TOP > 今週のこの人 > Superfly

――歌入れで、特に印象に残っている曲はありますか?

「10曲目の『The Bird Without Wings』ですね。この曲は私が主人公ではなくて、ある人に向けてエールを送りたくて作ったんです。歌入れて、最初は主人公になりきっていたんですけど、蔦谷さんに“聴いていて胸が苦しくなる”と言われて、どんな距離感で歌えばいいのかと考えることになって。そこでとっさに浮かんだのは、“絵本の読み聞かせ”のように歌うことだったんです。こういう歌の角度もあるんだな、って勉強になりました」

――いつでも全力で歌えばいい、というわけではないと。

「そうそう。その曲ごとのキャラクターを大事にしよう、とあらためて思いました」

――初回限定盤のDisk2には、すべての曲のライブ音源が収録されています。

「7月の東京公演2日目ですね。もともとライブ盤でアルバムが完成すると思っていたので、この日はめちゃくちゃ緊張しました。結果的には、やればやるほどバンドが良くなっていって、後ろを信頼しながら楽しんで歌えたと思います」

――メンバーとのやり取りも入っていて、ライブの空気感がよく伝わってきます。正規盤、ライブ盤にそれぞれの魅力があって、これは面白い試みですね。

「同じ曲でも、違う印象があると思うんです。ライブまでに曲の理解度がドンドン上がっていくし、私も歌に対する新しい発見をすることがあって。それに、お客さんのノリにリズムが左右されることもあるので、その場でしか作れないグルーヴが出ていると思います。その駆け引きがスリリングで、とてもよかったです」

――今回のアルバムで、志帆さんは作詞家として新境地を開拓していますね。先ほどの話にもあったように、もともとダイレクトだった言葉が、さらに生の感情でストレートに表現されているというか。

「そうですね。ステージに立つのはプレッシャーも伴うし、デビューしてからは“失敗しちゃダメだ”という思いが強かったんです。でも今は、自由に表現していくことが輝けるポイントなんだと思うようになって。歌詞の面でも“じぶんらしくあること”をもう一度追求してみたいと考えています」

――自分らしさを追求したアルバムを聴き直してみて、なにか発見はありましたか?

「“こんなに正直になれるとは思わなかったな”って(笑)。2曲目の『Nitty Gritty』なんかは、多保くんが苦しみと向き合いながら“逃げたいけど、逃げちゃいけない”という思いで曲を書いてくれたことが伝わってきて、私も自分の感情とより強く向き合わなきゃって思えたんです。すごくストレートな歌詞なんですけど、自分ひとりだったらここまで感情を出し切ることはできなかったかもしれないですね」

――多保さんは本当に色んな引き出しを持っていて、職人的なイメージもあるんですけど、それでも作曲で苦しむことがあるんですね。

「そうですね。アルバムを作っていると、何度かそういうシーンがあって、限界に追い込まれて、それを乗り越えて出てきた曲は、やっぱりすごく力があるんです。スゴい底力を持っていることを知っているから、私も多保くんを追い込むんですけど(笑)」

――『Nitty Gritty』は、時代性を超えた楽曲のように感じました。60〜70年代のロックをベースとしつつも、それも超越した感覚があって。

「時代を限定したくない、という思いは強かったですね。なんというか、初期衝動のようなものを大切にしたくて。例えば、多保くんが曲を作るときにどんな時代感を出そうかという話になって、“リアルタイム感を大事にしよう”と。好きな時代の音楽をそのまま作るんじゃなくて、“好きな音楽と出会ったときの気持ちを、今の自分が表現するなら”というところで、曲を作っていきたかったんです。かなり話し合いましたね」

――多保さんといえばロック全般に広く通じた方ですが、そうなる前の感覚も取り入れると?

「そうですね(笑)。ストーンズを意識してやるのもアリなんだけど、憧れで追いかけるよりも、もっと熱い感情を表現した方がいい、みたいな話をしていました」

――志帆さんのボーカルも、“リミッターがない”という印象でした。

「もう“無”の状態で歌っていました。メロディもテクニカルじゃないし、歌詞がハマらなかったら勝手に変えたり、語りたくなったら語ってみたり。とにかく自由度が高いアルバムだと思います」

――今回のアルバムを通じてSuperflyの底力を見せつけられたような感覚です。リスナーには、どんなふうに受け取ってもらいたいですか?

