- レミオロメン『夢の蕾』インタビュー&動画コメント
(2009年1月インタビュー)
Text●神谷弘一(blueprint) Photo●源賀津己
ヘアメイク●杉本和弘 スタイリング●奥村渉
衣装協力●ADNUST■03(5428)2458/
ILLEI SHOP■03(3401)8318
昨年10月にリリースした5thアルバム『風のクロマ』がロングセラーとなっているレミオロメン。彼らが初のベスト・アルバム『レミオベスト』をリリースする。『3月9日』などの初期の名曲から、大ヒット曲『粉雪』、そして新曲『Sakura』『夢の蕾』までを収録した本作は、まさにバンドのキャリアを振り返るには絶好の一枚。決して平坦ではなかった5年間の歩みを、彼ら自身の言葉で振り返ってくれた。
──初のベスト・アルバム『レミオベスト』が届きました。まずは選曲のポイントを教えてください
藤巻「目に見えてターニングポイントになった楽曲を選びました。自分の価値観を超えて、新しいものを認めていったり、新しいレミオロメンに気づいたり。それまでとらわれていたものから、抜け出す時にできることが多いですね。たとえば3rdアルバムの『HORIZON』は、精神的に開いていって、みんなで共有していくという感覚が形になった作品でした。ネガティブなものが心に生まれたら、とりあえず横に置いておいて、見ないようにしていたんですよね。そこで山積みになったものに向き合って生まれたのが、今回収録した『アイランド』です。この曲は2006年にリリースしたLIVE ALBUM 『Flash and Gleam』に収録されていたんですけど、年内限定リリースでしたし、このタイミングでCDにできてよかったですね」
── 一方、『電話』や『ビールとプリン』のような初期の曲も収録されています。これまでのキャリアを振り返って、どんなことを感じますか?
前田「良い意味で、あっという間だったなと感じます。必死になって、悩んだり喜んだり、色んなことがあったけれど、素晴らしい時間だったと。まっすぐになんか歩けないし、紆余曲折あるなかで、その時々のベストを尽くしてきたから、ここにいられると思うんですよね」
神宮司「初期の曲をライブでやると、昔の自分のプレイを思い出したりするし、3人だけで作ってきた音の良さを、あらためて感じたりもします。このアルバムを聴くと、音のニュアンスから、時代ごとの違いを感じてもらえるかもしれないですね」
藤巻「この5年間は、色んなものを受け入れたり、自分の中で発見したりしてきた歴史だと思っていて。その中で、最終的な答えというのはメンバーの一人ひとりがたどり着いたものだし、自分たちなりの時代背景を背負っている曲が多いんです。だからこそ、僕らの中では色褪せないものになったと思うし、初めて聴く人にとっては分かりやすい作品になったとも思います。新曲も入っているので、ここから先に僕たちが作っていく音楽を楽しみにしてもらえるような響き方をしていけばいいなって」
──確かに、新曲『Sakura』がアルバム一曲目に入っているのは新鮮でした。レコーディングの時は、どんな点に心を配りましたか?
藤巻「桜というものが持っている色んな表情を表現したくて、サウンド選びにはこだわりました。華やかさと切なさ、メジャー感とマイナー感が行き来する、アンニュイな感じを出すために、というアプローチは、レミオロメンとしては新しかったですね。この曲は、ライブでキーボードを担当してくれている皆川(真人)さんとレコーディングしたんですけど、年が近いこともあって、くだらないことから一緒に悩めたんですよね。その新鮮さもあって、思い入れのある曲になりました。次のステージに向かう僕らの姿勢というのが、すごく出ている曲だと思うので、1曲目に入れることで、今のレミオロメンにグッと近づいてもらえるんじゃないかな」
──さて、現在みなさんは、『TOUR 2009 “風のクロマ”』の真っ最中ですが、順調に進んでいますか?
前田「そうですね。行ったことがない場所では、“ここにもレミオを待ってくれている人がいるんだ”という喜びを感じていて。『風のクロマ』というアルバムの世界を生で届けることができていて、充実していますね。僕らも新しいエネルギーをもらえているし、これをリスナーに返して、という好循環が生まれれば良いなって」
神宮司「それぞれのペースでコンディションを整えて、ライブに向かうことができていて。かなり良いテンションですね。それはライブにも影響するし、音に出ていると思います」
──ツアー後半には、アリーナでのライブも控えています。最後に、こちらへの意気込みを聞かせてください。
藤巻「ホールという大きさで伝えていけるリアリティを、アリーナでも同じくらいの密度で伝えられる演奏をしていきたいなって。また演奏だけじゃなく、映像作品とコラボレーションしたり、色んな意味でみんなのイメージが広がるライブにしたいですね」
リスナーが選んだ“この曲がスキ”大発表! 特集「レミオロメン 5年間の軌跡」へ
