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THE BACK HORN

――『シリウス』も、とてつもない熱量が渦巻いてる曲だけど、4人一丸となって鳴らしてる構造は実はすごくシンプルですよね。

菅波 あれなんか、複雑なようでシンプルなようで、っていう感じの曲ですよね。

山田 気持ちがバラバラになってる感じがしないっていうか。だからすごく一体感、シンプルさが出せてるのかなって。

――鎧を着たり武装を足していったりした曲ではないですよね。むしろ武装解除して、徒手空拳で闘いにいく曲というか。

菅波 うん。なんか……いいたとえが浮かばないんだけど。ヤンキーがリーゼント落として向かってくような感じ?……全然違うな(笑)。

山田 あんまたとえよくねえな(笑)。(『ドラゴンボール』の)フリーザみたいな感じ? 2回目の変身でものすごくでっかくなったのに、3回目で最終形態になったら逆にしゅっとして、でもすげえ強え!みたいな。

菅波 つるつるで、無駄が削ぎ落とされた感じな。脱げば脱ぐほど強い!みたいな。でも、『ドラゴンボール』とか、今の若い人とか知ってるかな?

――(笑)。でも、「どんな条件が満たされていればTHE BACK HORNの音になるか」っていう要素が、どんどんシンプルになってきてるっていうことなんでしょうね。「こういうリズムが鳴ってないとTHE BACK HORNじゃない」「こういうギターが鳴ってないと……」っていう思考がどんどん取り払われていって、最後に「強い想い」が残った感じというか。

菅波栄純(g)

菅波栄純(g)

菅波 確かにそうっすね。作ってる時は、4人が「ヤベえ! これやって誰かに聴かしてえ」って思う曲だったらたぶんTHE BACK HORN的だろう、っていうハードルしかなかったね。でも、「4人とも」っていうのがTHE BACK HORNらしい大事なところで。4人ともそう思ったら絶対OKっしょ、説明できねえけど、っていう(笑)。

――だから、音楽的な幅は広がったけど、単に「何でもあり」とは違うんですよね。

菅波 シンプルに想いが籠ってればOKっていう。しかもリミッターを越えてるっていう(笑)。優しい雰囲気の曲であっても、想いのリミッターは越えてるんだっていうね。

――大変な状況の中で作られた作品ではあるんですけど、それすら自分たちの試練として受け入れて闘って、さらに先に進んだアルバムだっていう感じがすごくしますね。

山田 おおー。

菅波 嬉しいっすね。でも、気分的には「楽しい」っていうのも半分あったりして。勝負するのなんて、半分は楽しいですからね。ワクワクしてるというか。4輪駆動の車でケモノ道を走って、テンション上がってくるような感じですよね。「いや、この先に何かあるぞ、光が!」って言いながら夜道を走ってるようなもんで。やっぱ楽しいっすからね、音楽が鳴ってるから……でも、俺らのアルバムで言ったらさ、『パルス』とか『アサイラム』とかのほうが「闘ってる感じ」は強いよな? このアルバムはもうちょっと色が違うなって。

山田 そうだね。でも、聴き手と一緒にどっかに行こうとしてる気持ちは変わらないよね。「聴き手と一緒に闘いに行こう」っていうか、闘いに行く気持ちにさせるところからやりたかったのかもしれないな、今回は。

菅波 確かに。高揚感とか、気分がウワーッと生まれてくるようなアルバムにしたかったのかもしれない。

山田 もうなんか、「闘いに向けての力」っていうことじゃなくて、どんな私生活に戻ってもらってもいいし。闘う人とか、これから楽しみに行く人とか……いろんな生活を増幅させるための力になる、根っこの部分を作りたかったのかもしれないね。

菅波 そうだね。特定の何かじゃなくて、エネルギーとして。

――それってつまり、音楽が昔から果たしてきた根源的な機能そのものだと思うんですよね。祈りとか祝祭とか、人間のエネルギーに直接訴えかけるものとしての音楽の力というか。意識してる/してないの違いこそあれ、今回のアルバム制作はまさにそれを追求してたと思うんですよね。

