TOP > 今週のこの人 > セイジ(ギターウルフ)×浜野謙太(在日ファンク)

ーーそういう音をメジャーのレーベルで最初にやっちゃったのがウルフなんですよ。

浜野 そうなんですか。

セイジ レコード会社の人からずっとオファーがきてたけど、絶対あの音が出せないってしばらく断ってたんだ。で、スタジオで一回録って、ダメならいつもの4トラでもいいですかってスタジオで録ったら、いい爆音出してくれたんだよね。

浜野謙太(在日ファンク)

浜野謙太(在日ファンク)

−−爆音革命をメジャーで起してしまったと。

セイジ うん。あそこからキューンと仕事できたことはよかったと思ってる。

浜野 あと、長く活動して曲作るのに困ったってことありましたか。

セイジ 自分が一番最初に“作ったぞ!”って手応えのあった曲が『オールナイトでぶっとばせ!!』って曲で、もうオレには曲が作れないだろうなって思ったら『環七フィーバー』ができて、『ミサイルミー』ができて、これからどうなるんだってときに『ジェットジェネレーション』ができて。そうやって追い込まれることでいろんな曲ができたんだよね。

浜野 曲作るたびに、もうダメだって感じになるんですか?

セイジ うん。いつも全部出すから、出し惜しみ無しだから。毎回もう無理だって思う。

浜野 それ聞いてちょっと勇気が出ました。在日ファンクのセカンドアルバム『爆弾こわい』はすごく出し切って作って、もうダメだなって思ったんです。でもまだ曲が出てきてるんですよ。やっぱり、もっと追いつめられないとダメですね。

セイジ 追いつめられたら開き直るしかないしね。曲作りは、開き直りと気合いだよ。

ーー名言出ましたね、曲作りは開き直りと気合い。

浜野 すごいなあ(笑)。セイジさんは、歌詞書くときに何かやってることってあります? 本読むとか。

セイジ 映画は見たりはするけど、最近見たのは『ワイルドスピード』。そこからピンと来る言葉はないか探したけど、あんまないね(笑)。興味ある本で、昔の怪獣特集とか読むけど、全部使いまくったから、何かひとつヒントがあればいいくらいで。

浜野 映画とか見た方が、ふつふつ沸くんでしょうけど、僕なかなかそういうのしないんですよ。たまに新聞読んで、ムカッとくるようなことをテーマにするときはあるけど、あんまり読まなくて。それは、歌詞書くのが、楽しいけど骨の折れる作業すぎるからなんです。

セイジ ノってくると楽しいけどノルまでが大変だよね。

浜野 そうなんです。

セイジ さっきもいったけど、タイトル考えたけど、これどういうこと?って自分思うんだよね(笑)。

浜野 僕もそうなんですよ。

セイジ それに対してどれだけ気合いを持ってその言葉を愛せるか。ふと朝起きてバカバカしいと思ったり、ダメだこりゃと思ったりするけど、でもそこは気合いで向かう。

浜野 あれは、いつ見るのがほんとなんですかね。朝なのか酔ってるときなのか。

セイジ 両方じゃない?(笑)。結構使えないのもあるけど、何年か経ってピンと来たりするものもあるしね。

ーーだって曲名に『ラーメン深夜3時』とか普通考えないですよ(笑)。

セイジ あれ考えたときも、どうかな? って思ったけどね(笑)。あと『新幹線ハイテンション』とか。

浜野 それすごい(笑)。

セイジ これ作っちゃダメだろうって思ったけど、作っちゃったね。

浜野 あー、まだまだありますね。全然大丈夫ですね。僕なんかまだ甘いですね。

セイジ 可能性は無限大だと思ってるけど、そこに自分の頭を投入できるかどうかが問題。勇気だよ、ほんと(笑)。

浜野 必要なのは、気合いと勇気ですね(笑)。

ーーでは、ここで環七と環八のイイとこ対決でもしますか。

セイジ オレ、住んでるのは環八沿いなんだけどね(笑)。環七は、フィーバーって言葉がうまく合うからいい。

浜野 環七は結構バイクで走るんですか?

