- 『My SunShine』
- 発売中 / 1200円
- ワーナーミュージック・ジャパン / WPCL-10657
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人気ドラマ『メイちゃんの執事』主題歌を手がけ、人気上昇中のROCK'A'TRENCH。長かった冬の時代も終わり、アラサーにしてついに春が到来。ブレイク間近、勢いあります!
Text●宮本英夫 Photo●坂本泰士 Hair&Make●住田隆二(CACHE)
――半年振りなので、その間のそれぞれの変化について聞かせてください。まずは、半年前は実家暮らしだった山森さんから(笑)。
山森「実家から家族が僕を置いて出て行きました(笑)。みんな沖縄に帰ったので、僕が独立した形ですね。防音設備を作って、制作がしやすくなりました」
畠山「環境は変わってないです。ただ今回の曲がドラマの主題歌なので、大家さんや近所の人に“頑張ってるね”って言われることが増えましたね」
オータケ「僕は“この歳までにこうなりたい”という目標が常にあったんですよ。“30歳までには……”みたいな。いい感じで、そこに行けてるかなと思います。たとえ3日間洗濯できてなくても、“音楽は前に進んだな”ってポジティブに考えてます(笑)」
――山森さん、畠山さん、オータケさんはこの半年の間に揃って30歳になったんですよね。年少組の(笑)おふたりはどうですか?
豊田「曲がテレビで流れたおかげで、友達からの電話が増えました。周りが盛り上がってるから、それに乗せられてます。ただ勘違いしないように、やることをしっかりやりたいです」
河原「周りは確かに変わりましたね。初めて会う親戚に“めっちゃ応援しとったんよ〜”って言われたり(笑)。だからこそ今年頑張らないとヤバイと思ってます」
──『My SunShine』はドラマ『メイちゃんの執事』主題歌で、思いきりポップな要素を前面に出した曲ですね。
山森「音楽的にはもともと幅広いので、今回の曲もたくさんある中のひとつですね。まずドラマの主題歌の話をいただいて、プロデューサーさんともお会いして、台本もいただいて。条件は“疾走感があってサビがキャッチー”だけだったんですけど。そこからあまり時間がなかったので、去年の年末のワンマンライブのリハーサルと並行して曲作りをしました」
――作曲はオータケさんが手がけてます。
オータケ「プロデューサーさんが、“とりあえず『入学金1億円』みたいなぶっとびモードのドラマだから、曲もぶっ飛んだ感じがほしい”と。ただ一回聴いて飽きるものでは駄目だし、そこはすごく考えましたね。今回はサウンド・プロデューサー(本間昭光)の方が入ってくれて、一緒に練って練って、ようやくできたのがこれです」
――ビートは四つ打ちで、明るいメロディと掛け合いコーラスがあって、どこを取ってもすごくキャッチーです。
オータケ四つ打ちで、みんなでワイワイ騒げるような曲は好きなので。コーラスも、これならみんなも歌いたくなるだろうと。ライブっぽいし、わりとうまくハマりましたね」
――ではメンバー全員から、この曲にコメントを。
河原「疾走感があってキャッチーで、でもやってみると意外とムズくて。本間さんにいろいろジャッジしてもらいました。ベースだけ聴くと“この音で録っちゃうの?”っていうものなんですけど、全体に混ざるとちょうど良くなる。わかってるな〜って思いました」
豊田「明るい曲なので、とにかくシンプルでデカイ音を出そうと。そういういうのは得意なので、悩んだところはそんなにないですね」
山森「歌に迷いはなかったですね。自分の一番自然な歌い方で大らかに歌えばいいと思って、実際にいいテイクが録れたので」
畠山「ど真ん中の曲なので、さじ加減が難しかったです。本間さんは生ピアノで僕はオルガンを弾いたんですけど、オルガンはいなくてもいいっていうくらいのさじ加減で、うっすら聴こえてくるぐらいなんですけど、その微妙さがすごく大事で。どの楽器もそうで、全体的にすごくシンプルなんだけどその中に個性がある。パッと聴くと普通なんですけど、その普通さがカッコいい曲だと思います」
――ROCK'A'TRECHは今年で結成から5年。目標や理想は変わってきてます?
畠山「音楽性が変わり続けているので、楽しいですね。5年前に(山森と)ふたりでバンドを始めた頃は、その前のつきあいも長かったんで、“こんなのやりたいね”っていう話が合いすぎちゃって。でもこの5人になってからは、自分たちでも想像がつかない感じの曲もできてるし。今年アルバムを出せたらいいなと思って準備しているんですけど、どんどん状況も変わって僕らも変わってきたから、さらに面白いものができると思うし。それは『My SunShine』がきっかけですね。“ポップという方向に振り切ったらどうなるのかな?”っていうことができて、“こういう曲も僕らの中にあったんだ”ということに気付けたので」
――最後に「もしも」の質問を。もしも10年前にこういう状況になっていたら違ったかもとか、そんなふうに思うことはあります?
山森それはよく話してます。この歳で良かったと本当に思いますね」
畠山「一周する、っていう会話を僕らはよくするんですけど、本当にそういうイメージなんですよ。トンガッてた時期もあったし、いろいろあって今はここに落ち着いてるから、『My SunShine』みたいなポップな曲も“一周してるからカッコよくできるんだろうな”って。3〜4年前だったら“もうちょっとトンガッたほうがカッコいいじゃん”とか思ってたかもしれない。今はど真ん中に投げる感覚もわかってきたし、ライブに来てくれれば、その幅を見てもらえると思います」
