■山谷モバイル講座

第1回:「現地人の意識、モバイルの浸透」

山谷リブレット

「これはいったい何だ?」

「これはね…」

電源をオン。おおっ!と驚愕。

僕は現地のひととの最初のとっかかりとして今日撮ったばかりの写真を見せる。 そして彼らは道行く人を留め「ほらほら」とみせる。

子供のような好奇心に満ち溢れた目でそれをみては触る。 男性にはきれいな女性の写真の画像でもみせると無邪気に喜んでくれる。

僕がみせたものはデジカメであったり、PCだったりします。2、3年前、 僕が行った例えばカザフスタンであれ、トルコであれ、ニカラグアであれ、ボリビアであれ、 現地人とお友達になるための術のひとつでした。

ちなみに途上国でないところはPCというものを結構な人が知っているらしく、「日本語は沢山文字があるらしいが、 このキーボードでどうやってそんな多くの日本語を入力するのか」がよく聞かれた質問でした。

今年の初めに行った東南アジアへも僕はバックパックの中に旧型の(現行のよりもっと小さかったころの)PC「Libretto」と動画機能が優れたデジタルカメラを持って行きました。 無意識に彼らに対して2年前と同じアピールを行うと反応が違ってました。

ベトナムの市場で赤子を抱いたおばちゃんを撮ると、その反応は「今の見せて」。 カンボジアでパソコンを見せると、「やらしい絵や動画をもってたらメールでくれ」。 中国の雲南省の田舎でLibrettoを触らせると、癖のあるマウス操作を難なく自分のものにする子供。 どれも逆に驚かされました。

Hotmail、インターネットカフェの普及で観光地ではこの現地人に対して“見せる楽しさ”がなくなってしまいました。

それに加えて現地のインターネットのインフラも明らかに向上しました。 インターネット技術が途上国でも遠い技術ではなくなったことにより、 通信芸人にとって通信する行為自体が楽になったと感じております。

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