@ぴあTOP > インタビュー >対談 シーナ&ロケッツ×中村獅童
シーナ&ロケッツ×中村獅童
――イベントの1回目から出演されていますよね。
中村「覚えてる。DJやったんだっけ?」
門野「そのはずが、歌ってたんだよ(笑)。俺がバンドで歌うはずだったのに、そこで獅童が酔っぱらって『You really got me』なんか歌って、すごい盛り上がってた(笑)」
シーナ「そうそう、すごいパンクな歌で、声が通ってて」
中村「歌舞伎役者だけどロックって言うと、普通の人は驚く。結びつかないと思ってるけど、江戸時代は今みたいなエンタテインメントがなかったわけだから、今で言うロックな精神の持ち主は、歌舞伎者と言われる人たちだった。今でこそ、白塗りに隈取りって普通に見るけど、あんなこと最初にやった人見たら、とてつもなくアナーキーなものだったと思う」
シーナ「そうよね。パンクのメイクも歌舞伎に影響されてるのよね。黒いアイラインに赤いアイシャドウは、そうでしょう?」
鮎川「歌舞伎は保守的じゃなくて革新よね。いつも新しいものを取り入れる。獅童くんは守るより飛び出して行きたい。だから歌舞伎者なんやね」
門野「去年は、イベントの日が獅童のバースディだったんだよね。それでサプライズでバースディケーキ用意したんだけど、それを獅童が千切っては投げ千切っては投げ(笑)」
中村「会場をケーキまみれに(笑)。その後ステージが滑って大変だった(笑)。でも俺より(仲野)茂さんが一番投げてた(笑)。2階席まで投げてましたからね」
――他の回で印象的だったのは?
中村「JさんとTAKUYAさんと一緒にバンドやった、2回目の時。すごい楽しかった」
鮎川「僕は何と言っても、3回目の時にウィルコ・ジョンソンを迎えたことやね。ウィルコはプライベートで京都とか行って、歌舞伎も行ったんだよ。言葉わからなくても。ウィルコ泣いたって」
シーナ「ちょっと見てすぐ出るつもりだったのに、全部見たんだって。素晴らしかったって」
中村「ジョン・レノンも初めて歌舞伎を見たとき、ぼろぼろ泣いたって聞いてます。音楽でも何でも、表現に国境はないんですよね」
シーナ「同じことよね。言葉わからなくてもロック聴いて感動する。言葉わかるようになっても、だいたい意味は近いよね。音楽で感情が伝わる。すごいことよね」
中村「そんな話をよくレッドシューズで、ミュージシャンの方を捕まえてしてて。歌舞伎も絶対負けねえよとか言いながら(笑)。それで、結構皆さんにかわいがって頂いてて。先日は、民生さんが歌舞伎を見にきてくれて『夜会うときと全然違うね』って(笑)。当り前ですよね」
――そういう出会いがイベントに反映されているわけですが、今回の心意気は?
中村「お祭りですから、今年に限った話ではなくて自分たちも楽しく、来てくれた皆さんにも楽しんでもらう。あんまり計算ずくで行っても面白くないから、自分を素直に表現するだけ。今からワクワクしてますよ。でも一番楽しみなのは打ち上げかな(笑)」
シーナ「獅童くんみたいなパンク小僧が(笑)はみ出したことをやるのに、私たちが印鑑を押してあげる(笑)」
鮎川「この日は、モンちゃんの言うことを全部聞く(笑)。ロケッツはオリジナル・メンバーの浅田孟も戻ってきて、素晴らしい喜びに自分たちが満ちてる。それを皆と共有したい、最高に機嫌のいいモンちゃんを囲んで。それを見たら、なんでレッドシューズに集まるかわかると思う。僕らも地方は大阪に行けるし、嬉しいよね。みんな待ってると思う」
シーナ「この向こう側が楽しみよね」
門野「ドアを一杯開けたいよね」