菅波 うんうん。たぶんその時、「リスナーとしての自分」にも向かってたような気がしますね。バンド始めた時に近いのかもしれないですけど……リスナーとしての自分がまず高揚するかどうかっていうのを大事にしてたかもしれないですね。初期衝動に近いというか。やっぱりこう、「やり手としての自分」がいいね!っていうのと、リスナーとしての自分がいいね!って思うのと、多少違うんですよね。何が違うのかよくわかんないんですけど、リスナーとしての自分が高揚するような作品ーー気分を上げてくれるとか、根っこからエネルギーを沸かせてくれるアルバムのほうが好きなんですよね。そのことに対してずっと敏感というか。「このアルバムはエネルギー量高いな!」っていう感覚的なものが強いから。今回はその、リスナーとしての自分も「満足してる」と言ってます(笑)。

山田 「リスナー菅波」がね。今、声聞こえた(笑)

菅波 「アガるよ今回!」って(笑)。

山田 最初に栄純が言ったけど、「感情の再生装置」的に音楽を使ってほしいっていうか。それでこう、喜びを増幅させたり、悲しみを一瞬で拭い去れたりとかできたら、それはそれで音楽の力だと思うし。その力をTHE BACK HORNも信じてるーーっていう曲だよね、『ミュージック』は特に。

――『ミュージック』みたいな時代を超える名曲があり、今という時代を揺さぶる『反撃の世代』みたいな曲があり……2012年という時間に大きく縦軸と横軸を描くようなアルバムにもなってますよね。

山田 いいアルバムの形ですよね。

菅波 ありがたいよねえ。自分らだとこんな説明できないもんね、縦軸と横軸とか(笑)。

山田 でも、2011年っていう時期があって、2012年の今だからこそできたアルバムじゃないかと思いますけどね。どのアルバムもそうなんですけど、自分らが世の中とどれだけ接点持ててるか、っていうことなわけで。2001年は「2001年の俺ら」の音楽が生まれたし、2008年は「2008年の俺ら」の音楽が生まれていったりしてるけど。特に世の中と強くつながりたい気持ちは、2011年はTHE BACK HORNも強かったから。その中でできたアルバムっていう意味では、THE BACK HORN史上最高に大きくて強いアルバムになった気がしますね。

――そして、9月7日のZepp DiverCity(TOKYO)公演から、台湾/韓国公演含め全35公演のツアー『THE BACK HORN「KYO-MEIツアー」〜リヴスコール〜』がスタートします。最終日は2013年1月6日、THE BACK HORN史上2度目の日本武道館公演!

山田 長いっすねえ、これは。どうなることやら。

菅波 まだわかんねえけど。だいたい、意外な曲がすげえ盛り上がったりすることがあるんですよ。でも、それがめっちゃ楽しかったり、意外な曲がすげえ難しかったり、思いがけない感じに発展したり……絶対に想像できないぐらい面白いことになるんですよ。

山田 あと、昔の曲たちとこのアルバムの曲が合わさった時に、だいぶ大きいものを生み出すんだろうな、っていうのもあるし。

――武道館で『リヴスコール』の曲を早く聴きたいですね。

山田 楽しみにしてほしいですね。ここに行くまでの間に、何回もヤマ越えてると思うから。さらに削ぎ落とされた形になってると思いますね……丸坊主になってるかもしんねえ(笑)。

菅波 眉毛とかもなくなってね。

山田 削ぎ落としてこうよ!っつって。ジョリジョリジョリって(笑)。

――みんなリアルフリーザになっていくと(笑)。

山田 「服とか要んねえか」っつって、パンイチで。

菅波 「とうとう武道館で完全体に!」って?

