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前回の公演から2年ぶり、待望の第9弾の開催が決定した『さまぁ〜ずライブ』。TVバラエティで活躍中のお笑いコンビ・さまぁ〜ずが、原点に立ち返り、生の舞台の上で爆笑コントの数々を披露するこのライブシリーズは、全編にわたって、大竹一樹の独特のセンスあふれるボケと、三村マサカズの熱を帯びたツッコミが満載。今やTVではほとんど見ることができなくなった“さまぁ〜ずのコント”を堪能できる貴重な機会として人気を集めている。さらに特筆すべきは、ネタ作りから細かい演出に至るまで、ステージのすべてを大竹、三村のふたり自らが手掛けていること。その練りに練られた笑いの世界は、ファンのみならず世のお笑い通からも高い評価を受けている。レギュラー番組を9本も抱え、多忙を極めるなか、全身全霊でライブに取り組む彼らの胸のうちとは――?

――『さまぁ〜ずライブ』も、今や2年おきの開催というペースが定番化していますね。

大竹「でも実は、きっちり2年おきって決めてるわけじゃなくて。さまぁ〜ずになる前、バカルディの頃もライブは12〜13回やってますけど、当時は年に1回か2回はやってたんですよね」

三村「それが、ここ10年ぐらい、お仕事的にもちょっと忙しくなってきて。そうすると、年1だと『もうやるの?』って感じになっちゃうんですよ。嫌々やるのは、本末転倒だろうと」

大竹「それに、会場とスタッフのスケジュールなんかも考えると、ちょうど2年に1回ぐらいの間隔になっちゃうんですよ」

――おふたりの中では、今のペースがちょうどいい感覚ではあるんですか?

大竹「いや、もうちょっと間を空けてもいいかなって(笑)」

三村「3年に1回でいいんじゃないの、とかね」

大竹「ただ、そうすると、どんどんネタを作らなくなっちゃうんですよね。無理やりでも、どっかでやろうって決めないと」

――前回の『さまぁ〜ずライブ8』の手応えはいかがでしたか?

三村「ライブはいつも、ベストを尽くしてるつもりなんですけど、時間が経ってみるとねぇ……。反省点を挙げろって言われたら、100個ぐらいありますね(笑)」

――具体的にはどんな反省点が?

大竹「極論を言うと、ネタ全部とっかえたいなって。それぐらいの気持ちですよね(笑)。別に失敗してるわけじゃないんだけど、なんか『もうちょっとできたかな』みたいな。ただ、反省もしますけど、当然面白いとも思っています」

三村「もちろんそのときはベストだと思ってやってるんですけど、振り返っちゃうとね、そういう感じになってしまう。だから、振り返ること自体よくないのかなっていう気もするんですよね」

大竹「そう。だからまぁ、成長してるってことなんだろうなって。さまぁ〜ずは今がいちばん面白いって思えているんですかね」

三村「そうやって都合よく考えてます(笑)」

大竹「ただ、体力面は落ちてますからね、年々、劇的に。だから、そういう意味での反省とか対策は必要かもしれませんけど。でもネタに関してはもう、あんまり振り返らないようにしてます」

さまぁ〜ず

――じゃあ、ネタを作る作業自体は、そんなに苦ではない?

大竹「いえ、ものすごい苦です、毎回(笑)」

三村「ネタが自動的に生まれてこないかなって思います」

大竹「誰か台本書いてくれないかな、とかね。俺たちはそれをちょこっと直すぐらいで」

三村「正直、俺なんかはもう、ネタ作りに参加しないで、演者に徹したいんですよ。今後は、ネタは後輩とか作家に任せたいなって」

大竹「ハハハ!まぁでも、それだと納得行かないんでしょうねぇ。結局、一から自分たちで作ることになると思いますけどね」

三村「まぁまぁ、そうだな、ライブだけは人に任せられないのかもしんないなぁ……」

――でも本当、笑いを作る作業って大変ですよね。過去に作ったものを全部捨てて、ゼロから作らなきゃいけないわけですから。

三村「そうなんですよ、まさに。積み重ねが利かないっていうか。たとえばミュージシャンだったら、新曲が過去の曲と似ててもOKだったりすると思うんですけど。むしろその人のテイストだから、似てるほうが喜ばれたりして。でもお笑いのネタって、昔作ったものと似てたら、『これ、見たことあるけど……』って言われちゃうんですよね」

大竹「だから、“よけていく作業”が必要になってくるんですよね。自分らが25年やってきたことをよけなきゃならないっていう。当然、ほかのお笑いの人との被りをよけるというのもあるし。それでも傍から見たら似てるのかもしれませんけど、自分らとしては、毎回、全然違うものを作ってるつもりではいるんですよ」

――ライブ開催まであと2か月ですが、進捗状況は?

