TOP > 今週のこの人 > 藤原竜也

――楽しみですね。話は変わりますが、この“今週のこの人”で小栗旬さんにお話をうかがった際に、小栗さんにとっては藤原さんの存在がとても大きかったとおっしゃっていました。自分が目指していた存在と、『ムサシ』で肩を並べて共演できた時には感慨深かったと。藤原さんにもそのような“目指す人”はいたのでしょうか?

「う〜ん、僕は……こんなふうに言ったらヘンかもしれないけど、蜷川さんの元で、孤独に闘わされていた感じがするんですよね。目標などは持たされずに『ただ目の前のこの空間で、感動させてみろ!』というのを求められていたから、暗闇の中でひとりぼっちで闘っていたような感覚なんです。ここをとりあえず抜けなきゃ!と、ただその思いだけだったと思いますね。もちろん今は、六代目(中村)勘九郎さんはすごいな〜とか、大竹しのぶさんは素敵だな〜と思ったりしますけど。

 そういえばイギリスに留学していた時に、いろんな演劇を観させてもらって、RADA(王立演劇学校)を卒業したてのエース級の人たちがやってる小劇場の芝居を観たりしたんですね。彼らとパブで飲みながら話を聞いていた時に、あ〜俺もこんなふうになりたいな、って思ったことはありましたね。ほとんど歳は変わらないのに、なんでここまでカッコいいんだろうと。でも“お前らより、もっといい表現をしてやる”という闘争心も沸いたりして。小栗にしてもそう。アイツがやるなら俺もやりたいと思うこともあるし、すごく刺激をもらっています。小栗は面白いですよ。ま、僕はあそこまで遊んでない(一同笑)。アイツに言わせると『お前、ホントに友達いないな』ってなっちゃうけど(笑)。一緒に共演させてもらった勘九郎さんと小栗、このふたりには特別な思いがありますね。もっともっとお互いに抜きん出たいと思うし、刺激し合っていけたらいいなと思っています」

――藤原さんといえば舞台の人という印象ですが、映画でも精力的に活躍されていますよね。しかもなかなかトリッキーな作品や役柄が多いかと。

「そう、映画の出会いというのも面白いんですよ! こないだ、来年公開予定の品川ヒロシ監督の『サンブンノイチ』という映画を撮ったんです。僕と田中聖くん(KAT-TUN)と小杉竜一さん(ブラックマヨネーズ)の3人の物語で、どう考えてもこの3人合わないだろって思ったけど(笑)、十年に一度出会えるかどうかってくらいの傑作に仕上がったと思いますね。もうすぐ公開の三池崇史監督の『藁の楯』も面白かった! 舞台も映画も意識して分けることなく、興味の惹かれる作品には迷わず飛び込んじゃいますね」

――過密スケジュールで息つく暇もなさそうですね。

「そうなんです。今はやることが山積みで大変で。ここ連日は、朝5時まで『木の上〜』の台詞を覚えているんですよ。こないだちょっとマネージャーに大変だって愚痴ったら、『でも竜也さん、台本読んだ後でもゲームとかやってるじゃないですか』って……。そりゃやるよ!5時までかかって台本覚えてたって、ゲームくらい息抜きにやらせてくれよ!…って思いますよね!?」

――そ、そうですね(汗)。ゲームがささやかな息抜きというのはあまりに不憫に思ってしまいますが……。

「本当の息抜きは、休みの日にジムに行ってトレーニングしたり、サウナに行くことですね。それが今の僕の、究極の休日。ジムに行って、夕方くらいからちょっと一杯飲んで、そのままお寿司やさんに行く、みたいな(笑)。あと、一年くらい前から我が家に、どう考えても野良には見えないスーパーペルシャ猫が遊びに来るようになったんです。ガリクソンって名前にして、餌付けに成功しまして。それからデッカい黒猫のボスってのも来るんだけど、ソイツは家には絶対に入れない。どうもガリを狙っているみたいなんですよね。ガリ、すごく可愛いメス猫だから。今はソイツらを見ているのが癒しですね」

――心温まるような、ちょっとせつないようなお話で……失敬。最後に俳優としての今後の展望を聞かせてください。

「今後ですか?最近になって思うのは、僕にはやっぱり表現し続けることが大事なんだなと。お芝居をちゃんと続けて、頑張っていこうとあらためて思うようになりました。芝居をし続けることが僕の存在証明なのかもしれない、とね。蜷川さんがよく『他者とのコミュニケーションは表現でしかない』と言っていたことが、ようやくわかってきたような気がします。僕は僕の表現をやり続けることに意味がある。そこに少しずつでも成長、成果がついてきてくれたら嬉しいなと思いますね」

――ありがとうございました。猫とのコミュニケーションも大事ですよね。

「ガリ、ホントに可愛いんですよ。野良とは思えないんだよな?。こんな話をしちゃって、これを読んだ飼い主の人が“えっ!?”なんて気づいちゃって、ウチに来なくなったらイヤだな。ボスだったらいいけど(笑)」

Text●上野紀子 Photo●本房哲治

PROFILE

ふじわら・たつや 1982年、埼玉県生まれ。1997年、舞台『身毒丸』のオーディションにて抜擢され、主演としてロンドン公演でデビュー。以降、『ハムレット』、『ムサシ』、『日の浦姫物語』などの蜷川幸雄演出作品のほか、『オイル』(作・演出:野田秀樹)、『ろくでなし啄木』(作・演出:三谷幸喜)など数々の話題作に出演。映画出演作は『バトル・ロワイアル』(監督:深作欣二)、『DEATH NOTE デスノート』シリーズ(監督:金子修介)など。2013年4月には渋谷・シアターコクーンにて、5月には天王洲銀河劇場、他全国6都市にて舞台『木の上の軍隊』(作:蓬莱竜太、演出:栗山民也)に出演。


TICKET

『木の上の軍隊』

東京・シアターコクーン/東京・天王洲 銀河劇場
4月5日(金) 〜 5月6日(月・祝)

愛知・名鉄ホール
5月10日(金) ・ 5月11日(土)

大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
5月16日(木) 〜 5月19日(日)

長崎・長崎市公会堂
5月25日(土) ・ 5月26日(日)

広島・広島上野学園ホール
5月28日(火) ・ 5月29日(水)

福岡・北九州芸術劇場 大ホール
6月1日(土) ・ 6月2日(日)

公演・チケット情報





2013.03.26更新

今週のこの人 ラインアップ

  • 山田和樹
    小澤征爾も実力を認める注目の指揮者。クラシック音楽界が熱い視線を注ぐホープの“今”に迫る!
  • さまぁ〜ず
    2年ぶり、9回目の 『さまぁ〜ずライブ』開催。 稀代のコント芸人が、ライブにこだわり続けるそのワケは?
  • 遠藤保仁(ガンバ大阪)
    10年連続Jリーグベストイレブンにも、代表最多出場記録にも歩みを止めない。稀代のMFの飽くなき向上心に迫る
  • 堀北真希
    あくまでも、自然体。 2度目の舞台に挑戦する“国民的女優”の素顔
  • 藤原竜也
    舞台で演じ続けてきた実体験を、 「人生の蓄積」と呼んで胸に刻む。若き天才の次なる挑戦とは…。

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