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茅原実里

茅原実里 写真

――話はかわりますけど。実里さんはみずから作詞・作曲もなされる方ですが、自作の楽曲って、普段表現しているカラフルでパワフルでキラキラ輝くキャッチーな音楽性とは異なる表情を持っていません?

「わたし、昔からフォークソングのよう素朴な音楽が好きなんですよ。路上ライブをしていたときに作っていたのもそういう曲調でした。今でも時間があったら家で作詞・作曲をしているように、いつか「自分だけの作詞・作曲アルバムを作れたらなぁ」というのが夢なんです。わたし、2009年からこれまでの4年間、夏に、河口湖ステラシアターを舞台に“SUMMER CAMP”と題した野外コンサートを開催しているんです。その第2回目のときに、会場限定販売という形で、『一等星』という自分で作詞・作曲した楽曲をCD化したんですね。それがすっごく嬉しくって。あれが自分の小さな夢の第一歩だったように、そういう夢を少しずつでいいから実現していきたいなぁと想い続けています」

――実里さんの大きな転機の一つとしてあるのが、作品へ声優として加わりつつ、同時にオープニングテーマも担当したという経験でした。

「“自分が出演するアニメ作品のテーマ曲を唄うこと”がわたしの夢だったので、それがアニメ『喰霊-零-』(注5)の土宮神楽役や、テーマ曲の『Paradise Lost』を通して実現したことは本当に嬉しいことでした。 しかも、それまでは意識していなかったアニメソングを唄うことも、すごく自分で意識してゆくきっかけにもなりました」

――それ以前は、一切タイアップ歌は…。

「『純白サンクチュアリィ』が発表後に「キディ・グレイド2 パイロットDVD」(注6)のテーマソングになって以降、ありませんでした。「タイアップの付いてないほうが、何の縛りもなく音楽が作れるからいいじゃない」と思っていたんですよ。でも、タイアップが付くからこそ生まれるエネルギーの大きさに魅了されたと言いますか。アニソンの世界の持つエネルギーのすごさに強く魅かれたことが大きかったんです」

――『喰霊-零-』以降も、いろんな出演作品のテーマ曲を歌ってきてますもんね。

「そうなんです。ホライゾン・アリアダスト役で出演させて頂いたアニメ『境界線上のホライゾン』(注7)の第一期、第二期シリーズと連続で唄わせて頂きました。最新シングル『SELF PRODUCER』も、わたしが那須原アナスタシア役で出演のアニメ『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』(注8)の主題歌にさせて頂いてます。作品のテーマ曲を唄いながら、キャラクターとしても参加させて頂けることで、その作品をいろんな角度から楽しめるのは、すごく贅沢なことだなーと、わたし自身感じています」

――声優として作品に恵まれ、歌手としてテーマ曲にも恵まれてる。その2つを両立出来てるって…

「ホント、幸せなことですよねぇ」

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――今は、実里さんを取り巻く環境も大きくなっているから、求められる物事の責任も大きく重いんじゃない?

「それはお仕事をしていく以上、ずっとあります。でも、昔よりは心がたくましくなりましたね。きっと立場的なものもあると思うんですけど。昔は知らなくても済んでいたことが、今は、自分も理解してなきゃいけない事柄も増えたように、そこはだいぶ大人になりました(笑)」

――今や、敷かれたレールを走るだけじゃ済まなくなっているんだ。

「済まなくなっちゃったですね(笑)。今でも、何も考えず歌だけに集中していられたらいいなって思うけど。でも今は、いろんなことを自分で背負うぶん、やり遂げたときの充実感や達成感、感動もたくさんあるんです」

――それだけ背負うことが増えてくると、みずからも心強くタフでなきゃやっていけないですもんね。

「そうなんですけど。たとえばの話、茅原実里として活動をしていくうえで。とくにコンサートは、たくさんの人たちが何ヵ月も前から動いてるわけじゃないですか。もちろんスタッフさんたちも、自分の代わりなんて居ないんですけど。わたしもまた、茅原実里の代わりはどうあがいたっていないわけで。わたしの心が折れてしまったり、身体を壊したらすべてが終わってしまうように、自分がそれぞれの現場の中、一番しっかりと両足で立ってなきゃいけないんだっていう意識は強く持つようになりました」

――平日は役者業を、週末は歌手活動をという日々を続けていくのも大変なことじゃない?!

