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茅原実里

茅原実里 写真

11月18日にさいたまスーパーアリーナを舞台にバースデーライブを行う茅原実里。声優としてはもちろん、シンガーとしても高い評価と人気を得ている。過去にも、日本武道館や幕張メッセなど、大きな会場でのコンサートを何度も実施。さいたまスーパーアリーナは、「アニメロサマーライブ」を通しての出場経験があるとはいえ、単独では今回が初となる。彼女にとっても思い出に残るライブであり、今後の茅原実里の道を描くうえでも、未来への鍵を握るステージになることは間違いない。その大切な日に対しての想いを、声優・アーティスト茅原実里としての歩みも振り返りながら、ここにお伝えしよう。

――声優・茅原実里さんの魅力をじっくりご紹介したいと思います。もともと実里さんはシンガー志望であり、プロの歌手としてデビューする夢を追い求めていた方なんですよね。

「はい。もう高校生の頃から歌手になることを夢見ては、いろんなオーディションを受けてがんばっていたんですけど、なかなかチャンスをつかめず。二十歳になったときに、「このままどんどん年齢を重ねながら夢だけを追いかけていくのって、遥か先の自分の人生を考えた場合どうなんだろう?!」「もしこのチャンスでデビューに繋がらなかったら、歌手ではない人生をもう一度探そう」という決意のもと、自分の中で夢を追いかける期限を決め、最後の賭けとして音楽の養成所へ入りました。

 その養成所ではヴォーカル・コースを専攻。そこで学びながらがんばっていたんですが、まったくチャンスは訪れず。間もなく卒業という時期に、わたしの声の性質やキャラクターをよく見てくれていた学校のスタッフさんから、「今度うちの学校に声優コースを設けるんだけど頑張ってみない? 演技の勉強をしたら表現の幅が広がるかも知れないよ」と勧められました。そう声をかけていただく前から、オーディションへ参加したときに、声優の道を勧められることもあったので、「お芝居を勉強することで歌の表現幅も広がるかも知れない」と思ったことも、「声優コースへ進もう」と決めた理由にありました」

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茅原実里

――その声優コースで学んだ成果を活かし、アニメ『天上天下』(注1)のヒロイン・棗亜夜(なつめ あや)役をつかんだわけですよね。

「そうなんです。『天上天下』がわたしの声優としてのデビュー作になります。それだって、お芝居の勉強を始めて2年くらい経ってる中、なかなかチャンスをつかめなくて、「このオーディションに落ちたら学校を辞めて、もう一度自分の人生を考え直そう」というタイミングでつかんだ役だったんです」

――ふたたび崖っぷちの中で、未来への希望となる道をつかんだわけだ。『天上天下』やアニメ『サムライガン』(注2)のお花役を通して声優としての活動をスタート。ファーストアルバム『HEROINE』(2004年12月22日)を発売し、念願だったシンガー活動も始めましたが、プロになってもなかなか成果や結果を出せずにもがき続けるという、またまたピンチの局面に立たされてしまいました。

「声優としてデビューは出来ましたけど、声優事務所所属ではなかったこともあって、ただでさえオーディションのチャンスは少なかったし、自分の技術もぜんぜん足りない状態。まだまだチャンスを自分のものにしていく力が不足していたことから、仕事がなくてつらい時期も正直ありました。あの頃は毎日かならず更新をすると約束をしたブログも書いてたんですけど。お仕事が少ないから、書く内容も仕事以外のことばかりが増えてくような状態」

――だけど、毎日のブログ更新を通して、ファンの人たちとの繋がりを深くしていた面もありましたよね。

「そうなんです。わたしの次のお仕事を楽しみにしてくれているファンのみんなが居てくれたから、「その想いに応えたい」という気持ちでがんばって更新してましたねぇ」

――その頃ですよね、みずからギターを片手に路上活動も始めたのは。

「そうでした!! 声優としてデビューして、歌の活動も始めてという夢を叶えたはいいけど、なかなか声優としての次の仕事や、歌手としての次のCDリリースへ繋がる結果を出すまでには至れずの状態でした。それでも、わたしの「唄いたい」「歌が大好き」という想いを知ってるファンの方々から「ライブをして欲しい」「歌が聞きたい」という声をいただいてたことや、わたしも「自分の存在をもっとたくさんの人たちに知って欲しい」「どうしたら自分の歌をたくさんの人たちに聴いてもらえるんだろう?!」という気持ちから、「チャンスが巡ってこないのなら自分で作るしかない」という意識になり、昔ちょっとかじっていたことのあるギターを持ち出し、作詞作曲をしながら秋葉原の路上で唄い始めました」

――その行動力がすごいですよね。

「あの頃は、「ちょっとでもわたしのことを知って欲しい」という気持ちで路上ライブやライブのビラ配りをしてました。実際、路上ライブを通してわたしのことを知り、ライブへ足を運んでくれた人たちだっていました。当時は足を止めて聴いてもらえるだけでもすっごく嬉しかったですし、とても楽しく演ってましたね」

――その頃の実里さんは、本当に小さな階段をコツコツと登りながら歩み続けていました。時には「もう辞めよう」と思ったりはしなかったんですか??