セイジ 走るね。走るには環八よりも環七の方が面白い、立体交差もあって。環八はイマイチなんだよな。乗り切れない。

浜野 道混んでませんか?

セイジ うん、混んでるけど、夜中とかはすーっと行けるよ。

浜野 バイク乗る人はみんな環七好きなんですか?

セイジ うーん、そういう話はしたことないな。環七も渋滞するけど環八ほどじゃない気がするな。渋滞してもちょっと隙間がある気がする。環八も立体交差もあるけど、なんかねえ。

浜野 あの環八の立体交差はとんでもないことになりますよね。曲がりたいのに下に潜っちゃって、戻るに戻れないみたいな(笑)。僕、車はたまにしか運転しないんですけど、環八のいいところは…見当たらないですね(笑)。

−−(笑)。『環八ファンク』はどうしてできたんですか。

浜野 ツアーに行くときに、ほんと渋滞でヒドくて全然動かなかったんです。そしたらベースのヤツが変なリズム感持ってて、いきなり“環八ファンク、環八ファンク”って歌いだしたんです。その頃は僕の中でファンクというと、裏拍でリズミカルなものって考えてたけど、ドンドンドンってリズムで単調でバカバカしいし状況に合ってるし、それもファンクといえばファンクなのかなって。スピード感て重要だけど、いろんなスピード感はあるなと。止めるスピ−ドというか。でも、道路の歌なんか作ったことないし危険だなと思ったけど、普段、車乗らないないけど向き合ってみようと(笑)。なんで渋滞してるのにここ通るのか、日陰もないし、夏だとスゲー暑いしってとこからできたんです。渋滞からちょっと流れただけであ〜っていう安堵感があったりして。

セイジ その感じも曲に入ってる?

浜野 サビでちょっと流れるのが入ってます。といっても信号から信号へのくらいでレベルですけど(笑)。

ーー両者とも、環七寄りでしたね(笑)。新代田FEVERで対バンやる意味合いもアップしたんじゃないかなと(笑)。では、3・17の対バンに向けての今の気持ちを聞かせてください。

セイジ たぶん在日ファンクは、マイクのケーブルをトロンボーンのように伸ばすんじゃないかって(笑)。いや、すごく楽しみにしてます。

浜野 対決するには勝ちたいです(笑)。でも、サウンドが近いバンドだと張り合っちゃうところがあるけど、ギターウルフに関しては一回諦めようと思ってます(笑)。

セイジ いやいや。オレらもいろんなジャンルの人たちと対バンをたくさんやってきたけど、ファンクとやるのは初めてなんでほんと楽しみで。

セイジ(ギターウルフ)

セイジ(ギターウルフ)

ーーセイジさん、ジェームス・ブラウン好きですよね。

セイジ もちろん。あ、JBはファンクなんだ。

ーーそうですよ、キングですよ(笑)。

セイジ あー、ゲロッパか。

浜野 (笑)。でも僕も、JB以外ってあんま好きになれないんですよ。

セイジ あーJBか。マイケルは?

浜野 ちょっと違うけど、流れは組んでますね。

セイジ マイケルの『スリラー』をカバーしたことがあるんだけど、あれずっとワンコードなんだよね、最後のギリギリまで。サビも同じフレーズでビックリしてさ。基本、マイケルの歌だけで変化つけてるんだよ。いろいろ上もの絡めてるけど、スゲーって。ワンコード一発でやる、JBもそうじゃない。JBがその元祖だよね。同じワンコードで盛りアゲていくのとか好きだね。

浜野 ですよね。でも、ついつい違うコード使っちゃうんですよ。そういうときには心の中で、JBごめんなさいってあやまりますね(笑)。

セイジ ワンコードだけって大変だもんね。まあ、とにかくファンクと対バンできるのはうれしいよ。これ読んでる人も、ぜひ来てくれ。

浜野 ぜひ!

