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THE BAWDIES

リトル・リチャードやレイ・チャールズらに代表されるようなリズム&ブルース、ソウルをルーツにしたサウンドと全編英詩によるパワフルなボーカル、圧倒的なライブ・パフォーマンスが唯一無二のロックンロール・バンド、THE BAWDIES。昨年11月27日には、念願だった日本武道館を360度使用し12898人のオーディエンスを大いに沸かせ、感動の夜を届けてくれた。そして、2月8日(水)にはドラマ『ハングリー!』の主題歌としてオンエアされている『ROCK ME BABY』を、2012年第1弾シングルとしてリリース。3月末には、ザ・ソニックスを迎えたツアーも控える中、6月には今年唯一のワンマンツアーも発表された。今年の活動からも目が離せないTHE BAWDIESの4人に話を聞いた。

――3月14日(水)には、DVDとしてリリースもされますが、感動の武道館公演から、2ヵ月が経ちました。あの武道館公演の思い出の中で、今瞬間的に思い浮かぶ映像は何ですか?

ROY「俺はステージに立った瞬間ですね。ライブだから、いつもだったら徐々に上がっていくじゃないですか? でもあの日はそうじゃなくて、最初から『ワッー!』っていう状態だった。俺らはまだ何もしていない状態で、会場の空気ができあがっていた。ステージに立つのは、大きなプールにポンと飛び込むような気持ちでした。その瞬間の温かさは凄かったですね」

JIM「俺は逆で最後の曲の瞬間かな。最後の曲のイントロの弾き出しが、たまたま俺だったっていうのもあるんですけど。やらなかったら始まらないってことだから、そう考えると弾き始めた音も含めて鮮明に覚えていますね。言葉で表すのは難しいけど、寂しいとも違う変な気持ちでした」

TAXMAN「僕も最初ですね。舞台袖で待機していて、暗転してSEが流れた瞬間に会場が『ワーッ!』ってなって。ミラーボールが回ったところに僕らが入った瞬間の気持ちというか、そこは鮮明に覚えていて印象的です」

MARCY「パッとって思うと、袖で円陣組んだときですかね。(ROYとJIMを見ながら)すでに泣いている方がふたりいたので、その状態を見てそういう状態でライブに出るっていうのは初めてだったし、歓声だったり会場の雰囲気を最初に感じた瞬間だったので。そこは凄く覚えていますね」

ROY

――ライブが始まる前から、場内の盛り上がりがハンパなかったですからね。今、気持ち的には武道館から『もう2ヵ月』ですか『まだ2ヵ月』ですか?

ROY「『もう』ですね」

JIM「俺も『もう』」

TAXMAN「俺も『もう』だね」

MARCY「俺は『まだ』です。武道館終わってから、1日1日が濃くて。正直に言うと、『武道館をやった!』っていう余韻があんまりなくて、次のレコーディングのこととかもあったし、その余韻に浸っている時間っていうことがあんまりなかったですから」

ROY「それ、『もう』じゃないの?(笑)」

――MARCYさんのお話を聞いていると確かに『もう』と感じますが(笑)。『もう』と感じている3人はどうですか?

ROY「MARCYと同じ理由です。だから『もう』ですね(笑)。次の日から動いていたので、余韻に浸ることもなかなかなくて。でも武道館はゴールじゃないですし、それでいいと思っていて。そこから次にすぐスタートするべきだと思っていたので。よくよく考えると2ヵ月が経っていた、今はまだ振り返ってない感じですね」

JIM「やることがあって良かったよね。武道館の後、1ヵ月くらいゆっくりできる時間があったら、また全然違う思いになっていたかもしれないし。そう考えると、レコーディングに入れて良かったなって気持ちはありますね」

MARCY「今、何で自分の中で『まだ』なのか考えていたんですけど、武道館が終わってレコーディングとかいろいろやっていたのに『まだ2ヵ月か』って」

――武道館公演が終わっても、休む間なく動かれていて充実の日々を過ごされていたんですね。ライブ前からおっしゃっていましたが、武道館は通過点でもなくゴールでもないと。武道館公演は、THE BAWDIESにとっての2ndステージ、2ndシーズンのスタート地点というイメージでしょうか?

ROY 「そうですね…う〜ん、そうなりますね。自分たちが、ロックンロールをすごく大好きで、ロックンロールの楽しさをみんなと一緒に共有できればいいなという気持ちで今までやってきたので、武道館に立てたってことはすごく大きなことで。バンドを組む直前くらいに思っていたことなんですけど、ビートルズが武道館でやったことで日本のロックンロールの歴史がその場所から始まった。そこに立った瞬間から自分たちがロックンロール・バンドとしてひとつ認められる、そしてロックンロールの継承者としてスタートできる何かあるんじゃないかと思っていたので」

――以前から、THE BAWDIESのみなさんは武道館に特別な思いを持っていらした。

ROY「でも、まさか自分たちが立てるなんて思っていなかったんで。ただ、ロックンロールをみんなで楽しもうぜっていうだけではなくて、ロックンロールをしっかり日本に根付かせてしっかり次の世代に受け継いでいこうっていう継承者としての責任感を持って、またスタートしなければいけないと強く思いました。ここから何か始まる気持ちはありますね。いろんなものに挑戦していかなければならないし、いろんなものと戦わなければいけないし」