「みんなどこかで悩んでいるし、私自身も含めて、自分のことを100%受け止められていない、という人は多いと思います。そういう人たちが心をオープンにして、少しでも自分を好きになれる一枚になればいいなって。私自身、制作していてそういう心境になったので、同じような感覚で聴いてもらえたらうれしいですね」

――10月からはホールツアーもあります。最後に、意気込みを聞かせてください。

「Disk2に入っている新曲ライブのインパクトに負けないように、“ああ、こうきましたか!”と唸らせられるような内容のライブにしたいと思います。過去曲でも新曲に聴こえるような、パワフルなツアーにするので、楽しみにしていてくださいね」

Text●神谷弘一(blueprint) Photo●岩佐篤樹

PROFILE

’04年、Superfly結成。’07年にシングル『ハロー・ハロー』でデビュー。『マニフェスト』『愛をこめて花束を』など数々のヒット・シングルをリリースし、’08年には1stアルバム『Superfly』を発表。’09年に発表した2ndアルバム『Box Emotion』は65万枚を超える大ヒットを記録。10月26日(金)からは来年1月にまで渡る全国ツアーがスタートする。
オフィシャルホームページ


TICKET

『Superfly Tour 2012-13 "Live Force" supported by VO5』
⇒10月26日(金)戸田市文化会館
⇒10月29日(月)神戸国際会館こくさいホール
⇒10月31日(水) 滋賀 びわ湖ホール
⇒11月1日(木) なら100年会館
⇒11月5日(月) 名古屋センチュリーホール
⇒11月7日(水) 東京国際フォーラム ホールA
⇒11月8日(木) 東京国際フォーラム ホールA
⇒11月12日(月) 倉敷市民会館
⇒11月14日(水) 米子コンベンションセンター BiG SHiP
⇒11月16日(金) 郡山市民文化センター
⇒11月18日(日) 秋田県民会館
⇒11月20日(火) 札幌 ニトリ文化ホール
⇒11月22日(木) 帯広市民文化ホール 大ホール
⇒11月24日(土) 旭川市民文化会館 大ホール
⇒11月27日(火) 仙台サンプラザホール
⇒11月28日(水) 仙台サンプラザホール
⇒12月2日(日) 長野県松本文化会館
⇒12月4日(火) 富山オーバード・ホール
⇒12月5日(水) 福井 フェニックスプラザ
⇒12月7日(金) 大分 iichikoグランシアタ
⇒12月9日(日) 長崎ブリックホール
⇒12月11日(火) 広島市文化交流会館
⇒12月12日(水) 広島市文化交流会館
⇒12月17日(月) 大阪 オリックス劇場
⇒12月18日(火) 大阪 オリックス劇場
⇒12月24日(月・祝)三重県文化会館 大ホール
⇒12月26日(水) アクトシティ浜松 大ホール
⇒12月28日(金) 福岡サンパレス
⇒1月8日(火) 新潟県民会館
⇒1月9日(水) 新潟県民会館
⇒1月11日(金) 香川 アルファあなぶきホール
⇒1月14日(月・祝)鳴門市文化会館
⇒1月15日(火) 高知県立県民文化ホール
⇒1月17日(木) 愛媛 ひめぎんホール
⇒1月18日(金) 愛媛 ひめぎんホール

公演・チケット情報



RELEASE

Album
限定盤<CD+LIVE盤>
『Force』
9月19日(水)リリース
3980円
ワーナーミュージックジャパン
WPCL-11108/9
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通常盤<CD>
『Force』
9月19日(水)リリース
2980円
ワーナーミュージックジャパン
WPCL-11110
Amazonでのご購入はこちら


2012.09.04更新

今週のこの人 ラインアップ

  • 山田和樹
    小澤征爾も実力を認める注目の指揮者。クラシック音楽界が熱い視線を注ぐホープの“今”に迫る!
  • さまぁ〜ず
    2年ぶり、9回目の 『さまぁ〜ずライブ』開催。 稀代のコント芸人が、ライブにこだわり続けるそのワケは?
  • 遠藤保仁(ガンバ大阪)
    10年連続Jリーグベストイレブンにも、代表最多出場記録にも歩みを止めない。稀代のMFの飽くなき向上心に迫る
  • 堀北真希
    あくまでも、自然体。 2度目の舞台に挑戦する“国民的女優”の素顔
  • 藤原竜也
    舞台で演じ続けてきた実体験を、 「人生の蓄積」と呼んで胸に刻む。若き天才の次なる挑戦とは…。

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