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――それって、自信があるからできることでもありますよね。

宮原「ああ、そうですね。作品を何枚も残してきたっていう自信ですよね。その上で、こういう作品が出せたっていうか。ちょっと問題を提起する作品かもしれないけど」

芹澤「でも、思い起こせば、1stを出した時だって、俺らの音楽を受け入れてもらえるのかな?って思っていたし、常に、このアルバムを世の中で聴いてくれる人がどんだけいるんだろう?って思っているし、あんま変わってないっちゃ変わってないんですよね、心持は」

宮原「そうだね。最初の頃はインストの畑も育っていなかったし、聴いてくれる人がいるのかなって思っていたけれど。今回は、そういう意味では1stに近い、原点回帰なところはあります」

芹澤「前向きな意味でのね」

宮原“TOYIN”良太(ds&perc)

宮原“TOYIN”良太(ds&perc)

――でも、1stとは違って、聴いてくれよ!っていう強気なところもあるんじゃないですか?

宮原「ありますね。ネオ原点っていうか、8年経っての原点なんで」

芹澤「1stの時は不安しかなかったからね」

宮原「いや、不安もなかったよ」

芹澤「ああ、諦め?(笑)」

宮原「俺たちはカッコいいと思っているけど……」

芹澤「CD出せるだけラッキーだぜ!っていう」

――でも、自分たちがカッコいいと思っているところは崩さずに出すっていう。

宮原「そうそう、変な意地があるんですよね。自分たちの音楽を曲げたくない。要は、凄くカッコいいって言われたいんだよね」

――そこは一貫していますね。

柳下「そうですね」

芹澤「やり方は変われど」

――例えば、今年でいうとフジロックのグリーンステージとかで、たくさんの支持してくれる人を目の当たりにして、それが自信に繋がっているところもあるんじゃないですか?

宮原「ああ、ありますね。想像しているよりも名前が知られているとは思っていて」

柳下「今までも本当の自分たちだけど、肩肘を張っていた感じはあると思っていて、今回はリラックスしているんですよね。こういうところを出していかないと、今後長く音楽をやっていくためには必要なんじゃないかなって。こういう俺たちもあるんだぜっていう」

宮原「あと、このアルバムの流れが凄くカッコいいって言われたいんだよね。ここにきてこういう作品出したの、めっちゃカッコいい!って」

芹澤「そうそう、またコラボ出したり、キャッチーなの出したら、そりゃそうだよなってなるだろうから」

芹澤“REMI”優真(key)

芹澤“REMI”優真(key)

――その流れこそがロックですよね。

宮原「ああー、そういう気持ちは、俺たちは持ち合わせているよね」

芹澤「ロックであり、パンクであり」

宮原「逆らいたいっていうね」

柳下「今までの流れで出したら、俺ららしくないって思われそうっていう」

――芯がパンクなんですよね、スペアザって。

宮原「ああ、まさしくですよね。反骨精神でバンドやってきたところは、九割くらいあるからね」

芹澤「それだけは忘れたくないですね」

――それで、さっき柳下さんが言っていたように、リラックスしている感じもあるっていう。

宮原「奇を衒って渋い作品を作ったら、良くわかんない方向になったでしょうけど、自然と出てきたものを出したっていうのがデカイですね」

芹澤「女の子の付き合い方と一緒で、最初はサプライズとかもして盛り上げて、情熱的に愛を注いだりするけど、一緒に住み始めたりすると、いつまでもそうすると違うし、かと言って何もしないのは女の子がかわいそうだし、ちょっとした嬉しいことや裏切りも必要だし、だから同棲三年目くらいの気持ちですね(笑)」

――出す方がリラックスしているから、聴いている方もリラックスできると思いますよ。ライブでも踊ったら気持ちよさそうですもん。

宮原「ライブで欲しい曲を作ったからかもしれないですね」

――『Dance Festival』とか、ライブで聴きたいですね。

宮原「なるほど。楽しみながら作ったからかもしれないですね」

芹澤「笑いながらね。リフが頭悪そうで(笑)」

宮原「そういうユーモアが、人を惹き付けるのかもしれないですね」

芹澤「イントロも銀蝿(横浜銀蝿)みたいだなって(笑)。♪今日も元気に〜、みたいな(笑)」

宮原「そういうのがないと面白くないですからね、歌詞がないから。単純に伝わるものを、音に求めないと」

芹澤「笑顔が好きだからね、楽しく在りたいから、ユーモアが大事だと思っていて。芸術は、ユーモアがあってなんぼって思っているので」

――確かに、どんなにシリアスな芸術でも、ひとさじのユーモアって必要かもしれないですね。

芹澤「芸術だけじゃないのかもしれない。政治的な主張も、ちょっとしたユーモアで伝わりやすくなったりね」

――また今作は、ユーモアだけじゃなく、俯いたりファイティングポーズを構えたりとか、いろんな表情があるんですよね。

柳下「確かにそうですね。言葉がないから、大袈裟にそういうことを動きでやらないと、感情が伝わらないから、思いっきり振り切ってやるのが楽しいし、そうやって楽器の面白さも伝えたいですね」