「声優業だって、一つ一つのお仕事に対して毎回プレッシャーを感じてます。ライブ活動も、そう。真面目に成り過ぎてたら自分自身がパンクしちゃうから、心が詰まらないよう上手く自分の感情のコントロールはしています」

――やはり、気持ちの抜き差しは必要なことだ。

「ですね。あきらめるときはスパッとあきらめることも含めて。おかげさまで経験値が増え続けているぶん、反省もするけど、「こういうこともあるよ」と気持ち大きく受け止められるようにもなりました。もちろん、へこむときはへこむし、友達に泣きながら電話をして話を聴いてもらうときもあります。それだって、昔に比べたら圧倒的に減ったと思う。シクシク泣きながら寝るなんてこともないですしね(笑)」

――“心のセルフプロデュース”がしっかり出来てるということですよね。

「アハハッ、そうですね(笑)。でも、それが出来ないと本当に大変なお仕事なんですよ、今やっていることは。そのセルフコントロールが出来ないと、自分で自分のことを潰してしまいますからね」

――気持ちのテンションをどう保つかは、とても大切なこと。

「そうなんです。それが何よりも一番大事なことかも知れないですね。何事も気持ちがすべて。たとえ体調が良くても、気持ちのコンディションが悪かったら、歌もお芝居も、絶対に良くはならないですから」

――そんな実里さんの新曲『SELF PRODUCER』(2012年10月24日発売)は今、みずから那須原アナスタシア役で出演しているアニメ『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』のオープニング主題歌へ起用中です。

「わたしの曲としては珍しくポップでキュートで陽気な楽曲ですね。『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』という、とっても賑やかなアニメ作品で、主人公の男の子に恋心を抱く女の子たちが、恋に一生懸命になっていく内容なんです。そのオープニング主題歌である『SELF PRODUCER』は、女の子の恋を応援する楽曲。女の子は、好きな人好みの女の子になりたいと一生懸命がんばるわけですよ。それこそ自分自身をセルフプロデュースして、彼に好きになってもらえるようにがんばるという。『SELF PRODUCER』はとっても元気な曲なので、「男の子も女の子も朝から聴いて、一日がんばってもらえたらなぁ」なんて思いますね」

――心のセルフプロデュースって、誰にも必要なことなんですよね。

「そうですね。でもまぁ、誰もが自然とやっていることだとも思います」

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茅原実里

――そんな新曲もきっと披露してくれると思いますが。11月18日には、さいたまスーパーアリーナを舞台にしたバースデーライブの開催が決定しました。デビューする以前の実里さんは、自宅から都内へ向かう際に、よく電車の車窓からさいたまスーパーアリーナの姿を見ていたんですよね。

「はい。小さい頃からずっと埼玉で育ってきたので、さいたまスーパーアリーナは建設中の頃からよく見ていました。まさかまさか、当時は「ここに立つ」なんてまったく想像もしていなかった場所でした。最近では、毎年のようにアニメロサマーライブを通して、この会場で歌わせてもらってはいますけど、このステージに単独で立たせてもらえるなんて「幸せなことだなぁ」と、ホント強く実感しています」

――やはり、感慨深い想いが巡ってきます?

「感慨深いですねぇ。埼玉に住んでる両親もすごく喜んでくれてます。しかも11月18日は、わたしの誕生日当日。その日にライブを行えるなんて…もう、わたしからみんなへ本当に感謝の想いを込め、1曲1曲唄っていきたいなぁと思っています」

――確か、バースデーライブは5年ぶりになるんでしたっけ?

「5年ぶりになります。わたし、生バンドと一緒に初めて演ったライブが、5年前の11月18日に原宿アストロホールで行ったバースデーライブだったんですね。あの頃に見たアストロホールはホント大きかった!! あの日のことを思いだすと、今回のステージは感慨深いですよねぇ」

――今回のステージ内容は、どんな感じになりそうですか?

「今年は、本当にライブの多い年になりました。カウントダウンライブから始まって、アルバム『D-Formation』(2012年2月29日発売)を手にした全国ツアーを行い、その後に幕張メッセでテーマを決めた2日間のワンマンがあり、夏には恒例のSUMMER CAMPがあってと。 本当に「いくつセットリストを考えればいいんだろう」みたいに(笑)、とても濃厚な1年を過ごさせてもらっています。この日は誕生日当日ということで、わたし自身のことを振り返りながら、一緒に歩んできてくれたファンのみんなやスタッフのみんなに感謝していくような、良い意味で肩の力を抜いた、わたしらしいステージにしていきたいなぁと思っています」

――大勢の人たちに誕生日を祝ってもらえるって、うらやましいなぁと思います。

「幸せなことですよねっ!! カウントダウンライブを演ったときもそうだったんですけど。そういう記念日をファンの人たちと一緒に迎えられるって、ホントにすごいことだなぁと思っています。誕生日だって、年に一回の特別な日ですからね」

――そんな、さいたまスーパーアリーナでのバースデーライブへ向けてのメッセージをお願いできますか?

「さいたまスーパーアリーナでのバースデーライブの日がいよいよ迫ってきました。一年の中で一番人に感謝しなければいけない誕生日にライブが出来る、こんな嬉しいことはないです! もちろん、ファンのみなさんに目一杯楽しんでいただける内容にしたいと思ってますし、絶対にテンション上がること間違いなしの、盛りだくさんな熱いライブにしていくつもりです」

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茅原実里

――実里さんの今後の目標も、ぜひ聴かせてください。

「何処かのタイミングでアコースティック編成のみでのライブを演りたいですね。じつは昨年、シングル「TERMINATED」(2011年10月19日発売)を購入した人の中から、抽選で選ばれた方を対象にしたアコースティック・ライブは演ったんです。このスタイルって、バンドメンバーとの呼吸や気持ちが聞こえてくるような感覚を抱けるから、すっごく楽しいんです。だからいつか、アコースティックなスタイルのみでの単独コンサートを演ってみたいです。あっ、あと完全作詞・作曲歌によるセルフプロデュースでのアルバムも、いつか作ってみたいなーと思っています。声優業に関しては、その時々に巡り逢った作品やキャラクターへ全力投球しながら、それをいかに次へ繋げていくか。一つ一つの出会いを大切にしていくことに尽きますね」

――今後、“こんな茅原実里を見て欲しい”というところはありますか?