新代田FEVER 3rd Anniversary「フジヤマシャウト」CM

Text●土屋恵介 Photo●三島タカユキ 取材協力●新代田FEVER

PROFILE

【ギターウルフ】
メンバーは、セイジ(vo&g)、トオル(ds)、U.G(vo&b)。’87年にギターウルフ結成。’93年、レーベル"GONER RECORDS"より1stアルバム『WOLF ROCK』をリリース。’97年にメジャー1stアルバム『狼惑星』を発表。国内はもちろん、海外でもライブを精力的に展開し、国内外のロック・ファンから熱い支持を得ている。ライブを行なっていない場所は、アフリカ大陸を残すのみ。3月末からはアメリカツアーがスタートする。

【在日ファンク】
浜野謙太(vo)、村上啓太(b)、仰木亮彦(g)、永田真毅(ds)、後関好宏(sax)、久保田森(tro)、村上基(tr)の7人からなるファンク・バンド。SAKEROCKのトロンボーンを担当している浜野を中心に結成。’10年に1stアルバム『在日ファンク』を発表。1月18日には在日ファンクのキラーチューン『爆弾こわい』を岡村靖幸がREMIXするなど異色のコラボを発表したばかり。5月から3ヵ月連続の自主イベント「在日ファンク「宇宙大決戦」渋谷区ツアー」がスタートする。




【ギターウルフ】オフィシャルホームページ
【在日ファンク】オフィシャルホームページ


TICKET

「DUM-DUM meets FEEVER 新代田FEVER 3rd Anniversary 【フジヤマシャウト〜環七vs環八 頂上決戦GIG〜】」
▲3/17(土)新代田FEVER
出演:GUITAR WOLF / 在日ファンク

公演・チケット情報



【ギターウルフ】

『キューン20イヤーズ&デイズ』
▲4/30(月) LIQUIDROOM
出演:電気グルーヴ/ギターウルフ

キューン20イヤーズ&デイズ オフィシャルホームページ 

公演・チケット情報



アメリカツアー
『Alien Action TOUR 2012』
3/27(火)Nashville,TN
3/28(水)Chapel Hill,NC
3/29(木)Richmond,VA
3/30(金)Baltimore, MD
3/31(土)Brooklyn, NY
4/01(日)Philadelphia, PA
4/03(火)Fort Wayne, IN
4/04(水)Columbia, MO
4/05(木)St Louis, MO
4/06(金)Lawrence, KS
4/07(土)Des Moines, IA
4/08(日)Minneapolis, MN
4/09(月)Fargo, ND
4/10(火)Rapid City, SD
4/11(水)Missoula, MT
4/13(金)Bellingham, WA
4/14(土)Seattle, WA
4/15(日)Portland, OR
4/17(火)San Francisco, CA
4/18(水)Los Angeles, CA
4/19(木)Santa Ana, CA
4/20(金)San Diego, CA
4/21(土)Phoenix, AZ
4/22(日)Albuquerque, NM
4/24(火)San Antonio, TX
4/25(水)Dallas, TX
4/26(木)Memphis, TN

GUITAR WOLF - ALIEN ACTION TOUR 2012 OFFICIAL JET Teaser

公演・チケット情報



【在日ファンク】

『在日ファンク「宇宙大決戦」渋谷区ツアー』
⇒5月19日(土)代官山 UNIT
⇒6月24日(日)渋谷 CLUB QUATTRO
⇒7月22日(日)渋谷 O-EAST

『在日ファンク「宇宙大決戦」渋谷区ツアー』

公演・チケット情報



RELEASE

【ギターウルフ】
ALBUM
『宇宙戦艦ラブ』
発売中
2700円
キューンレコード
KSCL1671
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【在日ファンク】
ALBUM
『爆弾こわい』』
発売中
2625円
P-VINE
PCD-2625
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2012.03.09更新

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