TOP > 今週のこの人 > セイジ(ギターウルフ)×浜野謙太(在日ファンク)

 爆音ロケローをぶっ放し続けるギターウルフと、日本人ならではの黒いファンクを追求する在日ファンク。意外な組み合わせの2つのバンドが、3月17日(土)に、新代田FEVERの3周年アニバーサリーで異種格闘技戦のごとき対バンライブを行う。ギターウルフは『環七フィーバー』、在日ファンクは『環八ファンク』という都内環状線の道路の楽曲を持つだけに、ライブのタイトルもズバリ『フジヤマ シャウト〜環七vs環八頂上決戦GIG〜』ときました。両者サウンドは大きく違うけれど、曲名のシンプルさ、引っ掛かりのある歌詞など、意外と共通点もあったりするのです。この対バンライブを前に、決戦の地、新代田FEVERにて、ギターウルフのセイジと、在日ファンクの浜野謙太によるスペシャル対談が実現した。ミラクルな会話が飛び出しまくりの必読の対談だ!

ーー3月17日に、ギターウルフと在日ファンクの対バンライブ『“DUM-DUM meets FEVER 新代田FEVER 3rd Anniversary「フジヤマ シャウト〜環七vs環八頂上決戦GIG〜」”』が開催されます。今まで交流はあったんですか。

浜野謙太(在日ファンク)

浜野謙太(在日ファンク)

浜野謙太 それはなかったんですが、もちろんギターウルフのことは知ってました。

セイジ この間、高速のサービスエリアで偶然会って、タマゴそば持ってる浜野くんに声かけてしまって、そばが伸びないか心配だったなぁ(笑)。

浜野 伸びてなかったです(笑)。そのとき握手して手をひねりつぶりされるかと思ったけど、でもすごく温かい感じで大丈夫でした(笑)。

セイジ オレは、(DUM-DUM主宰の)富樫くんから、在日ファンクってカッコいいバンドがいると聞いて、いつもはピンとくることがあまりないんだけどカッコいいなって思った。歌詞が素晴らしくて、珍しいこと書くなと思ったんだよね。クセがあるよね。歌詞はクセがないと自分は興味が持てないけど、クセがあるじゃない?

浜野 最近、歌詞書くのが面白くなってきたんですよ。

セイジ でも、正直歌詞書くのキツいよね(笑)。

浜野 ですよね(笑)。大変ですか?

セイジ もちろん。電波がピーってきたらバーッと書けるときもあるけど。自分はタイトルがバーンと浮かばないと書けなくて。

浜野 あ、僕もそうなんですよ。タイトル先行型です。あの、『ミサイルミー』(’95年に発表したギターウルフのアルバム名。同タイトル曲も1曲目に収録されている)って言葉ってあるんですか?

セイジ いや、ないよ。

浜野 あれだけでも、言葉のスピード感がすごいなって思いました。

セイジ オレも、あれが頭にパッと閃いたときは自分でも感動したね。ちょうどアメリカツアー始めたころだったかな。

浜野 海外でやるとき、向うの人はどんな反応なんですか?

セイジ みんな“ミサイルミー”っていってるよ。

浜野 英文的にはないですよね(笑)。

セイジ そうだね、それでも勢いで大丈夫なんだよ、たぶん。

浜野 どの曲に食いつくのが多いとかあるんですか、意外と日本語とか?

セイジ うーん、気合いかな。

ーーみんな気合いに食いつくと(笑)。映像見ても、どの国の人もみんな“オールナイトデブットバセ!”って歌ってますよね。

セイジ うん。もともと、オレたちの1stアルバムはメンフィスのレーベルから出たんだけど、その頃は英語日本語みたいなのを使うのが多かった。アメリカでやることも多かったので、日本語で歌いながらも“ぶっとばせ”とか英語っぽく歌えるような言葉を最初の頃は選んでたよね。

浜野 僕は、最初、英語を歌う場合に、つじつまが合ってないとダメだと思ってたけど、最近は吹っ切れてきたんです。この間『ホームシック』って曲を作って、“アイム・ア・ホームシック”って歌詞ができて、でも英文的におかしいよなと思ったけど、好きだからいいやって。YOUTUBEには『爆弾こわい』のPVを公開してるんですが、最近外人がいっぱいコメントを寄せてくれてて、面白いなって。これでいいんだって、吹っ切れましたね。

セイジ 素晴らしいね。オレたちも、昔ビリー(ギターウルフの前ベーシスト)が『サマータイムブルース』をちゃんと英語で歌ってるかと思ってたら、のちにメチャクチャ英語だったのが発覚した(笑)。向うの人が“あれ、サマータイムブルースだったの?”って、日本語で歌ってると思われてたみたいでさ。

浜野 それは面白いですね(笑)。

セイジ あ! オレ読売新聞の夕刊で、在日ファンクって名前を最初に見たんだ。素晴らしいバンド名だなって。バンド名は誰が付けたの?

