |
1st |
1 |
2 |
2nd |
1 |
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ex.1st |
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ex.2nd |
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キックオフ直前を迎えると、スタジアムの隙間から覗く上空には雲ひとつなくなった。ホスト国の重責を担う選ばれし偉大な勇者たちに鋭気を与えようと、遮る物がなくなった天からは十分な光が供給される。スタジアムを360度取り囲んだ地響きにも似た声援を背に、ドイツ代表の選手たちは開幕戦のピッチに足を踏み入れた。
皇帝不在とあって、クリンスマン監督は中盤の組み立てに不安があったに違いない。バラックの代わりにはボロウスキを起用しフリングスとダブルボランチを形成。コスタリカの3−5−2に対し、4−4−2の布陣を採用したが、ボールをしっかりと持つことができるのがフリングス一人では、当然ながら厳しいと言わざるを得ない状況だった。
それでもドイツが63%のボールキープ率で4−2と勝利できたのは、カウンター狙いに終始したコスタリカの戦術に助けられた部分が大きい。絶えず引き気味に陣取ったコスタリカが空けた中盤のスペースは、そのままドイツにとって願ってもないアドバンテージとなったのだ。
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そしてこの試合で光ったのは左サイドバックのラームだった。記念すべき開幕ゴールと3点目のきっかけとなったクローゼへのクロスに代表されるように、積極果敢な姿勢で、左サイドを完全に支配した。特に圧巻だったのは先制点となったミドル。右足から放たれたシュートは見事な弧を描きゴールぎりぎりに吸い込まれたが、このゴールがホスト国としてのプレッシャーが伸し掛かる選手たちの気持ちを楽にしたことを考えると、価値は計り知れないほど高い。FIFAが選んだこの試合のMVPは2得点を挙げたクローゼだったが、私なら文句なしにラームを選出する。
開幕戦で勝利するというホスト国としての責任を果たしたドイツだが、2失点はいただけない。それは失点を喫したからという単純な理由ではない。問題は取られ方。2点ともワンチョペにディフェンスラインの裏を突かれたが、結局その裏への対処は試合終了までなされることがなかった。コスタリカレベルでこれでは、見通しは暗いと考えた方がいい。メルテサッカー&メッツェルダーの両センターバックの不安――。これこそ、ドイツが開幕戦で全世界に露呈してしまった弱点だ。
今後、ドイツが世界の頂点へ進むために、ディフェンスラインの修正が必須となってくるだろう。それには中盤のサポートも欠かせない。次戦はバラックが戻ってくる。果たして、中盤とディフェンスの構成はどのようになるのか。クリンスマン監督に、早くも大きな命題が課せられた。
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文:佐藤芳記(WORLD SOCCER GRAPHIC取材班) |
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LINE UP |
1 レーマン 5.5
3 フリードリッヒ 5.0
7 シュヴァインスタイガー 6.5
8 フリングス 6.5
11 クローゼ 7.0
(10 ノイヴィル/79分 NG)
16 ラーム 7.0
17 メルテサッカー 5.5
18 ボロウスキ 6.0
(5 ケール/72分 5.5)
19 シュナイダー 6.5
(22 オドンコル/91分 NG)
20 ポドルスキ 6.0
21 メッツェルダー 5.5
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5.0 ポラス 18
5.5 マリン 3
5.0 ウマニャ 4
5.5 マルティネス 5
(5.5 66分/ドルモンド 2)
6.0 フォンセカ 6
6.0 ソリス 8
(NG 78分/ボラーニョス 7)
7.0 ワンチョペ 9
6.5 センテーノ 10
6.0 ゴメス 11
(NG 91分/アソフェイファ 14)
5.5 ゴンサレス 12
5.0 セケイラ 20
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ラーム(6) クローゼ(17,61) フリングス(87) |
得点者 |
(12,73)ワンチョペ |
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イエローカード |
(30)フォンセカ |
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レッドカード |
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21(10) |
シュート(枠内) |
4(2) |
11 |
ファウル |
15 |
7 |
CK |
3 |
3 |
オフサイド |
3 |
63% |
ボール支配率 |
37% |
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