――前から思ってたんだけど、気配り上手だよね。
自分ではそんなつもりないのに、なぜか言われるんですよ。最近よく言われるのが、スタイリストさんや周りのスタッフに、“ハタチとして見たことない”って(笑)。ハタチっぽいとこを探そうとするんですけど、“う~ん、ない”って(笑)。空き時間でみんなでご飯食べに行った時、スタイリストの男の人が、前掛けみたいなので汗を拭いてたんですよ。だから何気なくおしぼりをソッと置いたんですね。その後に、用事があるって聞いてたんで、“時間、大丈夫?”って聞いたら、5秒くらい間があって“そこがハタチじゃないんだよ”って(笑)。
――それは相手を気遣ってることだから、良いと思うけど。
良いんですけど、そこが“ハタチっぽくない”って言うのはどうなの?って(笑)。
――ハタチっぽいって、そもそも何なんだろう?
それすら分からない(笑)。周りの友達のキャッキャした感じとか? ハタチなのに未知の世界(笑)。地元に帰ると同世代の友達ばっかりですけど、なんか姉御みたいに見られるんですよね(笑)。中高生の頃とかは友達とかにすごく相談されたりしてたし。
――色んな人の相談とか抱えると大変じゃない?
抱えてるつもりは全然ないですけど、何かしてあげたいって気持ちにはなりますね。助けるって言うほどの大げさな感じではなくても、相手が悩みのどん底にいたりすると、どうにか引っ張り出したいって。話をとことんしたりとか、外に連れ出したりとか。
――逆に大雑把なとこもあったりしない?
そうです。どういうとこからそれを感じます?
――ライブとかイザっていう時に、肝っ玉がでかいと言うか(笑)。
それ、あります。細かいことは、あまり気にしない。気になることがあると、すごい気にするんですけどね。さっき言ってた友達の悩みや相談事とかだと、とことん解決するまで何とかしちゃうし。でも、確かに基本的には大雑把です(笑)。と言うか、年のわりには度胸がすわってる(笑)。
――そういう性格が、音楽にも反映されてると思うんだけど。
反映されてると思いますね。無意識のうちにですけど。音楽制作してる現場でも、納得するまで音を直し続けちゃうし。逆にライブの前とかだと、緊張して色んなこと考えちゃう時でも、直前になったら、こまいこと考えててもしょうがないや!って、気合いが入る。気配りな性格の面では、同じ気持ちになって、悩みを解決してあげたいとか。小さな瞬間や、小さな気持ちを大切にして、曲にすることがあります。
――今回のアルバムもそうだけど、小さな気持ちを大勢の人に届けたいってことにもつながるのかな?
つながってますね。このアルバムや自分の音楽を手に取ってくれる人には、実際には会えないんだけど、でも、同じ時間に、同じこの空の下で生活してると思うと、すごく身近に感じるんです。そういうひとりひとりの人に届いたら良いなっていう気持ちでセカンドは『Sing to the Sky』ってタイトルにしました。思えば“空”っていう単語を、今まで本当にたくさん使ってて。言われるまで気づかなかったんですけど、書き過ぎやろってくらい書いてて(笑)。何か希望を求めてたりとか、答えを求めてたりとかする時に、その“空”って言葉を無意識に書いてたり、実際に自分が空を見上げてたりするんです。私自身、空がすごく大好きで、届かないんだけど、空に届くくらいのパワーで歌いたいって。
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