「それは無かったですね。挫けそうになったときには、今でもズーッと二人三脚で走り続けているマネージャーさんが、わたしがあきらめないようにと支えてくださいました。当時は、ライブを演るにしても、打ち合わせを行うのはわたしとマネージャーとライブハウスの担当の人のみ(笑)。あの頃は、100人お客さんが来てくれることを目標に演ってたんですけど。それでも、なかなかお客さんが集まらなくてという状態でした」

茅原実里 写真

茅原実里

――そんな実里さんの人生をガラッと変えた大きなきっかけになったのが、アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』(注3)へ長門有希役で出演したことでした。

「そこからは、本当にガラッと変わりましたねぇ。『涼宮ハルヒの憂鬱』を通して長門有希というキャラクターに巡り逢ったことが、自分の声優・歌手人生の大きな転機になりました。今の音楽プロデューサーに出逢ったのも『涼宮ハルヒの憂鬱』がきっかけです。そこでの出会いを通して「茅原実里の音楽活動を再開させよう」と、ランティス(所属レコード会社)さんと一緒に音楽制作をしていくことが決まったり。そこから携わるスタッフさんの数も増えてと、信じられないことだらけでした。正直当時は、「まわりに付いていかなくちゃ」と不安もたくさんありましたけどね」

――歌の面でも、『涼宮ハルヒの憂鬱』のキャスト陣である平野綾さん、後藤邑子さんと共に、アニメのエンディングテーマ『ハレ晴レユカイ』を唄い、大ヒットさせましたよね。

「あの歌を、当時のアニメロサマーライブ(注4)の開催地になっていた日本武道館のステージ上で3人で歌ったときのお客さんたちのもの凄い反響は、とても衝撃的でした」

――まわりの環境がどんどん変わっていくことに対して、実里さん自身はどんな想いを抱いてました?

「自分は何も変わってないんですけど、「長門有希が大好きです」という感想と共に、わたしのことを知ってくれる人たちが一気に増えたように、作品の偉大さは強く感じていました。むしろ、その膨らんでいく人気に自身が付いていけなかったような…」

――でも実里さんを取り巻く環境は、『涼宮ハルヒの憂鬱』の出演をきっかけに、かなり追い風吹く状況になっていましたよね。

「声優や歌手として「まだまだ足りないものがたくさんある」状態ではあったんですけど。それでも、「この役は茅原さんにお願いします」とお声がけ頂いたことは自分でも嬉しい驚きでした。声優も、歌手としての活動も、自分の芝居や歌声を認められて選ばれるわけですからね。本当に「ありがたいことだな」と強く思っていました。それは、今も変わらない気持ちです」

――歌手活動再開第1弾シングルとなる『純白サンクチュアリィ』を2007年1月24日に発売。シンガーとしても再始動したことは嬉しい成果でした。

「その前に、『ハレ晴レユカイ』や長門有希のキャラクターソング『雪、無音、窓辺にて。』がたくさんの方々に愛されたことから、『純白サンクチュアリィ』へと繋がったわけですけど。それだって、わたしが長門有希というキャラクターに出逢っていなかったら生まれなかった音楽の方向性だったのかも知れないですね。嬉しいのが、『純白サンクチュアリィ』を出してからもう5年以上経ってるんですけど。この5年間、ずーっと制作しては唄い続けていられることにも感謝なんです。声優業もそうですけど、音楽活動だって、CDを出したくても出せない環境へ陥ることがあるのは自分でも経験していたことでしたからね」

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茅原実里

――今は制作にも深く関わっている実里さんですが、当時から楽曲制作には一緒に参加していたのでしょうか?

「最初の頃は、プロデューサーの方に完全にお任せしていたように、敷かれたレールの上を、しっかりとわたしが走るという状態でした。それが、年々経験を重ねるごとに少しずつわたしの意見や意志も入っていくようにと変化していきました。」

――歌手活動再開から1年後に演ったツアーの頃には、早くも品川ステラボールという大きなライブ会場でコンサートを行えるまでに人気も上がっていました。

「いやー、そこもみんなと一緒に階段を登ってきたと言いますか、ファンの人たちの応援がなかったら絶対に実現できていなかったことです。その後のコンサートに関しても、みんなが居たからこそ出来たことばかりなんです」

――それだけファンの人たちの意識を惹きつけたのも、実里さん自身の「唄いたい」という情熱が伝わってきたからじゃないですか?