大竹「今やれるネタは1本もないです。台本で言えば0ページ(笑)。コントを何本ぐらいやって、こんな設定で、ぐらいのざっくりした構想はありますけど」

三村「まぁ基本、これまでと形は変わらないと思うんですけどね」

大竹「そうですね。奇抜なことをやろうかなとも思うんですけど、2年に1回だから、ある意味ベタに、コントを何本かやろうっていうふうになってるんですよ、ここ何年かは。変に狙わずに、いわゆる“さまぁ〜ずとしての王道”をやろうと。がっつりコントを見せようと」

――やっぱり、さまぁ〜ずのアイデンティティは“コント”にある、という自負があるんですね。

三村「それは大きいと思いますね」

大竹「ただ、そのコントがどういうものか、自分たちでは具体的に言葉で言い表せないんですよね。世間のみなさんもそうだと思うんですけど、『さまぁ〜ずって何色?』『どんなキャラクター?』って言われたときに……。たとえば、ほかのお笑いの人だったら“毒舌”とか“異常にバカっぽい”とか、何かあるじゃないですか。俺らの場合、そういうわかりやすい言葉がなくて。テレビの中のキャラクターとしては、“ユルい”みたいなことをよく言われますけど」

――でも、さまぁ〜ずのコントって、決してユルくはないですよね。

大竹「そう、絶対ユルくないと思うんですよ。台本もびっちり作り込んでるし」

三村「ていうかね、俺ら、テレビでもユルくないんですよ、実は!」

大竹「ハハハ!」

三村「たぶん、表情とかのリラックス具合が、ユルく見えるだけで」

大竹「そう、意外とちゃんとやってるんです。手を抜いたことないですから」

三村「そうなんですよ、ユルくしようと思ってユルくしてるわけじゃないんで。……顔がユルいんですかね?」

大竹「ハハハ。そうかもな。人間性がユルいとか(笑)。まぁでも、俺らのコントって、セリフなんかは台本通りきっちりやってないんで、そういう意味で『ユルい』って思われちゃうところはあるのかもしれませんけど」

さまぁ〜ず

――確かに大竹さんは常々、「ライブではいつも6、7割の完成度で舞台に上がって、本番で100%を目指す」とおっしゃってますよね。

大竹「本当はそれじゃいけないんでしょうけどね。要するに俺らって、そこまできっちりネタを合わせてないんですよ、いつも。余裕がないくせに。元々、ふたりとも稽古が嫌いだから(笑)。いや、もちろん嫌いになる限界まではやりますよ。稽古が必要なネタもあるんで。でもなんか、どっかですっ飛ばしたりしちゃうんですよね」

三村「覚えられないんだよなぁ。ふたりとも最終日まで台本見てますからね。『俺のココのセリフ、正確には何だっけ?』みたいな(笑)」

大竹「だから、いわゆる“100回稽古する”ことが100%の完成度なんだとしたら、毎回70%ぐらいで舞台に上がってるのかもしれないです。敢えて、詰めないようにしてるんで。どっちかって言うと、“初めてやる”に近い感じのほうが好きなんですよね」

三村「そうそう。稽古しすぎると飽きちゃうんですよ」

大竹「稽古100回やってる間に、『これ、何が面白いんだっけ?』みたいになっちゃうんで」

三村「俺は、舞台の上で相方に笑わせてもらいたいんですよ。だから、本意気で何回も稽古しちゃうと、俺がつまんないというか(笑)」

――やはり笑いというのは、鮮度が大切なんでしょうね。

大竹「うん、それはでかいかもしれないですね」

三村「そう言えば、俺らのライブって、初日が人気あるらしいんですよ。『初日って完成度低いのに、何で?』って思うけど、なんかそういう新鮮な感じも見たいのかなって」

――“鮮度”のほかに、ライブにおいて何か意識していることはありますか。

大竹「これはずっと言ってるんですけど、初めて来たお客さんも、毎回来てるお客さんも、同じように笑えるものにしたい、ということですね。たとえばアーティストのライブなんかでも、よくあるじゃないですか、ここでTシャツ投げる、みたいなのが。ここでジャンプする、とか」

三村「お約束のヤツね。一見さんにはわからないヤツ」

大竹「そうそう。そういう風なことがあると、俺らシュンとなってしまうので(笑)」

三村「いくつか恒例になっちゃってることもあるんだけどね」

大竹「まぁあるけど。でも、続きもののコントにしても、ちゃんと一から説明するというか、初めて見ても笑えますよ、っていうような。そこは意識してるかもしれないです」

さまぁ〜ず

Text●泉 英一 Photo●源 賀津己

PROFILE

【プロフィール】
大竹一樹(おおたけ・かずき/写真左)、三村マサカズ(みむら・まさかず/写真右)。ともに1967年、東京都生まれ。1988年「バカルディ」としてデビュー。2000年、テレビ番組の企画で「さまぁ〜ず」に改名。現在、テレビ朝日系『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』、『さまぁ〜ず×さまぁ〜ず』、テレビ東京系『モヤモヤさまぁ〜ず2』、TBS系『リンカーン』などレギュラー番組多数。前回、2011年のライブの模様を収録した『さまぁ〜ずライブ8』(ポニーキャニオン)も好評発売中。


TICKET

『さまぁ〜ずライブ9』

東京・天王洲 銀河劇場
6月20日(木) 〜 6月23日(日)

公演・チケット情報





2013.05.02更新

今週のこの人 ラインアップ

  • 山田和樹
    小澤征爾も実力を認める注目の指揮者。クラシック音楽界が熱い視線を注ぐホープの“今”に迫る!
  • さまぁ〜ず
    2年ぶり、9回目の 『さまぁ〜ずライブ』開催。 稀代のコント芸人が、ライブにこだわり続けるそのワケは?
  • 遠藤保仁(ガンバ大阪)
    10年連続Jリーグベストイレブンにも、代表最多出場記録にも歩みを止めない。稀代のMFの飽くなき向上心に迫る
  • 堀北真希
    あくまでも、自然体。 2度目の舞台に挑戦する“国民的女優”の素顔
  • 藤原竜也
    舞台で演じ続けてきた実体験を、 「人生の蓄積」と呼んで胸に刻む。若き天才の次なる挑戦とは…。

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