柳下“DAYO”武史(g)

柳下“DAYO”武史(g)

――言葉なき苦労ではなく、そこを楽しめているんですね。

柳下「そうそう。本当に俺たち、楽器が大好きだし、そこが大前提ですね。みんなでスタジオに入って、音を鳴らしているのが大好きっていう」

――その気持ちが薄れたりすることはなかったんですか?

宮原「やり過ぎた時とかは、もう楽器を見たくねえ、触りたくねえっていうのはありますよ。でも、それが落ち着くと、またやりたいなって」

柳下「また絶対やりたくなるのはわかってるから」

芹澤「リハで大きい音を出すと、やっぱ気持ちいいなって」

宮原「離れた方がわかることもあるからね。あのフレーズ出来なかったのは、ただ体が疲れていただけだった、とか」

芹澤「でも、バンドをやっていて、音楽が全然楽しくない人なんて、いるのかな?」

柳下「まあ、俺たちは気楽にできるというか。ボーカルがいないと曲ができないバンドもいるだろうけど、俺たちは楽器を鳴らしちゃえば曲ができるから、ゲーム感覚でできるところもあるっていう」

――そういう意味では、今作は音楽の楽しさを伝えてくれると思いますよ。

柳下「そうなったら嬉しいな」

宮原「自分たちでも、そういうパワーを秘めているアルバムだとは思っています」

――リリース後は年末までツアーもありますしね。

又吉「今までで一番多いんですよ。もっと細かくやりたいって言ったら、こうなったっていう」

又吉“SEGUN”優也(b)

又吉“SEGUN”優也(b)

芹澤「行っていないところに行きたいし、景色を見たいし、美味しいご飯を食べたい。凄く単純な理由です(笑)」

SPECIAL OTHERSより動画コメントが到着!

Text●高橋美穂 Photo●中川有紀子

PROFILE

‘95年、高校の同級生だったメンバーで結成。メンバーは、柳下“DAYO”武史(g)、宮原“TOYIN”良太(ds&perc)、芹澤“REMI”優真(key)、又吉“SEGUN”優也(b)。2000年より本格的に活動開始。'06年6月ミニ・アルバム『IDOL』でメジャー・デビュー。デビュー時より、「FUJI ROCK FESTIVAL」、「SUMMER SONIC」他、様々なフェスに出演、抜群のグルーヴ感あふれるサウンドとピースフルなパフォーマンスで人気を集める。'11年はコラボイヤーと銘打ち、様々なアーティストとのコラボレーション作品が話題に。これまでに4枚のオリジナル・フルアルバムをリリース。10月10日(水)に発売となる5thアルバム『Have a Nice Day』を携え、11月3日(土)より全国ツアー「QUTIMA Ver.15 Tour“Have a Nice Day”」をスタートする。日本のジャムバンド・シーンを牽引する存在。

オフィシャルホームページ


TICKET

SPECIAL OTHERS QUTIMA Ver.15 Tour ”Have a Nice Day”
11月03日(土)横浜Bay Hall 
11月04日(日)浜松窓枠  
11月10日(土)新潟LOTS
11月11日(日) 金沢EIGHT HALL
11月15日(木) 札幌ペニーレーン24
11月17日(土) 青森QUARTER
11月18日(日) 仙台Rensa
11月22日(木) 松山サロンキティ
11月24日(土) 広島クラブクアトロ
11月25日(日) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
12月01日(土) 福岡DRUM LOGOS
12月02日(日) 長崎DRUM Be-7
12月07日(金) ZEPP NAGOYA
12月08日(土) なんばHatch
12月14日(金) 長野CLUB JUNK BOX
12月15日(土) 高崎club FLEEZ
12月18日(火) Zepp Divercity
12月24日(月) 沖縄桜坂セントラル

公演・チケット情報



RELEASE

5th Album
『Have a Nice Day』
10月10日(水)
3500円
VIZL-475(CD+DVD初回限定盤)
2800円
VICL-63882(CD 通常盤)
SPEEDSTAR RECORDS
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2012.10.02更新

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