浜野 ベースの隠れリーダーみたいなヤツが持ってきたんです。“在日ファンクってどう?”って。

ーー日本で鳴っているファンクって意味になるんですよ。

浜野 そうですね。僕、映画『ブルースブラザーズ』が大好きで、あれも白人が黒人音楽をやり始める複雑な感じがあったじゃないですか。ああいうのやりたいってノリは、高校のときからあったんです。オレらにもできるブラックミュージックはあるんだ! って、変な理想があって。

セイジ 聴いたら、音がプロフェッショナルにできてうらやましかった。洗練されてるしさ。オレらそんなのできないから(笑)。結成してからどれくらい経つの?

浜野 実質3年くらいです。でも、バンド名は、音楽の先輩に止められたことあります。“お前らカッコいい音やってるんだからふざけたノリにするな“ファンク”の前に在日つけるのは間違ってる、そんなんじゃ2年で終わるぞ”って。

セイジ まあ、それより1年越えたからね。でも、先輩にいわれたとき、バンド名変えようと思わなかった?

浜野 僕は変えようかなってとも思ったんですよ、大吉ファンクに(笑)。でもメンバーが“それならやらない”っていい始めたんです。ああ定着してきてるんだなって。自分は確証が持てなかったときもあったんで、これがふざけてるといわれたら、そうかもしれないと思ってたときで。でもメンバーが何かしら手応えを持ったので、じゃあそっちにいってみようと思って変えなかったんです。でも、それでよかったと思いますね。いわれたことに反対することが僕らには大きかったんだなって。オレらは、言葉とサウンドが別れてるわけじゃなく、在日ファンクとして音楽を作ってるんだと思ったし。もしあのとき在日ファンクってバンド名を捨ててたら、むしろ1〜2年で終わってたかもなって。

セイジ 説教する人が面白いな(笑)。バンド名なんて何つけたっていいのに。まあ、確かに強烈だからね。でも、変に思うものほど愛着沸くよね。オレ、『宇宙戦艦ラブ』ってタイトル考えたとき、変な名前だな、これは使えないって思ったよ(笑)。

浜野 (笑)

セイジ でも、そういうものほど、頭の中でどんどんデカくなるんだよね。

浜野 分かります。これ使えないな、間違ってるよなってことでも、案外正しかったりするんですよね。

セイジ でもさ、遂に『ユーレイユー』って曲ができちゃって、いよいよネタが尽きて幽霊まで出きたなって思った(笑)。今は相当気に入ってるけどね。

浜野 それカッコいいですよ(笑)。

セイジ もう、そういうドぎついタイトルじゃないと、曲にならないものがオレたちのスタイルになってるから。それがオレらの個性を強烈に作ってる。だから在日ファンクって名前を選んだのは大正解だと思う。その上で音楽を作ってくのが宿命じゃない?

浜野 そうなんですかね。セイジさんは宿命を感じてます?

セイジ 感じてるよ。

浜野 どんなですか?

セイジ うーん、鬼太郎とか日本の妖怪と外国の妖怪が戦ってやられてくときに、最後には出て行かなきゃいけないぞっていうような気持ちだね。

浜野 スゲーカッコいいじゃないですか!(笑)。

ーーウルフは“鬼太郎が倒れたらオレらが行くぞ”っていう日本の最後の切り札的なバンドだと(笑)。

セイジ その意気込みでやってるから。あとは、やっぱ自分しか作れない曲を作りたいって欲望は常に渦巻いてるね。だから在日ファンクにもそういうのがあるんだろうね。否定されてもやり続けたんだからさ。だからよかったんだよ、否定した先輩に礼に行かなきゃ。バンドやるためにハンマーで、てこ入れしてくれたんだよ。

浜野 そういう尊敬の仕方もあるんですね。僕も避けて通れない人だったし、この人に背いて尊敬するのはどうしたらいいのかと思ってたけど。ただ、先輩を越えてくようなものをやらなきゃダメだなっていうのは思ってました。あのときから、バンドを続けていく宿命が宿されたのかもしれないですね。

セイジ きっとそうだよ。いいこというな、オレは、アハハハ。

セイジ(ギターウルフ)

セイジ(ギターウルフ)

ーー(笑)。ハマケンさんはギターウルフをどんなバンドだって捉えてますか。

浜野 もちろんずっと知ってましたけど、今回対バンすることで、改めて聴いたんです。そしたら歌詞の乗せ方がものすごく勉強になるんです。あれだけスピード感を追求したレコーディングの音なのに、歌詞が頭からガンってくるのがすごくカッコいいなって。

セイジ ありがとう!

浜野 僕は、ずっと音楽はスピード感だと思ってて、それを忘れがちになるんですけど、この間、別のバンドでライブがあって、ギターウルフのCD聴いてからやったら、スゲーいい感じでできたんです。

ーーギターウルフでライブの気合い入れができたと。

浜野 ハイ。音は全然違うんですけどね、そのときはトロンボーンだったし。

セイジ それはうれしいね。楽しみだな一緒にやるのは。

浜野 YOUTUBEでライブを見たら、セイジさんがギターをグワーッて弾いてるのがカッコよくて。やたらジャンプしてグシャってなってるし(笑)。とにかく行く!っていうのが出まくってますよね。言い方悪いかもしれないけど、ロックってカッコ悪さも含めてのものって聞いたことがあるんです。突進するからこそカッコ悪さも一緒にバーンってあるなって。「環七フィーバー」の“ちょっとヤバいが止まらないぜ”って歌詞とか、突っ走ることの怖さもちゃんとあるし。

セイジ もしかしてインディの『ミサイルミー』を聴いてくれたの?