山田 そしたら……武道館でやらしてもらえねえかもしんねえ(笑)。

菅波 ……楽しみにしててください(笑)。

THE BACK HORNから動画メッセージはこちら

Text●高橋智樹 

PROFILE

メンバーは、山田将司(vo)、菅波栄純(g)、岡峰光舟(b)、松田晋二(ds)。1998年結成。2001年シングル『サニー』をメジャーリリース。近年のロックフェスティバルでは欠かせないライブバンドとしての地位を確立し、スペインや台湾ロックフェスティバルへの参加を皮切りに10数ヵ国で作品をリリースし海外にも進出。2012年3月7日には、激動の2011年精力的に行ってきた楽曲制作の中から生まれ出た渾身の楽曲『シリウス』を、6月6日に9thアルバム『リヴスコール』をリリース。この夏は、「FUJI ROCK FESTIVAL ‘12」「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2012」他、夏フェスにも多数出演する。

オフィシャルホームページ


TICKET

「KYO−MEI ツアー」〜リヴスコール〜
9月 7日(金) Zepp DiverCity(TOKYO)
9月11日(火) 米子AZTiC laughs
9月12日(水) 岡山PEPPERLAND
9月14日(金) 鹿児島CAPARVO HALL
9月16日(日) 熊本Django
9月17日(月) 大分CLUB SPOT
9月25日(火) 甲府CONVICTION
9月27日(木) 京都磔磔
9月29日(土) 金沢EIGHT HALL
9月30日(日) 富山MAIRO
10月4日(木) 青森Quarter
10月8日(月) 小樽GOLD STONE
10月10日(水) 釧路 clubGREEN
10月12日(金) 盛岡CLUB CHANGE WAVE
10月13日(土) 郡山HIP SHOT JAPAN
10月18日(木) いわきclub SONIC
10月20日(土) 新潟LOTS
10月21日(日) 長野CLUB JUNK BOX
11月02日(金) Zepp Nagoya
11月08日(木) 高松DIME
11月10日(土) 松山SALON KITTY
11月11日(日) 高知X-pt.
11月15日(木) 神戸Varit
11月17日(土) 広島クラブクアトロ
11月18日(日) Zepp Fukuoka
11月23日(金) 旭川CASINO DRIVE
11月24日(土) Zepp Sapporo
11月30日(金) 浜松窓枠
12月 2日(日) Zepp Namba(OSAKA)
12月 8日(土) 台湾 THE WALL
12月12日(水) 仙台Rensa
12月15日(土) 韓国 ROLLING HALL
12月19日(水) 水戸LIGHT HOUSE
12月23日(日) 沖縄 桜坂セントラル
2013年
1月 6日(日) 日本武道館

公演・チケット情報



EVENT LIVE
「POLYONSEN 2012〜テルマエ・ロマンと人間風呂グラム♨〜」
6月29日(金) なんばHatch
「(LOVE IS LIKE A)SUMMERTIME BLUES The Circuit」
7月12日(木) 赤坂BLITZ
「KESEN ROCK FESTIVAL ‘12」
7月22日(日) 種山々原森林公園 種山々原イベント広場
「FUJI ROCK FESTIVAL ‘12」
7月27日(金) 湯沢町苗場スキー場
「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2012 in EZO」
石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
「MONSTER bash 2012」
8月26日(日) 国営讃岐まんのう公園内 芝生広場

公演・チケット情報



RELEASE

NEW ALBUM
『リヴスコール』
6月6日(水)リリース
SPEEDSTAR RECORDS
VIZL-474(初回限定盤)
VICL-63876(通常盤)
Amazonでのご購入はこちら


2012.06.12更新

今週のこの人 ラインアップ

  • 山田和樹
    小澤征爾も実力を認める注目の指揮者。クラシック音楽界が熱い視線を注ぐホープの“今”に迫る!
  • さまぁ〜ず
    2年ぶり、9回目の 『さまぁ〜ずライブ』開催。 稀代のコント芸人が、ライブにこだわり続けるそのワケは?
  • 遠藤保仁(ガンバ大阪)
    10年連続Jリーグベストイレブンにも、代表最多出場記録にも歩みを止めない。稀代のMFの飽くなき向上心に迫る
  • 堀北真希
    あくまでも、自然体。 2度目の舞台に挑戦する“国民的女優”の素顔
  • 藤原竜也
    舞台で演じ続けてきた実体験を、 「人生の蓄積」と呼んで胸に刻む。若き天才の次なる挑戦とは…。

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