「そうだとしたら嬉しいですね。昔は、本当に歌が大好きなことから、「自分の夢が叶いますように」という気持ちで歌ってたんですけど。いつしか「聴いてるみんなの夢が叶いますように」という気持ちが強くなりました」

――その気持ちを強く持つようになったのは、いつ頃の、何がきっかけでした?

「やっぱり、日本武道館ライブ(2010年5月30日)を行ってからだと思います。それまでのわたしは、チームのみんなと「日本武道館でライブを演る」ことを、遠くにある一つの大きな目標として掲げ、走ってきたのですが、(再デビューから3年後という)予想以上に早い時期に日本武道館公演を達成。そこがあまりにも明確な目標地点だったのに、日本武道館さえ通過点にしながら、もっともっと前へ進んでいかなきゃとなったときに、次の目標を見出せないという焦りを感じてしまったんです。そのときの葛藤が大きかったなと思います」

(注1)『天上天下』:大暮維人による原作漫画のアニメ化作品(2004年4月〜9月放送)。
(注2)『サムライガン』:熊谷カズヒロによる原作漫画のアニメ化作品(2004年10月〜12月放送)。
(注3)『涼宮ハルヒの憂鬱』:谷川流のライトノベル『涼宮ハルヒシリーズ』のアニメ化作品(2006年4月〜7月、2009年4月〜10月放送。2010年に『涼宮ハルヒの消失』が映画化され、長門有希が歌うエンディングテーマ『優しい忘却』も担当)。
(注4)アニメロサマーライブ:毎年夏に開催される、世界最大級のアニソンライブ。2012年はさいたまスーパーアリーナにて2日間開催され、5万4300人を動員。

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茅原実里から、バースデーライブに向けた動画メッセージが到着!

Text●長澤智典 Photo●源賀津己

PROFILE

ちはらみのり 声優、歌手。11月18日生まれ。2004年にアニメ『天上天下』のヒロイン・棗亜夜役で声優デビュー、また同年ファーストシングル『HEROINE』をリリース。2006年にアニメ作品『涼宮ハルヒの憂鬱』長門有希役で大ブレイク、2007年リリースのシングル『純白サンクチュアリィ』で歌手としても再始動。2010年5月には日本武道館での単独ライブを成功に収める。2012年10月24日に最新シングル『SELF PRODUCER』をリリース、11月18日には5年ぶりとなるバースデーライブをさいたまスーパーアリーナにて開催する。

茅原実里オフィシャルサイト
茅原実里バースデーライブ特設サイト


TICKET

茅原実里「MINORI CHIHARA BIRTHDAY LIVE 2012」

11月18日(日) 15:00開場/16:00開演
さいたまスーパーアリーナ (埼玉県)
全席指定-7800円
発売中

公演・チケット情報



RELEASE

Single
『SELF PRODUCER』

10月24日リリース
ランティス/GloryHeaven
LACM-14010
1400円

1.SELF PRODUCER
(TVアニメ「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ」オープニング主題歌)
2.Secret Season 〜桜色の恋人〜
(PCゲーム「いますぐお兄ちゃんに妹だっていいたい!」グランドオープニング主題歌)
3.ひとひらの願い
(テレビ東京「アニソンぷらす」10月EDテーマ)
4.生まれる明日のメロディ
(ランティスネットラジオ「radio minorhythm」テーマソング)

Blu-ray
『Minori Chihara Live 2012 ULTRA-Formation Live Blu-ray』

2012年6月16日幕張メッセイベントホール1日目の模様を完全収録
11月14日リリース
ランティス/GloryHeaven
LABX-8017〜8018
8800円

『Minori Chihara Live 2012 PARTY-Formation Live Blu-ray』

2012年6月17日幕張メッセイベントホール2日目の模様を完全収録
11月14日リリース
ランティス/GloryHeaven
LABX-8019〜8020
8800円

Album
『D-Formation』

発売中
ランティス/GloryHeaven

Blu-ray Disc Formation
LASA-35115〜6
6300円

DVD Formation
LASA-35117〜8
3800円

通常盤 [CDのみ]
LASA-5115
3000円


2012.11.06更新

今週のこの人 ラインアップ

  • 山田和樹
    小澤征爾も実力を認める注目の指揮者。クラシック音楽界が熱い視線を注ぐホープの“今”に迫る!
  • さまぁ〜ず
    2年ぶり、9回目の 『さまぁ〜ずライブ』開催。 稀代のコント芸人が、ライブにこだわり続けるそのワケは?
  • 遠藤保仁(ガンバ大阪)
    10年連続Jリーグベストイレブンにも、代表最多出場記録にも歩みを止めない。稀代のMFの飽くなき向上心に迫る
  • 堀北真希
    あくまでも、自然体。 2度目の舞台に挑戦する“国民的女優”の素顔
  • 藤原竜也
    舞台で演じ続けてきた実体験を、 「人生の蓄積」と呼んで胸に刻む。若き天才の次なる挑戦とは…。

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