浜野 ハイ。あれはすごいですね。どの曲かで、突如別のギターのカッティングが入ってきて、しかもちょっと走ってて(笑)。それもすごかったです。

セイジ あ、『ハリケーンロック』だ。

浜野 それです。とんでもないけど、スピード感にやられましたね。その音を聴いた瞬間に、ギタリストが出してる前のめり感が入ってきたんです。

セイジ あのアルバムは4トラで録ってるんだよね、インディの3枚目までは元の音源がカセットテープ。歌も家で布団被って歌って(笑)。

浜野 そうなんですか。昔、思ってたんですけど、音がバキバキの割れてる方がカッコいいのに、なんで普通のCDでは、ああいう音で録らないのかなって思ってたんです。

セイジ オレもそう思ってたね。

浜野 その方がダイナミックになりますよね。

Text●土屋恵介 Photo●三島タカユキ 取材協力●新代田FEVER

PROFILE

【ギターウルフ】
メンバーは、セイジ(vo&g)、トオル(ds)、U.G(vo&b)。’87年にギターウルフ結成。’93年、レーベル"GONER RECORDS"より1stアルバム『WOLF ROCK』をリリース。’97年にメジャー1stアルバム『狼惑星』を発表。国内はもちろん、海外でもライブを精力的に展開し、国内外のロック・ファンから熱い支持を得ている。ライブを行なっていない場所は、アフリカ大陸を残すのみ。3月末からはアメリカツアーがスタートする。

【在日ファンク】
浜野謙太(vo)、村上啓太(b)、仰木亮彦(g)、永田真毅(ds)、後関好宏(sax)、久保田森(tro)、村上基(tr)の7人からなるファンク・バンド。SAKEROCKのトロンボーンを担当している浜野を中心に結成。’10年に1stアルバム『在日ファンク』を発表。1月18日には在日ファンクのキラーチューン『爆弾こわい』を岡村靖幸がREMIXするなど異色のコラボを発表したばかり。5月から3ヵ月連続の自主イベント「在日ファンク「宇宙大決戦」渋谷区ツアー」がスタートする。




【ギターウルフ】オフィシャルホームページ
【在日ファンク】オフィシャルホームページ


TICKET

「DUM-DUM meets FEEVER 新代田FEVER 3rd Anniversary 【フジヤマシャウト〜環七vs環八 頂上決戦GIG〜】」
▲3/17(土)新代田FEVER
出演:GUITAR WOLF / 在日ファンク

公演・チケット情報



【ギターウルフ】

『キューン20イヤーズ&デイズ』
▲4/30(月) LIQUIDROOM
出演:電気グルーヴ/ギターウルフ

キューン20イヤーズ&デイズ オフィシャルホームページ 

公演・チケット情報



アメリカツアー
『Alien Action TOUR 2012』
3/27(火)Nashville,TN
3/28(水)Chapel Hill,NC
3/29(木)Richmond,VA
3/30(金)Baltimore, MD
3/31(土)Brooklyn, NY
4/01(日)Philadelphia, PA
4/03(火)Fort Wayne, IN
4/04(水)Columbia, MO
4/05(木)St Louis, MO
4/06(金)Lawrence, KS
4/07(土)Des Moines, IA
4/08(日)Minneapolis, MN
4/09(月)Fargo, ND
4/10(火)Rapid City, SD
4/11(水)Missoula, MT
4/13(金)Bellingham, WA
4/14(土)Seattle, WA
4/15(日)Portland, OR
4/17(火)San Francisco, CA
4/18(水)Los Angeles, CA
4/19(木)Santa Ana, CA
4/20(金)San Diego, CA
4/21(土)Phoenix, AZ
4/22(日)Albuquerque, NM
4/24(火)San Antonio, TX
4/25(水)Dallas, TX
4/26(木)Memphis, TN

GUITAR WOLF - ALIEN ACTION TOUR 2012 OFFICIAL JET Teaser

公演・チケット情報



【在日ファンク】

『在日ファンク「宇宙大決戦」渋谷区ツアー』
⇒5月19日(土)代官山 UNIT
⇒6月24日(日)渋谷 CLUB QUATTRO
⇒7月22日(日)渋谷 O-EAST

『在日ファンク「宇宙大決戦」渋谷区ツアー』

公演・チケット情報



RELEASE

【ギターウルフ】
ALBUM
『宇宙戦艦ラブ』
発売中
2700円
キューンレコード
KSCL1671
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【在日ファンク】
ALBUM
『爆弾こわい』』
発売中
2625円
P-VINE
PCD-2625
Amazonでのご購入はこちら



2012.03.09更新

今週のこの人 ラインアップ

  • 山田和樹
    小澤征爾も実力を認める注目の指揮者。クラシック音楽界が熱い視線を注ぐホープの“今”に迫る!
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  • 藤原竜也
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