TAXMAN

――新たな挑戦のひとつが、ドラマの主題歌ということですね。

ROY「そうですね。俺らの夢でありやるべきことは、ロックンロールを感じたことのない世代にもロックンロールを感じてもらって、日本のポピュラーミュージックの中にロックンロールを加えることだと思っているので。日本で、ロックンロールがポピュラーミュージックになった場合に、ようやく次の世代に伝わっていくと思うんです。それが残念ながら、今の日本では出来ていない。ビートルズがやったことは、まさしくそうで、リズム&ブルース、ブラックミュージックを世界中の誰しもが喜んで楽しめるポピュラーミュージックとして消化して世に送り出した。それを日本でやるべきなのは俺たちじゃないかと思っているんです」

――そういう意味では、今回はチャンスですね。

ROY「ドラマの主題歌っていうのは、聴こうとしていない人の耳にも届くわけですから、その人たちにも反応してもらうような楽曲を作らなければいけない。でも、ロックンロールを感じたことのない人も楽しめるものを作る=ポップにすればいいわけではないと思うんですね。ロックンロールをずっと愛してきた人たちからも、“これはロックンロールだ!”って言ってもらえるもの、両面をしっかりと持った作品を作らなければいけない。そういう意味では、ルーツ面は今まで以上により強いものにしつつ、そして誰しもが楽しめるポップ性も持ったものを意識しましたね」

――主題歌の依頼をいただいたときは、どんな気持ちでしたか?

ROY「びっくりしましたね。俺らみたいなライブバンドが、ドラマの主題歌を手掛けているというケースを俺はあまり知らないので、まさか自分たちがって。嬉しかったですけど、驚きのほうが強かったので、どういう気持ちで俺らを選んでくれたのか?ちゃんとお話を聞きたいなって思って。それで、制作の人たちにお会いしたら、ロックンロールを愛していてTHE BAWDIESのことも大好きだと言ってくれて。一番心配したのは、ドラマに合わせてこういう曲を作ってほしいということを依頼された場合に、俺らはそういうことをやったことがなかったし、それが自分たちの思った方向ではない場合はどうしたらいいんだろうと。話を聞いたら全くそういう心配はなくて、THE BAWDIESが感じているロックンロールをストレートに作ってほしいと言ってくださって。だったらいろんなことを考えるんではなくて、自分たちが今作りたいストレートなロックンロール、そしてみんなに届けたいものを作ればいいなと思ったので、引き受けさせていただきました」

――ドラマはすでにオンエアされていますが、ご覧になりました?

ROY「見てますよ。やっぱり嬉しいですよね」

JIM「嬉し恥ずかし・・・ですね(笑)。主題歌って、ドラマの中でも盛り上がったときに流れるので、見ていて恥ずかしくなります(笑)」

TAXMAN「嬉しかったですね。一話目は特に、いつ流れるんだろうってドキドキしながら見ていて。回を重ねるごとに慣れてきて、ドラマが好きになって自然に聴けるようになってきました。今は、あのドラマが好きになって続きが気になっています」

Text●千葉明代 Photo●岩佐篤樹

PROFILE

小学校からの同級生であるROY(vo&b)、JIM(g&cho)、MARCY(ds&cho)と高校からの同級生であるTAXMAN(g&cho)で、'04年1月1日に結成。'09年4月メジャー1stアルバム『THIS IS MY STORY』を、翌年4月に2nd『THERE’S NO TURNING BACK』、11年6月に3rdアルバム『LIVE THE LIFE I LOVE』をリリース。昨年11月、念願の日本武道館公演を大成功させる。今年3月29日(木)から、彼らがリスペクトしてやまないザ・ソニックスを迎えて東名阪ツアーを開催。6月からは、今年唯一のワンマン・ツアー「“ROCK ME BABY”TOUR 2012」を展開する。
オフィシャルホームページ


TICKET

「"ROCK ME BABY" TOUR 2012」

6月7(木) 新代田 FEVER
6月9(土) 横浜 BLITZ
6月12(火) 新潟 LOTS
6月14(木) 福井 響のホール
6月15(金) 京都 KBSホール
6月17(日) Zepp Fukuoka
6月19(火) BLUE LIVE 広島
6月21(木) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
6月23(土) Zepp Namba (OSAKA)
6月24(日) Zepp Nagoya
6月26(火) Zepp Tokyo
6月29(金) Zepp Sendai
7月1(日) Zepp Sapporo

公演・チケット情報



RELEASE

SINGLE
『ROCK ME BABY』
2月8日(水)リリース
1200円
GETTING BETTER
VICL-36690
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LIVE DVD
『LIVE AT BUDOKAN 20111127』
3月14日(水)リリース
初回限定盤:5980円
VIZL-464
通常盤:3990円
VIBL-626
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2012.02.07更新

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