翌日、トバ湖へ向かいました。 バスと思っていたらドライバーを入れて9人乗りのハコバンでした。 ツーリストばかりのこの車を見ると、おっちゃんが手を振り、おばちゃんが投げキッスをしています。 手を振る少年もいました。 5時間でパァ 3000ルピア(約45円)のチケットを買って船に乗り込むと、ホテルの客引きの攻撃が次々と襲ってきました。 「コンニチワ!ナガブチ、カンパイ!」と片言の日本語で話してきます。 湖の景色は最高で、ゆっくり外を眺めたいのですが、 次々と別の青年が来てホテルのセールスをしていきます。 よく見ると、攻撃に遭っているのは僕とアユミさんの2人の日本人で、 ほかの欧米人は優雅に外の景色を見ています。慕われているのか、なめられているのか…。 その中から、「8000ルピア(約120円)で、サンセットとサンライズが見えて、宿の前で泳げて、 トイレとシャワーが付いている」というフレディという男に付いて行くことにしました。 アユミさんは、荷物をみていてくれた少年の所へいってみると言って別れました。 船を降り、「歩いて5分」が20分ほど歩いて着いた宿は、レストランに座敷があって、 高台でなかなかいい景色です。 部屋も、古いながらも清潔で、前にテラスがあって、イスを出して景色を見ながらくつろげます。 それにしてものんびりしたいい島です。 散歩すると、普通のおばちゃんが「マッシュルームは?ハッパは?」と声をかけてきます。 「マジックマッシュルーム」とそのままストレートに書いた建物まであります。 そんな島で、泳いだり、散歩したり、本を読んだり、ボーッとしたりして過ごしました。 そんなのんびりした所で、ペナンで買った「ノルウェイの森(村上春樹)」なんか読んだ日には、 なんか心の内へ内へと入っていき、センチメンタルな気分になります。 居心地のいい島だったのですが、ガイドのフレディが時々来て、バイクで観光しないかとか、 女を買いに行かないかとか、ちょっとうっとおしくなってきました。 この島では、連れてきた客にガイド(担当)として付くようで、 宿の青年に次に行くブキティンギのバスのチケットの買い方を聞いても、 「フレディに聞いてくれ。彼が君のガイドだ」というばかり。 「俺は自分で手配したいんだ」と言うと、申し分けなさそうに。 「これがここのシステムなんだ」と言いました。 ノルウェイの森を読み終わり、なんか「次へ行こうかな」という気がしたので、3泊して島を出てきました。 チェックアウトする際も結局フレディに見つかり、いっしょにパラッパへ渡り、 彼の案内する所でチケットを買い、いっしょに昼食を食べました。 バスターミナルへ出発するとき、その時間を知っているはずのフレディは姿を見せませんでした。 バスは15時に出発し、翌朝の6時にブキティンギに着きました。 バスの中はACがめちゃめちゃ寒く、日本を出るときに送別でもらったウィンドブレーカーを着て、 毛布をかけてもまだ寒いくらいでした。インドネシア人もみんな寒がっているのに、 ACを切ることもありませんでした。 着いた時間が早かったので、同じバスだったスイス人カップルとコーヒーを飲みながら、 身体を暖めました。しばらくして、乗合ワゴンに乗り市内へ向かいました。降り際になって、 スイス人の女性が「何をしている!」と怒っています。 横に座っている少年が、彼女のヒザ横に着いたポケットに手を入れて探っていたようです。 さっき、2〜3言話しをした彼でした。 怒って、「2度とするんじゃない」と言ってワゴンを降りました。 みんなフレンドリーなインドネシアですが、気を許せない、なかなかデンジャラスな国のようです。 |
マジックマッシュルームなんて書いてある建物は結構健康的な建物だったりして…。 うえぽん氏がバリでどう過ごすのか、興味あり。です。 |
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