「最近の趣味は“ふとん干し”です。あっ、そういうことじゃないですよね(笑)。最後にひと言みなさんへメッセージするなら、「夢は絶対にあきらめないで。とにかく追いかけ続けていれば叶うものだから」ってことです。わたしも何度もあきらめそうになったけど、けっしてあきらめなかったから今のわたしがいます。いくら夢を追い求めていても、それをあきらめてしまったら、そこですべてが終わってしまいます。だからこそ「自分はこうやるんだ」「これが好きなんだ」という信念を持ってあきらめずに追い求め続けていけば、いつか絶対に叶うと思います。わたし自身がそうでしたからね」

(注5)『喰霊-零-』:瀬川はじめによる原作漫画『喰霊』のアニメ化作品で、原作の過去を描く(2008年10月〜12月放送)。
(注6)『キディ・グレイド2』:2002年より放送されたアニメ作品『キディ・グレイド』の続編にあたる『キディ・ガーランド』のパイロット版。
(注7)『境界線上のホライゾン』:川上稔のライトノベルのアニメ化作品(2011年10月〜12月、2012年7月〜9月放送)。
(注8)『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』:鈴木大輔のライトノベルのアニメ化作品(2012年10月〜放送中)。

茅原実里から、バースデーライブに向けた動画メッセージが到着!

Text●長澤智典 Photo●源賀津己

PROFILE

ちはらみのり 声優、歌手。11月18日生まれ。2004年にアニメ『天上天下』のヒロイン・棗亜夜役で声優デビュー、また同年ファーストシングル『HEROINE』をリリース。2006年にアニメ作品『涼宮ハルヒの憂鬱』長門有希役で大ブレイク、2007年リリースのシングル『純白サンクチュアリィ』で歌手としても再始動。2010年5月には日本武道館での単独ライブを成功に収める。2012年10月24日に最新シングル『SELF PRODUCER』をリリース、11月18日には5年ぶりとなるバースデーライブをさいたまスーパーアリーナにて開催する。

茅原実里オフィシャルサイト
茅原実里バースデーライブ特設サイト


TICKET

茅原実里「MINORI CHIHARA BIRTHDAY LIVE 2012」

11月18日(日) 15:00開場/16:00開演
さいたまスーパーアリーナ (埼玉県)
全席指定-7800円
発売中

公演・チケット情報



RELEASE

Single
『SELF PRODUCER』

10月24日リリース
ランティス/GloryHeaven
LACM-14010
1400円

1.SELF PRODUCER
(TVアニメ「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ」オープニング主題歌)
2.Secret Season 〜桜色の恋人〜
(PCゲーム「いますぐお兄ちゃんに妹だっていいたい!」グランドオープニング主題歌)
3.ひとひらの願い
(テレビ東京「アニソンぷらす」10月EDテーマ)
4.生まれる明日のメロディ
(ランティスネットラジオ「radio minorhythm」テーマソング)

Blu-ray
『Minori Chihara Live 2012 ULTRA-Formation Live Blu-ray』

2012年6月16日幕張メッセイベントホール1日目の模様を完全収録
11月14日リリース
ランティス/GloryHeaven
LABX-8017〜8018
8800円

『Minori Chihara Live 2012 PARTY-Formation Live Blu-ray』

2012年6月17日幕張メッセイベントホール2日目の模様を完全収録
11月14日リリース
ランティス/GloryHeaven
LABX-8019〜8020
8800円

Album
『D-Formation』

発売中
ランティス/GloryHeaven

Blu-ray Disc Formation
LASA-35115〜6
6300円

DVD Formation
LASA-35117〜8
3800円

通常盤 [CDのみ]
LASA-5115
3000円


2012.11.06更新

今週のこの人 ラインアップ

  • 山田和樹
    小澤征爾も実力を認める注目の指揮者。クラシック音楽界が熱い視線を注ぐホープの“今”に迫る!
  • さまぁ〜ず
    2年ぶり、9回目の 『さまぁ〜ずライブ』開催。 稀代のコント芸人が、ライブにこだわり続けるそのワケは?
  • 遠藤保仁(ガンバ大阪)
    10年連続Jリーグベストイレブンにも、代表最多出場記録にも歩みを止めない。稀代のMFの飽くなき向上心に迫る
  • 堀北真希
    あくまでも、自然体。 2度目の舞台に挑戦する“国民的女優”の素顔
  • 藤原竜也
    舞台で演じ続けてきた実体験を、 「人生の蓄積」と呼んで胸に刻む。若き天才の次なる挑戦とは…。

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